【なるほど!】脂質異常症のお薬!脂質異常症③

コレステロールは遺伝的な影響も大きいので、食事や運動だけではどうにもならない!っていう場合も出てきてしまいます…。
他の病気や服用しているお薬の影響で脂質が高くなることもあります。

そうなったら、大人しくお薬の力を借りることも大切です!
血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞などにつながったら大変ですからね…

脂質異常症のお薬は、問題なく服用できていれば長く続けて使うことが多いです。症状がないからと自己判断でやめずに、きちんと続けてほしいなと思います。
中には飲み合わせには注意が必要なお薬もあります。
他の医療機関にかかった時や、新しいお薬を飲み始める時には、脂質異常症のお薬を飲んでいることもきちんと伝えてください!

ここからはそれぞれのお薬について触れていきます

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系)

脂質異常症の治療で中心的に使われるお薬です!

『クレストール:ロスバスタチン』
『リバロ:ピタバスタチン』
『リピトール:アトルバスタチン』
『メバロチン:プラバスタチン』
『ローコール:フルバスタチン』
『リポバス:シンバスタチン』


メイン効果は肝臓でコレステロールが作られるのを邪魔することで、いわゆる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げます!

LDLコレステロールが高い場合には、まずスタチンから治療を始めることが多いです!
スタチン系は単に検査値を下げるだけではなく、動脈硬化性疾患の発症を防ぐために使われます!

スタチンはLDLコレステロールを下げる強さには違いがあり、クレストールやリバロ、リピトールなどは比較的しっかりLDLコレステロールを下げる「ストロングスタチン」といわれるお薬です。

スタチンの中にはCYP3A4という代謝酵素の影響を受けるものがあります!
有名なのはグレープフルーツジュース(皮の内側の白いもあもあが多い柑橘類)などで、この酵素の働きを邪魔するため、体の中でお薬の濃度が高くなってしまうことがあります。
この酵素は色々なお薬に関係しているので、
自分のお薬が該当するか分からない場合は薬剤師に確認してくださいね♪

フィブラート系薬剤など

『ベザトール:ベザフィブラート』
『リピディル/トライコア:フェノフィブラート』
『パルモディア:選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)』

これらは中性脂肪(トリグリセライド)を下げるのが得意なお薬です。
脂質の代謝に関わる仕組みに働きかけることで、中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やす作用もあります。
中性脂肪は食事や飲酒の影響を受けやすく食べすぎや飲みすぎなどでも数値が変わりやすいです。
お薬を飲んでいるから大丈夫!ではなく、食生活にも気をつけてくださいね♪

スタチン系やフィブラート系というよく使われる薬では、非常にまれですが「横紋筋融解症」という筋肉の重大な副作用があります。
組み合わせや腎機能などによっては注意が必要です!
心当たりのないひどい筋肉痛や力が入りにくい、強いだるさ、コーラ色の尿などが出た場合はすぐに相談してください!

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

『ゼチーア:エゼチミブ』
これも悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げるお薬です。
小腸でコレステロールが吸収されるところを邪魔して、体内に取り込まれるコレステロールを減らします。

スタチンだけではLDLコレステロールが十分に下がらない時に追加されたり、スタチンを十分に使いにくい場合などにも使われます。

作るのを抑える」のではなく「吸収を抑える」ことで増えなくするイメージですね!

多価不飽和脂肪酸

『ロトリガ:イコサペント酸エチル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチル(DHA)の混合製剤』
『エパデール:イコサペント酸エチル(EPA)』

いわゆる青魚などに含まれるEPAやDHAを利用したお薬です。
こちらは主に中性脂肪を下げる目的で使われます。

肝臓で中性脂肪が作られるのを抑えたり、中性脂肪の処理を促したりすることで、中性脂肪を下げます。
人によっては吐き気などの胃腸症状や下痢が出ることがあります。

また、血液を固まりにくくする作用にも関係するので、抗血栓薬などを飲んでいる人では出血にも注意が必要です。

PCSK9を狙う注射薬

『レパーサ(エボロクマブ:PCSK9阻害薬)』
『レクビオ(インクリシラン:siRNA製剤)』

これらは比較的新しいLDLコレステロールをかなり強力に下げる注射薬です!

PCSK9は、血液中のLDLコレステロールを回収するところを分解して、少なくしてしまうタンパク質です。
なので、PCSK9の働きを邪魔したり、PCSK9が作られるのを減らしたりすることで、血液中のLDLコレステロールをたくさん回収できるようにするお薬です!

レパーサはPCSK9の働きを抑え、レクビオはPCSK9そのものが作られるのを抑えるお薬です。

ATPクエン酸リアーゼ阻害薬

『ネクセトール:ベムペド酸』

2025年に日本でも登場した新しいタイプの飲み薬です!
肝臓でコレステロールが作られる過程にある「ATPクエン酸リアーゼ」という酵素を邪魔することで、LDLコレステロールを下げます

スタチンとは作用する場所が少し違うため、スタチンだけでは十分にLDLコレステロールが下がらない場合や、スタチンを使いにくい人などで新しい選択肢になっています。

MTP阻害薬

『ジャクスタピッド:ロミタピド』

肝臓や小腸でLDLコレステロールのもとになるリポタンパクが作られる過程を邪魔するお薬です。
ただし、これは「ホモ接合体家族性高コレステロール血症」という非常に特殊なケースで使われるお薬ですので、「そんな薬もあるんだ」くらいで大丈夫です!

その他のお薬

ほかにもこんなお薬が使われることがありますが、現在の脂質異常症治療では登場する場面が限られるものもあるので、軽く触れておきます。

陰イオン交換樹脂

『コレバイン:コレスチミド』

交換樹脂の名前の通り、腸の中で胆汁酸にくっ付いて、そのまま便として外に出すお薬です。
胆汁酸が減ると、肝臓は新しい胆汁酸を作るためにコレステロールを使います。
その結果、血液中のLDLコレステロールを減らす方向に働きます。

ただし、ほかのお薬の吸収にも影響することがあるので、飲むタイミングをずらさないといけない場合があります。
胆汁酸が原因となっている下痢に対して使われることもあります。

プロブコール

『シンレスタール/ロレルコ』
コレステロールが胆汁酸に変わるのを促したり、胆汁中への排泄を促したりすることで、体内のコレステロールを減らす方向に働くお薬です。
その結果、血液中のLDLコレステロールも下がります。
一方で、HDLコレステロールも下がることがあるのが特徴です。また、抗酸化作用も持っています。

このお薬はQT延長などの不整脈に注意が必要なので、心臓の病気がある人や、ほかのお薬との飲み合わせには注意が必要です。
妊娠中には使用できません。

ニコチン酸誘導体

『ユベラN:トコフェロールニコチン酸エステル』

中性脂肪の材料になる脂肪酸が脂肪組織から放出されるのを抑えるなどして、中性脂肪を下げる方向に働きます。HDLコレステロールを増やす作用もあります。

みなさんが服用しているお薬はありましたか?

脂質異常症のお薬は目的によっていろいろな種類のお薬を使います!

お薬によっては飲む時間が決められているものもありますが、体内ではコレステロールの合成が夜間に活発になる傾向があります。

夕食や夜食の食べすぎはエネルギー過多にもつながりやすいので、夜遅くにたくさん食べる習慣には気をつけましょう!

お薬を飲み始めても『食事』と『運動』は心がけてくださいね♪

参考文献
『薬局のための栄養オールガイド』

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