『新潟県の地理学的研究』📗昭和49年 発行 土田邦彦 著
【新潟の古書紹介】🧐
『新潟県の地理学的研究』📗
昭和49年 発行 土田邦彦 著
長岡市立新町小学校長を務めた土田邦彦氏が、30余年にわたるフィールドワークの成果から精選した13篇を、自費出版としてまとめた地理学論文集📖

【内容など解説】🧐
⚫︎ 序文は新潟大学教育学部教授・山崎久雄氏。
終戦時、文部省科学研究費による稲作の地理的研究に着手した頃からの30年来の交流を振り返り、「地理が好きでたまらない」著者の正確で厳しい地理眼を評している。

⚫ まえがきでは著者自身が経緯を語る。
郷土の地理に興味を持ちフィールドを歩き続けて30余年、書き残した研究は20数篇。
散逸を恐れ、また研究に区切りをつける意味で整理・集録したという。古い研究もあえて補筆を避け原文のまま収録した点に、研究者としての誠実さが表れている。

⚫︎ 目次は「工業」「農業」「内水面漁業」「人口・開発」の4部構成、13篇を収録。
・工業:十日町機業地域の形成過程/越後・三条金物工業の地域形成/金物の町・三条
・農業:古志郡米作の地理学的研究/新潟県における米作の地理学的研究/新潟県における稲作作業季節/渋海川の河床低下と農業用水
・内水面漁業:越後・二十村郷の錦鯉/八色原扇状地における虹鱒養殖
・人口・開発:古志郡人口の地理学的考察/奥只見の電源開発/八色原扇状地開発の歴史と現状/上越沿線スキー場の地域形成
新潟県の産業と暮らしを「機業」「金物」「米作」「錦鯉」「電源開発」「スキー場」という多角的な切り口で捉えた構成で、県内各地の地場産業がまるごと網羅されている点が本書の大きな特徴。




⚫︎ おすすめポイントは、初期の稲作研究から熟達期の工業研究まで、著者の研究人生の歩みそのものが一冊に凝縮されていること。
あとがきによれば、各論文は複数の大学の教授らの著作や論文にそれぞれ引用紹介されており、当時の地理学界で高く評価されていたことがうかがえる。
第1回ときわ教育賞受賞という記述からも、在野の研究者による労作でありながら中央学会にも認められた一冊であることが伝わってくる。

📖 紙が語る「フィールドの30年」——教職という激職の傍ら、著者はひたすら郷土新潟の地理的現象を追い続けた。
機業も金物も米作も錦鯉もスキー場も、すべてが実地調査に基づく確実な資料の上に組み立てられている。
郷土の産業史・地域史に関心のある方にとって、一次資料としても読み応えのある一冊😌
#カミログ新潟 #ぽんしゅ館クラフトマンシップ新潟本コーナー
#新潟県の地理学的研究 #土田邦彦 #中越郷土研究会 #十日町機業 #三条金物 #八色原扇状地 #錦鯉 #上越沿線スキー場 #郷土史 #地理学 #古書好き
