見出し画像

都内物件価格が高すぎて、“今買うべきか待つべきか”判断できないあなたへ

「高すぎるから待つ」は、結論ではない

結論から言います。

いま都内でマイホームを検討しているなら、
「価格が高すぎるから、とりあえず待つ」だけで判断を止めるのは危険です。

ただし同時に、
「これからも値上がりするから、何でもいいので今すぐ買う」ことも危険です。

本当に必要なのは、相場の天井や底を当てることではありません。

高くても買ってよい物件と、待つべき物件を、
需要と供給から見分ける力です。

このnoteで最初にお伝えしたいのは、住宅購入の正解は「今買う」か「待つ」かの二択ではない、ということです。

より正確に言えば、

いまの価格でも買う根拠がある物件だけを買う。

これが、都内で家を買う人にとって最も現実的な答えだと考えています。


「高すぎる」は事実。でも、それだけでは判断できない

SUUMOを開くたびに、数年前なら考えられなかった価格が並んでいます。

「港区で3LDKを探すと、軽く1億円を超える」
「中央区や江東区でも、築浅・駅近なら予算が届かない」
「少しエリアを広げても、管理費と修繕積立金まで高い」
「住宅ローンは通ると言われたけれど、本当にこの金額で大丈夫なのか」

そんな状態ではないでしょうか。

実際、東京23区の中古マンション価格は高水準です。2026年5月の70㎡換算価格は1億2,849万円で、25カ月連続の上昇となりました。一方で、都心部では流通戸数や値下げ率が上振れしており、「東京23区の物件はすべて強い」という状態でもありません。

首都圏の新築分譲マンションも、2026年5月の平均価格は1億660万円。前年同月比で13.5%上昇しています。都心6区では、平均価格が2億円を超える新築マンションも珍しくない水準です。

数字を見る限り、「高すぎる。さすがに、もうすぐ下がるはずだ」と考えたくなるのは当然です。

しかし、ここで一度立ち止まる必要があります。

不動産は、株のように市場全体が同じタイミングで、同じ幅で上がったり下がったりする商品ではありません。

同じ東京23区でも、

  • 買い手が集まり続ける場所

  • 売り物が出るとすぐに比較・検討される場所

  • 価格を下げないと動きにくい場所

  • 似たようなマンションが今後も増えそうな場所

が混在しています。

つまり、「都内のマンション価格が高い」という情報だけでは、買う・待つの判断はできません。

本当に見るべきなのは、物件価格が高いことではなく、

その高値を支える買い手が、10年後も存在しそうか。

ということです。


円安・インフレは、住宅価格の追い風にも逆風にもなる

私は長期で見れば、都心の中でも希少性の高い住宅は、まだ値上がりする可能性があると考えています。

理由の一つが、円安です。

2026年7月時点で、ドル円は1ドル160円台という円安水準にあります。日本銀行公表の7月6日の為替市況でも、ドル円は1ドル161〜162円台で推移していました。

外貨建てで資産を持つ人から見れば、日本円建ての不動産は、円高局面と比べて相対的に買いやすく見えます。

もちろん、これは「海外投資家が買うから、東京のマンションは必ず上がる」という単純な話ではありません。

ただ、円安は住宅価格に対して複数の影響を及ぼします。

建築資材、住宅設備、エネルギー、物流、人件費。
新築マンションをつくるためのコストには、海外由来の価格や為替の影響を受けるものが少なくありません。

新築の供給コストが下がりにくければ、新築マンションの価格も下がりにくい。
そして新築価格が高止まりすれば、条件のよい中古マンションにも価格維持の力が働きやすくなります。

ここまでは、都心不動産にとって追い風の話です。

しかし、同時に忘れてはいけないのが、円安によるコストプッシュ型インフレは、家計にとっては逆風でもあるということです。

食料品、光熱費、教育費、保険料、旅行費、日用品。
生活コストが上がれば、住宅に回せるお金は減ります。

金利が上がれば、住宅ローンの返済負担も重くなります。

日本銀行は2026年6月時点で、無担保コールレートを1.0%程度で推移するよう促しています。ゼロ金利の頃と同じ感覚で住宅ローンを組むことは、もはや危険です。

つまり、円安・インフレ・金利上昇は、すべての不動産を同じように押し上げるわけではありません。

むしろ、買い手が慎重になる局面では、物件ごとの差が大きくなります。


金利が上がると、先に苦しくなるのは「代わりが利く物件」

金利が上がることは、不動産価格にとって基本的には逆風です。

毎月返済できる額が同じなら、借りられる金額は減ります。
買える人の予算が下がれば、購入できる人の数も減ります。

ここだけを見ると、「金利が上がるなら、待てば物件価格は下がる」と思うかもしれません。

でも、ここに大きな落とし穴があります。

金利が上がる局面で、最初に価格調整を受けやすいのは、代わりが利く物件です。

たとえば、

  • 駅から遠い

  • 周囲に似たマンションが多い

  • これからも新築マンションや戸建てが増えそう

  • 近隣に土地が余っている

  • 「駅前タワー」「大型再開発」という印象先行で、周辺相場との差が大きい

  • いまの価格が、街の実力より先に上がっている

こうした物件は、購入希望者が少し慎重になるだけで比較対象が増えます。

「このマンションでなければならない理由」が弱いからです。

一方で、条件のよい都心立地は違います。

人・モノ・金・情報が集まり続ける。
複数路線が使える。
オフィス、商業、教育、医療、文化施設が近い。
すでに市街地として成熟していて、同じ条件の住宅を大量に供給できる土地がほとんど残っていない。

こうしたエリアでは、「新築マンションができるから競争が増える」のではなく、既存の建物を壊して、より高額な再開発が進むことが多いです。

その場合、周辺の既存マンションにとっては、新しい競合が増えるだけではありません。

街全体の利便性や知名度が高まり、結果として中古マンションも比較対象として選ばれやすくなる可能性があります。

もちろん、再開発があれば必ず値上がりするわけではありません。

ただし重要なのは、再開発を「夢があるから」という期待で見るのではなく、

この場所には、新たに大量供給できる土地が残っているのか。
それとも、限られた土地を高コストで建て替えるしかないのか。

という供給の視点で見ることです。


「いつ下がるか」を考えるほど、家は買えなくなる

仮に、共働きで子どもがいるAさんという家庭がいたとします。

Aさんは、小学校入学前には都内で家を買いたいと考えていました。

けれど、金利上昇のニュースを見るたびに不安になり、「半年待てば値引き物件が増えるかもしれない」と考えていたそうです。

その間にも、駅徒歩5分以内で、複数路線が使えて、商業施設や教育環境も整ったエリアの中古マンションは、売り出されるとすぐに申込みが入る。

反対に、駅から少し離れた大型開発エリアのマンションは、見栄えはよくても、同じマンション内や周辺で似たような物件が何戸も売りに出て、価格改定を繰り返していました。

ここでAさんが変えたのは、「いつ相場が下がるか」という考え方です。

代わりに、

10年後にこの家を売るとしたら、誰が買うのか。
自分たちがこの家を手放すとき、次の買い手は困らずに見つかりそうか。

と考えるようになりました。

結果としてAさんは、少し広い郊外物件ではなく、広さを多少譲っても、利便性・希少性・流動性の高い立地を選ぶ、という判断をしました。

購入直後に価格が上がるかどうかは、誰にも分かりません。

ただ、転職、子どもの進学、親の介護、家族構成の変化などで住み替えが必要になったとき、売却という選択肢を残せる確率は高められます。

マイホームは、値上がりだけを狙う投機ではありません。

だからこそ、「絶対に上がる物件」を探す必要はないのです。

必要なのは、

環境が変わっても需要が消えにくく、
売る・貸す・住み続けるという選択肢を残しやすい物件

を選ぶことです。


このnoteでお渡しする答え

このnoteでは、「今すぐ買うべきです」とは言いません。

「しばらく待つべきです」とも言いません。

なぜなら、全員に共通する正解はないからです。

その代わりに、次章からは物件を見たときに、自分で判断できるようになる基準をお渡しします。

  • 高くても買ってよい立地を、需要と供給から見抜く方法

  • 駅前タワーやリゾート都市の物件を、なぜ慎重に見るべきなのか

  • 周辺相場との価格差をどう読み、どこから割高と判断するのか

  • 再開発を「期待」ではなく「供給」で見る方法

  • 金利上昇局面でも、家計と出口戦略を壊さない購入価格の決め方

「市場が下がったら買う」では、いつまで経っても決められません。

これから必要なのは、相場を当てる力ではなく、需給を読む力です。

そしてその力があれば、相場が上がっても下がっても、自分の家族にとって後悔の少ない選択ができるようになります。


注記案

本noteは、特定物件・特定エリアの値上がりや売却益を保証するものではありません。不動産購入は、資金計画、家族構成、保有期間、住宅ローン条件、税制、個別物件の状態などによって判断が変わります。最終的な購入判断は、ご自身の責任で行ってください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー