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脳梁欠損ライフハック 第20回|信頼できる人がいると頑張れる。でも、職場全体に馴染むのは別の話。

 信頼できる上司に恵まれると、頑張れます。仕事に前向きになれて、自信が持てて、楽しくなる。

 でも、職場という大きな集団全体に自然に溶け込むことは、別の話です。一人の信頼関係と、全体への馴染みやすさは、必ずしも一致しません。

理想的な環境——心から慕える上司との時間。


 最初の配属先で出会った、2人目の店長との時間は、今でも良い記憶として残っています。

 周りからは「ごますり」と思われていたかもしれません。でも自分にとっては、単純に楽しかった。仕事の後、後輩やパートさんたち、メーカーの営業さんとも、よく飲みに行きました。自分なりに「上司のパイプ役」という意識を持って、いろいろな人と接していました。

 その上司の下で働けた2年間は、理想的な環境でした。心から慕える人がいて、立場を超えて語り合える時間があった。仕事に前向きになれて、自信が持てて、楽しい——そういう感覚を、はっきりと味わえた時期でした。

 周囲の評価より、自分が実際に感じている充実感の方が、はるかに大きかったのです。

距離ができたとき、自分から関係を断ってしまった。


 その後、後輩のひとりと私は、それぞれ別の店舗へ異動になり、距離ができました。

 新店舗のオープン応援に行ったとき、昼休憩の食堂で、その後輩から声をかけてもらいました。一緒に食べよう、という誘いでした。

 でも私は、別の人と同席したいという思いでいっぱいで、その誘いを断ってしまいました。

 後輩を誘えばよかった。時間が経った今でも、そう思います。あれだけ良い関係を築いていたのに、距離ができた途端、自分から関係を断つような行動をとってしまった。信頼関係があったからこそ、その後悔は今も心に残っています。

 なぜ断ってしまったのか、振り返ると理由は単純でした。誰にも邪魔されずに、別のある人と話したかった。それだけでした。後輩への気持ちが薄かったわけではありません。ただ、その瞬間は、別の誰かと話すことの方が、自分の中で強く優先されていました。

信頼関係を、どう手放すかも考えておく。


 このエピソードを振り返ると、自分にはこういう傾向があるとわかります。信頼関係を築けても、何かのきっかけで距離ができたとき、その関係を自分からリセットしてしまう。それは、悪意があってのことではありません。でも、結果として大切な関係を手放してしまうことがあります。

 今の職場では、かつてのように心から慕える上司や気の置けない仲間がいるわけではありません。だからこそ、意識していることがあります。最低限の主張はしながらも、業務に深入りしないようにする、ということです。

 これは、距離を置くことで自分を守るための工夫です。深く関わるほど、その後の距離の変化に揺さぶられやすくなる。だから、ある程度の距離感を最初から保っておく。

 具体的には、無関心でいることを心がけています。相手のプライベートに踏み込まない。相手に「頼めばやってくれそうだ」と期待させるような言動も控えるようにしています。期待されると、それに応えようとしてしまう自分がいる。だから、最初から期待のラインを上げすぎないようにする。これが、今の私なりの距離感の作り方です。

 信頼できる上司や仲間との時間が、かつてのように人生の財産になることもあります。だからこそ、その関係をどう手放すかについても、自分なりに考えておく必要があるのだと、今は思っています。

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 信頼できる人との関係が、距離の変化でぎこちなくなった経験はありますか?深く関わることと、距離感を保つこと。そのバランスを、自分なりに探っていくことも、ひとつの工夫です。

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次回予告【脳梁欠損ライフハック 第21回|熱しやすく冷めやすい——でも、変わらないものもある。】

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