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7.「副業の無料面談で、100万円の講座に申し込んでしまった話。クーリングオフで取り戻すまで」

コメント返信は、AIのアプリで楽になりました。でも、朝起きて撮影して、編集して、4つのプラットフォームに上げる日々は、変わりませんでした。

ある日、ふと思ったんです。私のやっていることは、時間の切り売りじゃないか、と。投稿を止めたら、流れて、消えていく。手を止めたら、ゼロになる。

商品が売れないことを、AIに何度も相談しました。返ってくる答えは、どのAIでも同じでした。「長尺動画で、信頼を積み上げる必要があります」

それで私は、長尺動画を撮ることに決めました。これが資産になると信じて。

本当は、自分の声でやりたかった。でも、できませんでした。AI音声を使ったのですが、AI音声は一度に500文字までしか入りません。25分、30分の動画を作るとき、文字を合わせてつなぐだけでも、本当に大変でした。

2本、作って上げました。再生回数は、40回とか、50回。1ヶ月経っても、そんなものでした。

次に、本を一冊書きました。AIと一緒に、自分の言葉で。恋愛に悩んでいる方へ向けた本です。今でも、かなりいい本だと思っています。

500円で販売して、一冊も売れませんでした。

それどころか、TikTokやYouTubeのショート動画で「本を書きました、発売します」とお知らせを入れたら、再生数が一気に下がりました。理由は、いまも分かりません。

何をやったら売れるのか、本当に分からなくなりました。この頃の私は、ぐちゃぐちゃでした。

そして私は、占いを、一度やめました。

他に、私にできる副業はないだろうか。何か違う世界が見えたらいいな——そう思って、副業の個別面談を受けることにしたんです。

1社目で言われたのは、「初心者は、Webライティングの受託が一番儲かります」でした。

占いとココナラの電話相談しか知らなかった私は、ライティングの受託というものを初めて聞いて、「そうなんだ。お金になるんだ」と思いました。

私はその日のうちに、申し込みました。カード一括で、約100万円です。

今思えば、です。今思えば、100万円を払って、毎日自分で100件近く案件に応募していく、という話でした。

でも、決済を済ませた2時間後、おかしなことが起きました。SlackなどのIT設定のために「2時間後にまたZoomで」と約束していたのに、相手が来ないんです。私は1時間、待ちました。

会社に電話したら、やっと本人から連絡が来て、言い訳がこうでした。「パソコンが熱を持ってしまって、Zoomに入れませんでした」。

そんなこと、あるでしょうか。社員がたくさんいる会社なら、引き継ぎもできるし、パソコンだって他にあるはずです。ああ、この人はたぶん社員ではなくて、家で一人で請け負っている人なんだ——そう感じました。こんな状態の会社を信用して、100万円は払えない。

私は、クーリングオフをしました。

ここで、ひとつだけ、同じ状況の方に伝えたいことがあります。カードは先に引き落とされて、会社からの返金は、後から入ってきます。私の場合、お金が戻るまで3日か4日かかりました。その間は、「もしお金が返ってこなかったら」と、生きた心地がしませんでした。いま返金を待ちながらこれを読んでいる方がいたら——怖いですよね。私も、怖かったです。でも、ちゃんと戻ってきました。

もう二度とあんな思いはしたくない。そう思いながら、私は、また別の会社の面談を受けました。我ながら、すごいと思います。

そこで言われたのも、「初心者にはWebライティングが一番」でした。毎日何十件も応募していく——あれ、同じ話です。

「でも、うちは特別なんです。フィルターをかけた安心できる案件を、毎日10件から20件、受講生に配っています」。だから安定して稼げるし、継続案件も取りやすい、と。

そっか、それならできるかも——一瞬、思いました。2回続けてWebライティングと言われたので、「そんなに初心者向きの仕事なんだ」と。

でも、その講座は60〜70万円近くするのに、マンツーマン指導はなく、コミュニティ形式。案件の紹介も、半年で終わりです。

そこで、気づいたんです。良さそうな案件を毎日ピックアップして教えてくれるだけなら——それ、AIで自分でできるんじゃない?

私は、断りました。

ここで、笑い話をひとつ。

この会社、2回目のZoomであまりにもしつこく売り込んでくるので——私は逆に、「そちらで働かせてください」というメールを送りました。

冗談ではなく、半分は本気でした。そんなに簡単にコンテンツが売れるものなのか。いろんな副業を教えている会社の中身を、潜入して学んでやろう、と。

結果は、お手本のような断られ方でした。「少人数精鋭でやっておりますので」「お力をお借りしたいときは、こちらからお声がけいたします」。

声は、まだかかっていません。

次は、Webデザイナーです。笑ってください。

「AIがどんなに発展しても、Webデザイナーはなくなりません。最後はどうしても、人の微調整が必要だからです」——その言葉に、デザインのセンスも勉強も何ひとつない私が、申し込んでしまいました。

買ったときは、本気でした。これでしっかり勉強して、Webデザイナーになって、しっかり稼ぐんだと、本気で信じていました。

最初の課題は、いきなりPhotoshopでの模写でした。難しくて、できるわけがありません。分からなければマンツーマンで先生が教えてくれる、という話でしたが、先生が教えてくれたのは「AIへの質問の仕方」。しかも、質問の返事が返ってくるのは、半日後、2日後。

当時の私が使っていたAIは、Photoshopの使い方そのものは教えてくれました。でも、たとえば「化粧品の下に敷かれた石を、きれいに消す」というような細かい作業は、やり方を聞けても、きれいに仕上げるところまでは助けてくれません。そして、学校独自の課題のことは、AIがウェブ検索をしても知りません。あの頃のAIと、あの学校の課題は、本当に噛み合っていませんでした。

学校の中にも、AIに質問できる仕組みはありました。でも、私のレベルが追いつかなくて、返ってくる答えの意味すら、分かりませんでした。

それなら、今すぐ自分でAIに聞いた方が、早い。ちょっとした質問に2、3日かかるなら、半年後に卒業なんて、できるはずがない。

ある夜、ふと笑えてきました。丸と三角しか描けない私が、何がWebデザイナーだ——。笑いながら、涙が出ました。隣でそれを見ていた夫も、笑い泣きしていました。

ここも、クーリングオフしました。期限ぎりぎりでした。返金を待つ数日間は、また心臓に悪かったです。一回目であんな思いをしたのに、なんで二回目も同じことを——自分でも、思います。

3つの面談と、2つのクーリングオフを経て、分かったことがあります。

何も知らない人は、買ってしまうと思います。

私はこの時点で、何ひとつ成し遂げていません。でも、動画編集などのツールを自分で入れて、SNSも自分で始めて、AIで毎日台本を作って、アイコンも作って——AIの使い方だけは、たぶん人より少し分かっていました。だから「それ、自分でAIでできるんじゃない?」と気づけた。それだけのことなんです。

もし、副業もSNSもライティングも、本当に何も知らない人があの面談を受けたら——買ってしまうと思います。それくらい、うまくできています。あの売り方は、冷やかしの人には効きません。本気で人生を変えたいと思っている人にこそ、刺さるようにできているんです。

そして、もうひとつ。

誤解しないでほしいのですが、「人に教わるのが嫌だった」わけではありません。もしあれが、本当に毎月5万円になる道だったなら、私はやっていました。好き嫌いの問題ではないんです。

でも、調べれば調べるほど、分かってきました。Webライティングは、初心者のうちは文字単価1円以下の案件が中心で、時給にすると数百円になることも珍しくない世界。単発の仕事が多くて、実績が積み上がらなければ、次の仕事があるかも分からない。だから、挫折していく人も多い。

——あれ? これ、私が今やっていることと、同じです。時間がかかって、お金になる保証は、ない。

どうせ同じだけ時間をかけて、同じように保証がないのなら。高いお金を払って、合わないことを我慢してやるより、自分の興味のあることに時間をかけたい。もう少しアイデアを絞って、違う道を探そう。

それが、3つの面談の終わりに、私が出した答えでした。

じゃあ、自分でやるために、何が必要なんだろう。

——次は、収入ゼロの私が、30万円のパソコンを買ってしまう話です。

回り道は、私だけでいい。

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「ゆうこ」|回り道は、ぜんぶ経験として残っていく。 ここまで読んでくれて、ありがとうございます。noteには、私と同じように回り道しながら頑張っている人が、本当にたくさんいます。そんな仲間と励まし合いながら、続けていけたら嬉しいです。応援していただけたら、活動を続ける力になります。