中間管理職は、今日も誰かの「ズレ」を整えている|17年の中間管理職経験とThreadsに集まった声から整理した、感情・正しさ・責任のズレを翻訳するための実務ガイド
こんにちは、ゆーとんです。
日頃から僕の記事を読んでいただき、
本当にありがとうございます。
経営者でもコンサルでもない、
現場の中間管理職17年目が書いたものに
付き合ってくださって、感謝しかありません。
ただ、相当な修羅場はくぐってきました。
そのうえで、
Threadsで交流した全国の管理職の方から、
僕の持っていなかった視点をもらって、
今も少しずつ視野が広がっているんですよ。
今回の記事のことなんですが……
中間管理職がやっている技術って、
外から見えにくいうえに、
あまり言語化されているのを見かけないなと、
ずっと思っていました。
「じゃあ、僕が書きますか!」
そう思って、ついに書いてしまいました。
出し惜しみはしていません。
中間管理職にとって一番大事だと思っている
「翻訳力」について、
今の僕が持っているものを全部入れました。
なかなか見かけない切り口で
言語化できたつもりです。
ただ、
これで完成したとは思っていません。
現場で新しく発見したことは、
この記事に足していきます。
一度購入いただければ、
追記した分もそのまま読めます。
もしよろしければ、
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読んでいただけたらうれしいです。
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持ち帰れるものを用意しました。
そして、
もし、
もしも、
気に入っていただけたら、
その続きも読み進めてもらえたら感激します。
それでは、本文に入ります。
よろしくお願いいたします。
「今日は、何をしていたんですか」
そう聞かれて、うまく答えられなかったことがあります。
会議に出た。
メールを返した。
相談を受けた。
資料を確認した。
並べてみても、一日の実感とは合いませんでした。
部下を育てる。
目標を管理する。
進捗を確認する。
上司へ報告する。
役割だけを並べれば、ある程度は説明できます。
でも、実際に一日の大半を使っているのは、もう少し細かくて、名前のつきにくい仕事です。
上司の曖昧な言葉を、現場が動ける条件に変える。
部下のまとまっていない相談から、本当に困っている場所を探す。
自部署と他部署、それぞれの正しさを聞きながら、仕事が止まらない着地点を探す。
誰が担うのか分からない仕事を拾い、役割を整理する。
問題が起きそうな場所へ先に声をかけ、認識をそろえる。
誰かが少し強く言った言葉を、そのまま別の誰かへ渡さず、受け取れる温度に整える。
こうした仕事は、毎日のように発生します。
しかも、うまくいった時ほど目立ちません。
問題が、起きなかったからです。
「普通に終わった」は何もなかった一日ではない
僕は、この名前のつきにくい仕事について、Threadsに本音を書いています。
正直に言うと、SNSはずっと怖いものでした。
何を書いても、どこかで誰かに刺されるような気がしていた。
それでも始めたのは、答え合わせがしたかったからです。
自分が毎日やっていることの正解を確かめる相手がいない。
同じ立場の人がどうしているのかを知りたかった。
そうしてThreadsに集まった声を持ち帰って、noteで答え合わせをする。
それを続けています。
以前、こんな投稿をしました。

僕の投稿の中で、一番多くのいいねが集まりました。
珍しい話を書いたからではないと思います。
むしろ逆で、多くの人が同じような仕事をしているのに、それをうまく説明できていなかったからではないでしょうか。
返信欄には、業種も立場も違う人たちから、似たような話が集まりました。
その人が異動してから、何をしてくれていたのかが分かった。
先に問題を伝えると「考えすぎ」と言われる。
実際に起きると「なぜ言わなかった」と言われる。
平穏に一日が終わったこと自体が、誰かの仕事の結果なのだと思う。
読みながら、これは評価制度の話だけではないと思いました。
たとえば、このままだと納期に間に合わないと気づいて、誰ならアサインできるかを整理しておいた。
曖昧な依頼をそのまま部下へ渡さず、期限と優先順位を確認した。
会議の前に、関係者へ確認を入れておいた。
他部署が反発しそうな点を予測して、先に背景を説明した。
現場の不満をそのまま上司へぶつけず、工数やリスクに置き換えて伝えた。
その結果、納品は間に合いました。
仕事も止まりませんでした。
大きな手戻りも起きませんでした。
でも、周りから見えるのは、
特に問題なく終わった
という結果だけです。
そこへ至るまでに、誰が何を受け取り、何を整理し、どこへどう伝えたのかは残りません。
うまくいくほど、痕跡が消える。
これが、中間管理職の仕事が説明しにくい理由の一つだと思っています。

そもそも何に気づいて動いていたのか
この投稿を書いた時、僕が言いたかったのは「もっと評価してほしい」ということではありませんでした。
もう少し引っかかっていたことがあります。
先回りして動くと言いますが、そもそも何を見て動いているのか。
僕がやっていたことを、一つずつ振り返ってみました。
担当を整理したのは、全員が「誰かがやるだろう」と思っている場所が見えたからです。
依頼の期限を確認したのは、「なるべく早く」という言葉が、依頼した側と受けた側で別の日を指していそうだったからです。
会議の前に確認を入れたのは、上司の説明と、現場が受け取っている内容が食い違っていそうだと感じたからです。
他部署へ先に背景を説明したのは、こちらの「お願い」が、向こうには「押しつけ」として届きそうだと思ったからです。
現場の不満を工数に置き換えたのは、そのまま伝えれば「感情的だ」で処理されると分かっていたからです。
並べてみて、気づきました。
僕が先に気づいていたのは、問題そのものではありません。
同じ言葉を、両側が違う意味で受け取っている状態です。
そのズレを放っておくと、あとで問題になる。
だから、問題になる前に整えていた。
先回りしていたのではなく、ズレに気づいていただけでした。
僕たちは人と人の間ではなく「意味と意味の間」に立っている
中間管理職は、よく「上と下の板挟み」と言われます。
もちろん、それも間違いではありません。
ただ、あの投稿を書いたあとで僕の仕事を数えてみて、少し違うのではないかと思うようになりました。
17年やってきて、間に立っているのは人と人ではないのかもしれない。
経営が言う「効率化」と、現場が受け取る「人員削減」。
上司が言う「もう少し考えて」と、部下が受け取る「やり直せ」。
部下が言う「もう無理です」と、管理職が受け取る「仕事を減らしてほしい」。
他部署が言う「難しい」と、自部署が受け取る「協力する気がない」。
メンバーが言う「大丈夫です」と、表情から見える「本当は厳しい」。
言葉は同じでも、立場や経験が違えば、受け取る意味は変わります。
そして、そのズレを放置すると、誤解が生まれ、反発が起き、手戻りが発生し、誰も動かない状態になります。
僕たちが間に立っているのは、人と人ではなく、意味と意味の間なのだと思います。
ずっと、別々の悩みだと思っていました。
休みなのに仕事のことを考えてしまう。
部下に任せる加減が分からない。
上司と部下の感情の間で消耗する。
曖昧な言葉の行間を読み続ける。
分かり合えない相手と、どう距離を取るか迷う。
でも、いま並べてみると、全部の根っこに同じ仕事がありました。
人と人の間で意味を受け取り、整理して、相手が動ける形へ変える仕事です。
僕はそれを、この記事では「翻訳」と呼ぶことにしました。
翻訳はうまく言い換えることではない
翻訳と聞くと、話し方や言い換えのテクニックを思い浮かべるかもしれません。
でも、ここで扱う翻訳は、もう少し手前から始まります。
ひとことで言えば、相手が受け取れる形に、意味を組み直すことです。
もう少し丁寧に書くと、こうなります。
翻訳力とは、状況・人・事象を幅広く観察し、必要な意味を見極め、自分を整えたうえで、相手が受け取れる形へ再構成する力です。
大事なのは、言葉を変えるより前の部分だと思っています。
まず、受け取る。
すぐに自分の正しさを証明しようとしない。
事実と、自分がそこへ足した評価を分ける。
相手が何を求めているのかを見る。
自分の解釈を、正解ではなく仮説として扱う。
そのうえで、相手が扱える形へ言葉を変える。
伝えたあとに、認識が合っているかを確認する。
必要な行動は相手へ返し、自分が背負う範囲には線を引く。
言葉を選ぶのは、この長い工程のうちの一部分でしかありません。

30秒の翻訳チェック【道具1】
ここまで読んで、自分も似たようなことをしているなと感じた方へ、僕が使っている道具を一つだけ、先に共有します。
相手へ言葉を返す前に、次の5つを確認してみてください。
1.今、相手は何を求めているか
共感、承認、整理、結論、提案、行動。
感情を話している相手に、いきなり解決策を出していないか。
逆に、結論を求められている時に、気持ちの話を続けていないか。
2.事実と、自分の評価を分けられているか
「依頼した資料が、期限の翌日に出てきた」は事実です。
「危機感がない」は評価です。
実際に起きたことと、自分が勝手に貼ったレッテルが、混ざっていないか。
3.誰に、どんな影響があるか
自分が気になるというだけでは、介入の根拠として弱いことがあります。
周囲の仕事、顧客、期限、手戻り、相手自身の信頼。
どこへ影響しているのかを見ます。
4.自分が担う責任は、どこまでか
部下から相談を受けたとします。
この件は、自分が決めることか。
部下と一緒に整理することか。
部下自身が考えて動くことか。
それとも、自分の権限を超えていて、上司へ上げることか。
5.相手へ返す行動は何か
次に誰が、何を、いつまでにやるのか。
管理職が答えを持つことと、管理職がすべて代わりに行うことは違います。

この5つを確認するだけでも、会話や判断のズレはかなり減らせると思います。
ここから先で整理していくこと
ここまでは、翻訳をひとつの流れとして見てきました。
ただ、実際の現場で起きるズレは、性質の違うものが混ざっています。
相手が求めているものと、こちらが返しているものが違う。
これは感情のズレです。
お互いに正しいことを言っているのに、守ろうとしているものが違う。
これは正しさのズレです。
誰が決めて、誰が動いて、誰が最後を持つのかが曖昧になっている。
これは責任のズレです。
ここから先は、この3つのズレに分けて、明日の会話で使えるところまで整理していきます。
第I部|感情のズレを整える
話が噛み合わないのは目的が違うから
管理職は感情より先に課題を探してしまう
感情は受け取るけれど背負わない
相手が求めているものと、こちらが返そうとしているものを、ズレさせないための順番。
部下の「もう無理です」に何をどの順番で返すか。
よかれと思って出した提案が押しつけになる3つのパターン。
相手が何を求めているか分からない時の4つの聞き方。
感情を受け取りながら抱え込まないための線引きと、
深く受け取る相手と浅く丁寧に接する相手の分け方まで整理します。
第II部|正しさのズレを整える
違和感だけでは判断の根拠にならない
同じ言葉が同じように届くとは限らない
どちらが正しいかではなく何を守ろうとしているかを見る
正論を相手が受け取れる形へ変える
自分の翻訳を正解ではなく仮説として扱う
言いにくいことを、人格評価にせずに伝える型。
自分の「気になる」を事実と評価と影響に分ける手順。
同じ一言が相手によって3通りに聞こえる理由と、その手前に足す一言。
部下への指摘、上司への進言、他部署への依頼で使える言い方と、その型が失敗する2つのパターン。
相手の言葉から読み取ったものを、決めつけずに確認する6つの場面別の言い方まで整理します。
第III部|責任のズレを整える
自分が決めることと部下へ返すことを分ける
翻訳できる人ほど便利屋になりやすい
分かり合えなくても仕事は成立させられる
翻訳力は味方を増やす
どこまで自分が引き取り、どこから相手へ返すのか。
相談を受けたその場で使える4区分の判断表と、3つの実例。
行動を返すことと丸投げの違い。
整理できてしまう人ほど便利屋になっていく構造と、その入口での止め方。分かり合えない相手と仕事を続けるための3つの境界線。
そして、味方が増える人と孤立する人の違いまで整理します。
記事の中で使う4つの道具
道具1|30秒の翻訳チェック
この記事で先に共有した5つの問い。
ここから先では、それぞれを間違えやすい場面と会話例まで分解します。
道具2|正論の翻訳テンプレート
正しいことを、人格評価や命令ではなく、事実・影響・問いへ変える型。
道具3|確認のテンプレート
相手の気持ちや意図を決めつけず、自分の理解を仮説として戻す言い方。
感情・目的・意味・ゴール・責任・話の芯の6場面で用意します。
道具4|境界線の判断表
相談を受けた仕事を、自分が決めること、部下と一緒に整理すること、部下へ返すこと、上司へ上げることに分ける表。
実際の3つの相談に当てはめた例付きです。
読み終えた後に目指すのは、誰とでも分かり合える状態ではありません。
人と人の間で迷った時に、何を受け取り、何を事実へ戻し、どこまで自分が担い、何を相手へ返すのか。
その次の一手を、自分で選べる状態です。
ただ、実際の現場では、確認すれば答えが出るというほど単純ではありません。
相手が感情を話しているのか、事実を伝えているのか分からない。
正論を伝えるべきなのか、先に背景を聞くべきなのか迷う。
部下へ返したつもりが、丸投げになっている。
支えようとした結果、いつの間にか自分だけが抱えている。
そして、一番厄介なのは、自分の中では筋が通っているのに、相手にはまったく違う意味で届いてしまう時です。
僕自身、それをやりました。
Threadsを始めて、まだ数ヶ月の頃です。
それまでSNSに触れたことがなく、この書き方が人にどう届くのかを、まったく分かっていませんでした。

この投稿には、僕の投稿の中で一番多くの返信がありました。
そのほとんどが、批判でした。
勤務時間外の過ごし方まで管理しようとしている。
古い価値観を押しつけているだけではないか。
業務に支障がないなら、放っておけばいい。
早く出社している上司の存在こそが、圧力になっている。
読んだ時、正直に言えば、そうじゃないんだけどな、と思いました。
僕の職場はフレックスタイム制です。
早い時間から働けば、その時間にも給与が発生します。
朝には決まった時間のミーティングがあって、そこで自分の予定を共有することになっています。
気になっていたのは、寝ていること自体ではありませんでした。
ミーティングで予定を説明できず、その場で考え始めているように見えたことです。
その間、他のメンバーが待つ時間も生まれていました。
でも、その前提を、僕は投稿に書いていませんでした。
読者に渡したのは、始業前、若手が寝ている、僕が気にしている、という一部だけです。
足りない部分は、読んだ人がそれぞれの経験で埋めます。
その結果、僕の意図とはまったく別の話が、読み手の中で完成していました。
これは、読解力の問題ではありません。
判断に必要な前提を、僕が渡していなかった。
それだけのことでした。
そして、これはSNSだけで起きることではないと思います。
上司に相談したら、「そんなに大ごとなのか」と言われた。
部下に指示を出したら、まったく違う受け取られ方をしていた。
他部署に事情を説明したら、押しつけだと受け取られた。
自分の中では筋が通っている。
理由もある。
悪意もない。
それでも届かない時、僕たちはつい相手の理解力や姿勢を疑います。
でも実際には、自分の頭の中にあった前提を、渡していなかっただけかもしれません。
自分の中にある背景は、言葉にしなければ、相手には存在しないからです。
炎上しかけたコメント欄を返信の仕方だけで共感に変えた
投稿した直後から、批判が次々と届きました。
通知が止まらなくて、正直しんどかったです。
それでも返信を続けているうちに、コメント欄の空気が変わっていきました。
最後には、
どんな意見が来ても、一度ちゃんと受け止めているのがすごい
という言葉までもらいました。
投稿を消したわけでも、書き直したわけでもありません。
変えたのは、批判への返し方だけです。
もう少し正確に言うと、批判のひとつひとつに対して、
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