脳梁欠損ライフハック 第18回|努力が「無効化」される感覚。環境に左右されやすい自分が見つけた軸。
自分から主体的に動くより、誰と関わるか、どんな環境にいるかに左右されやすい——そういう自覚が、ずっとあります。
良い環境にいると、自然に動けます。でも、合わない環境に置かれると、同じ自分でも途端に動けなくなる。その差が、思っている以上に大きいのです。
心を込めても、お客様の機嫌ひとつで評価が変わる。
接客の現場で働いていた頃、「努力が報われるかどうか」が自分ではコントロールできないと感じることが多くありました。
心を込めて対応したつもりでも、お客様の機嫌ひとつで評価は変わる。同じ言葉をかけても、その日の相手の状態によって受け取られ方がまったく違う。職場の人間関係も同様でした。上司や同僚からの評価は、そのときの空気に左右され、自分の立ち振る舞いが正しかったのかどうか、反省しようにも手がかりがない。
暗闇の中で手探りで歩き続けているような不安が、常に付きまとっていました。「もっと頑張ればうまくいく」と思って努力しても、その努力がどこに向かっているのかがわからない。それがじわじわと、消耗につながっていきました。
空気や根回しで決まる環境では、努力が「無効化」される。
不透明な組織にいたとき、さらに強くその感覚を覚えました。
論理や明確な成果ではなく、「空気」「根回し」「上層部の個人的な機嫌」といった非言語的な要因が、評価や決定を左右する環境でした。非言語情報を読み取ることが苦手な自分には、このような環境でどれだけ努力しても、その努力がどこに吸い込まれていくのか見当もつかない。
基準が不明確なまま下される決定、説明されない人事評価。そういった場面に直面するたびに、自分の存在と努力が「無効化」されているような感覚がありました。
脳梁欠損症の特性として、非言語的な情報——場の空気、暗黙のルール、言外のメッセージ——を読み取ることに難しさを感じることがあります。そういう情報が重視される環境では、いくら真面目に取り組んでも、報われにくい構造になりやすいのです。
「正解が明確な場所」が、自分の軸になった。
そんな中で、自分の軸として機能してくれたのが、資格の勉強でした。
試験には正解があります。配点があり、合格ラインがある。どれだけ時間がかかっても、覚えるべきことを覚え、理解すべきことを理解すれば、それは点数という裏切らない数値になって返ってくる。他人の主観や、その場の空気に左右されない。
「明示的なルールのある場所」では、自分はちゃんと動ける。その発見が、大きな支えになりました。
今の私が意識しているのは、なるべく「正解の明確な環境」を選ぶということです。曖昧な評価基準や、非言語的なルールが幅を利かせる場所では、自分の特性上、消耗しやすい。逆に、明示的なルールと明確なフィードバックがある環境では、力を発揮しやすい。
環境に左右されやすいことを弱点として責めるのではなく、「だからこそ環境を選ぶ」という発想に切り替えること。それが今の私の、働き方の基本的な考え方になっています。
─────────────────────────
周囲の環境や人間関係に左右されやすいと感じることはありますか?それは弱さではなく、特性です。だからこそ、自分に合う環境を選ぶことが大切になります。明示的なルールのある場所を選ぶ。それだけで、動きやすさがずいぶん変わります。
---
次回予告【脳梁欠損ライフハック 第19回|決めたはずなのに、その瞬間に頭から抜けてしまう。】
よかったら読んでみてください。
マガジンもあります。よかったらこちらも。
#脳梁欠損症 #生きづらさ #ライフハック #見えない障害
