53歳、10ヶ月の孫の笑顔は反則だと思う
明日は休み。
なんとなく予定を立てつつ、ゆっくり過ごそうと思っていた前日のことです。
娘からLINEが届きました。
「咳がひどくて、もしかしたら明日熱が出ちゃうかも」
もちろん、孫のことです。
私はすぐに返信しました。
「明日は休みだし、何も予定入れてないから大丈夫よ」
私にはわかるんです。
これは娘の前振りだということを。
そして、私を気にさせようという作戦です。
もちろん私は、翌朝すぐに娘へ連絡しました。
「孫はどう?大丈夫?」
すると娘から、
「熱はないんだけど、咳がひどくて眠れてないから、まだ寝てる」
そんなことを聞いたら、保育園に預けたらいいとは言えません。
眠れていないならかわいそう。
今日は私が面倒を見るから。
そう伝えると、娘からは「助かる!!」と返事がきました。
そこから私のソワソワは止まりません。
まずは病院に連れて行くとのことで、私も付き添いました。
受診が終わったあと、娘には仕事へ行ってもらいました。
そして、そこからです。
53歳ばぁばと、10ヶ月の孫との初めての長いお留守番が始まりました。
初めてチャイルドシートを使い、私の家まで孫を連れて帰ります。
自宅まで車で40分。
やはり慣れないチャイルドシート。
途中で泣いてしまいました。
運転しながら声をかけます。
「もう少しで着くよ」
「大丈夫よ」
私の声が届いているのかはわかりません。
それでも、声をかけずにはいられませんでした。
なんとか家に到着。
鼻水と鼻詰まりでつらそうではありましたが、機嫌はすこぶる良好。
ニコニコです。
その笑顔を見るだけで、私も自然と笑顔になります。

10ヶ月になった孫は、もうつかまり立ちまでできるようになりました。
動きも早い。
こちらが少し目を離したら、すぐに違う場所へ向かっています。
ケガをさせるわけにはいきません。
私は一生懸命、孫についていきます。
でも孫は、そんな私の緊張など知るはずもありません。
立ったり、座ったり。
また立とうとしたり。

自分がどこまでできるのか、まだわからないまま動きます。
だから危ない。
でも不思議と、怒るという感情はわきませんでした。
ただ、守りたい。
ただ、可愛い。
できるだけ、やりたいようにやらせてあげたい。
そう思いました。
これはきっと、親の立場ではなかなかできないことなのかもしれません。
子どもを育てる時には、親としての責任があります。
もちろん、孫を預かることにも責任はあります。
でも、少しだけ距離のある責任だからこそ、接し方が変わるのかもしれません。
娘を育てていた頃の私は、毎日が必死でした。
可愛いと思う余裕より、ちゃんと育てなければいけないという気持ちの方が大きかったように思います。
でも今、祖母という立場で孫と向き合うと、ただその成長を見ていられる時間があります。
立てた。
笑った。
こっちを見た。
手を伸ばした。
そのひとつひとつが、たまらなく嬉しいのです。
夕方、娘が迎えに来ました。
お風呂まで入れて帰るということで、私が孫をお風呂に入れることになりました。
娘以外がお風呂に入れると泣く。
そう聞いていたので、少し緊張しました。
でも、孫は泣きませんでした。
それだけでも嬉しかったのに、最後には私が「おいで」と手を広げると、孫の方から私のところへ来てくれました。
たったそれだけのこと。
でも、私にとっては大きな出来事でした。
長い時間の子守は、正直大変でした。
動きについていくのも必死です。
ケガをさせないようにと、ずっと気を張っていました。
それでも、孫と過ごした時間は、ただただ幸せでした。
私に手を伸ばしてくれたあの瞬間が、きっとこの1日のご褒美だったのだと思います。
普段なら、看護師として感染しないようかなり気を使う立場です。
でも今回は、鼻水を垂らした孫にくっつき、まともに咳も浴びながら過ごしました。
その結果――ちゃんと風邪をうつされました。
それでも、不思議と嫌な気は全くしていません。
53歳、10ヶ月の孫の笑顔は反則だと思うのです。
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