無言勢キャストの声を集めました|VRCキャストの不安と共感ポイント
無言勢イベントキャストとして最初に感じた難しさは、沈黙の持たせ方と同時対応でした。
それでも続けてきた人たちは、どこで楽になり、何に助けられたのか。
VRChatの無言勢キャスト13名に聞いた、不安と「わかる」のポイントをまとめました。
はじめに
筆者はVRChat内で無言勢として2年過ごしています。
その中で、イベント主催、イベントキャスト、その他無言勢に関わる取り組みをさせていただいておりますが、今回は2年続く無言勢イベントの老舗"Cafeクワイエット"のキャスト13名に協力いただき、接客の実像を数字で確かめました。
見えてきたのは、
1対1の強み、無言勢応対の難しさ、無言勢ならではの雰囲気づくりの重視。
さらに、追加でボイスチャットと無言勢が混在する場ではテンポ差と文字を見落とされることが壁になりつつ、強みの相互作用が起きていました。
本文ではデータを起点に、筆者の体感も交えて実情をお伝えできればと考えておりますので、イベント主催・キャストや無言勢として興味がある方はぜひ最後までよろしくお願いします。
調査概要
対象:無言勢キャストCafeクワイエット所属のキャスト
形式:Googleフォーム(単回答+複数選択)
期間:2025/10/5~2025/10/12
備考:回答者13名、混在イベントに関する設問は回答者11名
初期の気持ちと最初の壁
無言勢キャストを始めた当初の気持ちを見ていきます。
「不安も楽しみも半々」が最多の約38%で、
「楽しみが大きかった」約31%。

無言勢キャストを始めた際に、
最も難しかったのは沈黙の持たせ方(約77%)、
次いで複数人への配慮・同時対応(約62%)

最初の壁は沈黙運用と多人数同時対応。
心の温度は「半々~楽しみ寄り」
筆者の体感:
無言勢キャストをこのイベントで初めて体験した方が多いはずですが、多くの方がクワイエットキャストとしてイベントに参加するのが楽しそう、というポジティブな空気があったことが伝わってきます。
その一方で、無言の気まずさというのはボイスチャットにはない無言勢特有のハードルなのか、13人中10人が難しかったとしています。
また、複数名対応は無言勢ではなかなか難しくはありますので、1対1からキャストとしては慣れ始めたほうが良いのかもしれません。
継続で何が変わったか
1年以上続けると
「大きく変わった」
「少し変わった」
「あまり変わらない」がいずれも約31%で拮抗。

変化の内訳は、待ちの姿勢の質と雰囲気の密度。
道具やアバター以上に、間合いの精度が上がる。
筆者の体感:
続けるほどキャストとしての対話の場慣れと、プレイスタイルが安定しているが、スタイルの変化量は個人差が大きいようです。
自分をイベントに合わせるのか、イベントに自分の色を塗り足すのか、どちらかにすることを決めることがあるのでしょう。
プレイスタイルの自覚は意識するかしないかではあるため、自分のキャストとしての立ち位置がマンネリだからと大きく変える、ということは大きく変える必要は薄いと考えます。
日々のイベントキャストをするうえで、良かったこと、悪かったことを反芻し、次につなげることがキャストとしての質の向上に繋がるとは思います。
いま重視していること
最重視は自然な雰囲気づくり(約54%)。次点は安心感や話しかけやすさ(いずれも1~2割)。

雰囲気は場の前提。
筆談の文字の大きさやジェスチャーの速さ、立ち位置、BGMの静かさまで含む。
筆者の体感:
「何をするか」より先に「どんな空気であるか」を大事にしていそうです。
安心感などがその後に続くことからお客さまから会話を引き出す雰囲気づくりを重視していそうです。
実際、何をせずとも話しかけてくれるお客さまというのはいますし、そういった方は会話に積極的なためそこまで意識しなくても自然とそうなってはいますが、一方で初対面のお客さまは様子見することが多く、会話の中になかなか混ざれず退屈で中座する、などもあります。
積極性の問題と言ってしまえばそれまでですが、その最初の一言が出やすい雰囲気づくりに心を砕いているように思えます。
得意な接客スタイル(1対1/複数名)
1対1は「やりやすい」が69%と回答。

複数名は評価が分散(2~5に広く分布)
雰囲気の設計次第で手触りが変わる領域。

無言勢の中核の強みは1対1。複数名対応は場づくりの影響依存度が高い。
筆者の体感:
1対1が基本的には無言勢の得意な領域ではありそうです。やはり筆談というツールを主として接客する場合は、やりとりとしては個人対話のような形が自然なのかもしれません。
一方で、複数名のやり取りが得意なキャストも存在しており、イベント内での場づくりの影響率が高いキャストはそういった空間を作ることに長けてそうです。
場の設計・牽引力、というと大袈裟かもしれませんが、あの人のすることは何故かつい見てしまう、といったカリスマ性などがある人はいます。
それが現実であっても、VRであっても変わりません。
そういった意味ではそういう型は自分の望む方向に雰囲気作りが出来るため、多数の接客も特に問題ないと思います。
その一方で、1対1でしかなかなか言葉に出来ないこと等もあり、盛り上げ役、相談役ともに需要はありそうです。
「声を使わない」ことのメリットと、いま残る難しさ
「声なしはメリットだと思う」3~5が100%。うち5が約39%。

それでも「難しさは今でもある」4~5が約54%。

無言勢キャストからのメリット認知は強いが、運用の難しさは同時に残る。
筆者の体感:
キャストをするうえでは、まだまだ課題は残りつつも声を出さない状況にメリットを感じているキャストも非常に多い。
声がないと難しいケースというのが実際に存在しているが、キャストとして対応するにあたっては、アバターに合う所作などアバターをキャラクターとして見せることに成功しているともいえる。
これから挑戦したいこと
トップは新しいイベント形式(約31%)
次いでキャスト同士の連携(約23%)

外へ広げ、内をつなぐ。二方向の欲求が同居。
筆者の体感:
キャストを継続していると、別の取り組みなども試してみたくなるもので、自己表現の幅の拡張に意欲があるように思います。
その取り組みの一つとして、無言勢というのは1対1などキャストとお客さまでのやり取りがメインではあるが、キャスト同士でのやり取りを見せる、などの掛け合いなどによる化学反応を欲しているのかもしれません。
それ以外にも挑戦することは僅差なので、いろいろとポジティブな方面に活動が活発なのかもしれません。
ボイスチャット(VC)×無言の混在イベントのリアル(難しさ/プラス面/手触り)
参加経験は「よく参加」「ときどき参加」で8割超。

やりやすさは3が最多(約55%)

混在イベントの難しさは
声と筆談のテンポ差(約64%)
話者集中(声に注意が集まる)(約73%)
筆談の見落とし(約46%)

それでもプラス面は大きい。
双方の強みが活きる/お客さまの選択肢が増えるがいずれも約64%。

混在イベントは“難しさを抱えた可能性”。
選択肢が増えるぶん、設計の質が問われる。
筆者の体感:
切っても切れない、ボイスチャットと無言勢のかかわり方についても、意外とポジティブな結果になっています。
筆者も感じていたテンポ差はやはり感じているみたいですが、それもボイスチャットと無言勢ともにお互いを認識しつつフォローアップするように立ち回れば、イベントとしての盛り上がりやすさが高まるものになるのでしょう。
直近ではイベントの募集要項もPCVRで参加、というものはあるもののボイスチャットでの対応が可能、と明記されていたり無言勢可、と無言勢に対しての認知もイベントキャスト募集時の表記も増えているような感覚があります。
まとめ
この調査から分かったことは、次の三点に集約できます。
1)無言勢の強みは1対1(「やりやすい」69%)
2)最初のつまずきは、沈黙の持たせ方(77%)と複数同時対応(62%)
3)大事にしているものは、入店直後からの“居心地づくり”(最重視54%)
続けるほど変わるのは、派手な技より基本動作です。
文字の大きさ、ジェスチャーの速さ、立つ位置。
この“最初の準備”を整えるほど、お客さまの「一言目」が出やすくなります。複数名対応は得意・不得意が分かれますが、お客さまの誘導やキャスト2名以上での対応によって体感は安定します。
ボイスチャットと無言勢が混ざる場では、進行の速さの違い、声に注意が集まりやすいこと、文字が流れて見落としやすいことが壁になりました。
一方で、強みの併用やお客さまの選択肢が増えるという利点も同じくらい挙がっています。
要は、運用のルールを少し足せばメリットが勝つ、ということです。
ここまで振り返って、無言勢キャストは声がない代わりに、目で、体で、文字で自分たちはここにいるんだと語っているみたいではないでしょうか。
イベントも、キャストも、VRChatの中ではかなりの数が存在している中で、無言勢でいることを選んだ人たち。
その人たちは今日も、QVペンで色んな色で、言葉で、イラストであなたたちをもてなしているのかもしれません。
おわりに
さて、ここまでお読みいただきありがとうございます。
昔は無言勢という少数精鋭の人をポジティブに認知してほしいと思い筆を執り、1か月に1度の更新を続けていましたが、今や無言勢というのが一定の認知度があり、VRChatの住人としてボイスチャットの方とも垣根を超えた共同体制を組むことも増えてきたように思えます。
私がこうして、無言勢の一端としてnoteで無言勢について書き上げていても、まだまだ無言勢の魅力や考えていることはなかなか掴めないものだとアンケートを通じても感じていました。
でも、私はこうも思っています。
私が愛している無言勢というものは人との関わり方の一つであり、その先にあるのが一人のあなたであり、あなたが最大限自分のアピールしたり、相手を気遣うことをするからこそ、無言勢はとても魅力的なのだと。
今回のアンケートについても、他にも聞いてみたいことはいろいろありましたが、まずは無言勢キャストって実際どうなのか?というのを皆さんに分かりやすく伝えられる設問を設計し、聞いてみましたのでこの記事が参考になったらスキをお願いします。
その他気づいたことがあればコメントで「あなたの無言勢運用方法」や「混在での気づき」を教えてください。
それでは、Cafeクワイエットキャストの皆さんには改めて感謝を。
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