ファインダーに収めた1/10の巨大なロマン。6年ぶりの大和ミュージアムと10mmの超広角レンズの魔法
広島県呉市。海軍の歴史が息づくこの街に、私は6年ぶりに降り立った。目的地は『大和ミュージアム』。

6年前に訪れた際、私のカメラについていたレンズは換算35mm程度だった。もちろん美しい写真は撮れたが、心のどこかに「もっと巨大な大和の全貌を、一枚の画に収めたい」という思いが燻り続けていた。


今回、その願いを叶えるために用意した相棒は「Canon EOS R5 Mark II」と「RF10-20mm F4 L IS STM」。 10mmという未知の超広角領域であれば、どんなに至近距離からでも、巨大な戦艦の「全身」を余すことなく捉えることができる。20mmまでズームすれば、その場の空気に合わせた切り取りも自在だ。ファインダーを覗き込むたび、1/10スケールとは思えない圧倒的なパース感が目の前に広がった。

館内は光と影のコントラストが強く、後からすべての画像のトーンを揃えるRAW現像の作業は、決して容易ではなかった。今回の写真はどれもトリミングをしていない。現場でファインダーを通して見た「生の迫力」と「パース感」を、そのままの純度で伝えたかったからだ。

「大和、カッケェー……」
静かな館内で、私は心の中で何度もそう呟いた。 気づけば2時間以上。ただひたすらに大和の周囲を歩き回り、シャッターを切り続けていた。もっとこの美しいシルエットを愛でていたかった。鋼鉄の質感や、光の当たる角度の妙を、もっと探求したかった。

しかし、夢の時間は突如として終わりを告げる。



私をここまで運んできてくれた運転手が、「いい加減にしろや!」と限界を迎えてしまったのだ。熱中しすぎるのも考えものである。私は泣く泣くカメラを下ろし、その場を後にすることになった。

他の展示エリアには目もくれなかった。「大和だけで十分だ」と本気で思えたからだ。(6年前に一通り見たはずだという言い訳もあるが、ゼロ戦だけはちゃっかり撮影している自分が少し可笑しい)。
心ゆくまで大和と向き合い、RF10-20mmというレンズのポテンシャルを存分に味わえた、至福の一日。 実は首からもう一台のカメラを提げており、大和の無骨なディテールに迫ったアップ写真も撮影している。その重厚な記録については、また次の機会に綴ろうと思う。
今回の機材 Canon EOS R5 Mark II + RF10-20mm F4 L IS STM
