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オレ、ジャムって言ったよな。

コメダで朝活をしていたら、家族連れが隣の席に座った。
しばらくして、旦那さんが奥さんに言った。

「オレ、ジャムって言ったよな」

運ばれてきたモーニングセットのトーストには、バターが塗られている。
なるほど。注文が間違っていたらしい。ネチネチと奥さんに絡んでいる。

いや、ちょっと待て。
店員さんがトーストを運んできたとき、あなたもそこにいましたよね。
その場では何も言わず、店員さんが立ち去ってから間違いに気づいたんですよね。なぜ、今それを奥さんに何度も確認する。

奥さんは、注文確認係ではない。
注文を間違えたのは店員かもしれない。
でも、その場で確認しなかった責任は、あなたにもある。

それを全部すっ飛ばし、まず妻へ責任の所在を追求する。
小市民ムーブすぎる。
もう一度、小学校からやり直してほしい。給食当番から始めてこい。
いや、小学校では遅い。前前前世から出直してこい。

以上、隣の席から聞こえた一言だけを根拠にした、私の一方的な妄想である。

異論は認める。旦那さんは、ただジャムが食べたかっただけかもしれない。
お腹が空いて、機嫌が悪かったのかもしれない。トーストを一枚食べ終わる頃には、優しい夫へ戻っている可能性もある。

それでも、私は思う。
製氷機に氷がない。麦茶のポットが空になっている。楽しみにしていた最後のシュークリームが食べられている。人間の本性は、こういう日常の小さな不具合が起きたときに出る。

食べたかったジャムトーストが来なかった。

そんなときに、自分で店員さんを呼べるのか。
それとも、「オレ、言ったよな」と責任を丸投げするのか。

人生とは、ジャムとバターの選択の連続なのかもしれない。
トーストが謝発注されても、「バターも美味しいよね」と食べられる人間でいたい。

私は、コメダを出た。

旦那さんはジャムを得られなかった。
私はnoteのネタを得た。

オレの勝ちだ。



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