🇪🇸 Granada グラナダの街並みと散策|旅 2026
5月頭にイベリア旅で、セビリアから AVE を乗り継いでグラナダに行ってきました。
『アルハンブラ宮殿』がメインで1泊だけしかしていないので、もうちょっと長く滞在して散策したかったですね。
起伏と迷路の古都
『アルハンブラ宮殿』が超有名な街は、宮殿のある丘の麓に市街地が広がり、周囲の丘陵にも街並みが続いている。 Google マップで見ると、もっと宮殿が山深い場所にあって行きづらいのかと想像していた。
でも実際は、市街地の中心であるセントロ地区から宮殿まで山道や遊歩道が用意されていて、また車道も繋がっているからバスやタクシーでもアクセスが容易。気軽に行ける感覚は、東京の高尾山とか京都の鞍馬山に近い。



滞在の多くは宮殿とその周りの散策に割かれるだろうけど、宮殿の他には特に目ぼしいものはないかなと思っていたら、そうでもない。
『グラナダ駅』から少し離れたセントロ地区は、学生街と観光街が混ざったような活気がある。カフェやレストランがたくさんあり、店が集まっているからショッピングするにも良さそう。



家や店が傾斜面に沿うように軒を連ねるアルバイシン地区は、まるでセビリアのサンタ・クルス地区の坂道 Ver.。細い路地のウォーキングが楽しくて、 Garmin の GPS で歩いた軌跡を残したくなる。
しかも高低差があって道の先が見通せないから、行き止まりかと思えば、角を折れた先に階段があったり、急に人が集まる広場が現れる。「この道はどこに繋がるんだろう…」とまた歩き出したくなる。正真正銘の迷路の街だ。



日本の京都の魅力が特定の神社仏閣だけではないように、このグラナダも街として歩いていて楽しい。1泊するだけじゃ少なすぎたかな。ただ斜面が多くて体力を要するから、ココだけをメインに旅するより、どこかスペインの他の街と組み合わせて巡りたい街だと感じた。
🏙️ 小さな社交場 サン・ニコラス広場
アルバイシン地区の丘の中腹にある『サン・ニコラス教会』前からは、対岸にある『アルハンブラ宮殿』がよく見える。若者が思い思いに石段に腰かけているのは、夕焼けに染まる宮殿を鑑賞できるためなのか。



このあたり、狭いのに異常に人が密集しているのが気になった。斜面に沿って少しずつ家々が建てられていくうちに、ポッカリ空いた場所が自然と交流の場になっていったような、そんな感じ。
観光客に加えて、地元民らしい人が品物を広げて商売したり、音楽を演奏している。立ったまま酒を飲んで、狭い路地を塞いで騒いでいたりもする。旅人が訪れても、地元らしい空気を感じられる賑やかな広場だ。
🏞️ 宮殿を拝めるサン・ミゲル展望台
『サン・ニコラス広場』を越えてさらに奥へ上っていくと段々と建物が減り、畑や野原が広がっていく。どこか日本の田舎の景色に似ていてホッとする。
丘の上に建つのが『サン・ミゲル・アルト教会』で、このあたりがグラナダの街を見渡せる最も高い場所。扉は閉まっていたようで、残念ながら入れなかったけど、地元で礼拝される教会らしい。



ポルトガルのリスボンやポルトよりもキツく感じた坂道で、ココまで来るのは結構シンドイけど、のどかな風景と開放感には一見の価値がある。
遮るものがないパノラマの景色が楽しめる高台。シエラ・ネバダ山脈までよく見える。対岸にある『アルハンブラ宮殿』も目線より下にあって、宮殿の北側の外壁が太陽に照らされてキレイだ。
広大な丘の上のイスラム庭園アルハンブラ
"イスラム建築の最高傑作"とは果たしていかほどのものなんだろうかと、前日に対岸から眺めながら楽しみにしていた。朝イチの予約時間に間に合うように、少し早めに出発。入場料は事前予約で 22.27 € 。
エントランスまでのヒンヤリした森の中を朝のウォーキング。小鳥の囀りだけが聞こえてくる静けさが心地イイ。喧騒を忘れられる。



『ヘネラリフェ』まで散策するなら、南側のエントランスが便利。ただ事前に購入していたチケットで、『ナスル朝宮殿』の入口に 9:30 時間厳守、エントランスは 9:00 入場だから割と慌ただしい。
宿に置いておけないスーツケースを引きずって、どうしようかと心配だったけど、ちゃんとエントランス手前にロッカーを用意してくれて助かった。中身を検査して収納し、係員と入場者がそれぞれ持つ鍵で二重ロックする。



敷地内は隅々まで手入れされた庭になっていて、華やかで気持ちがイイ。まるで全体が広大な公園みたいだ。もっと全体がイスラム文化一色ような景観を想像していたけど、意外とそこまででもない。
だからこそ『ナスル朝宮殿』や『カルロス5世宮殿』、『アルカサバ』の要塞に『ヘネラリフェ』の離宮と、この『アルハンブラ』を構成する施設に色濃く残る歴史的な文化がより際立っているようにも見える。



施設ごとに管轄が違うのか、入場済みを確かめたいのかは定かじゃないけど、それぞれの場所にいる係員がパスポートの提示を求めてくる。入場する1回だけ使ったチケットよりも、パスポートの方が出番が多い。
端から端まで歩くだけでも結構時間かかる。とはいえ、案内板が所々に建てられていてわかりやすい。入場時間に『ナスル朝宮殿』へ着くことだけ優先して、他は後から見回り直すとイイ。
🕌 イスラム建築らしさが濃厚なナスル朝宮殿
3つの宮殿で構成された『PALACIOS NAZARIES ナスル朝宮殿』。
最初に入る『メスアール宮』は、かつて裁判も行われていた行政施設らしい。壁面の下段が幾何学模様のタイル、中段にアラベスクの彫刻やレリーフが飾られていて、木目調の天井へのコントラストがステキ。
柱の上部からアーチをかけるヴォールトに施されたスタッコ彫刻も、「コレ、ホントに手で彫ったの?」と驚くほど精緻な造り。



なんだかヨーロッパにいるのを忘れてしまう。壁や梁が砂色か茶色を基調として同じような色調なのに、細かく彫り出された陰影と密度によってスゴイ豪勢に見える。1つひとつの部屋や彫刻を思わず近寄って眺めたくなる。
「触れると脆いから、代わりにコレ触ってみ?」と言わんばかりのサンプルがいくつか置かれ、手触りを確かめることもできる。花柄に盾、王宮のドームなど、彫刻ってホントいろんな形を表現できるものだ。



奥に進むと広がる『コマレス宮』、その『アラヤネスの中庭』の水面に逆さまに映り込む宮殿の美しさが圧巻。セビリアの『アルカサル』より少し格式高い印象を受ける。
さらに先にある『ライオン宮』はすぐわかった。庭の中心に 12 体のライオン像が水盤を支えていて、周りの人たちからも「おぉ〜!」と感激の声が挙がる。口から吐く水が、思っていたよりチョロチョロなのが妙にカワイイ。



凹凸に垂れ下がった鍾乳洞のように見える天井は『ムカルナス』という立体的な幾何学装飾らしい。アイスクリームディッシャーで何度もくり抜いたような、「コレ一体どうやって彫ったんだろ??」と驚く独特な構造だ。
下から見上げれば、全体的な形も内側の青い色彩も、まるで星空のように見えるから不思議。
手入れされた植木と、オレンジが生る木々の庭が清々しい。2階建てのアーケードに囲われて、漆喰装飾の柱や壁をバックに撮ると絵になる。



ずっと庭園の中にいてすっかり忘れてたけど、渡り廊下までと出るとココが高台だったことを再認識する。対岸には、淡いオレンジの屋根と白い壁で統一された家々が眼下に広がる。
どんな用途だったのかわからないものの、様々な小部屋が繋がっていて、アスレチック感もある。あまり長居すると後ろがつっかえそうだが、歩き回ることもベンチに座って落ち着くこともできる。



宮殿の窓越しに拝める街並み。中庭に緑と水をたたえた池。なんだか『天空の城ラピュタ』に降り立ったかのような、日常の生活から隔離された場所に立っている感覚に気分が高揚した。
🕌 石造りの重厚なカルロス5世宮殿
エントランスから『ナスル朝宮殿』に向かう途中にある、この『PALACIO CARLOS V カルロス5世宮殿』にも少しだけ寄ってみた。
ココは個別にパスポートチェックはなく、そのまま入れる。2階から展示スペースに入れるようだけど、今回は時間の都合で省略。
外から見たら四角い宮殿だったのに、中に足を踏み入れてみると、コロッセオみたいな丸い中庭になっていた。中心に立って見回すと、石の柱がしっかりと秩序を保って立っていて、頑丈で力強さを感じる。



2階に上がってみると、天井が木製の格子をカーブに沿って敷き詰められていた。木の扉も石と調和が取れていて、無機質な石造りの中に柔らかな印象を添えてくれる。
🏰 周囲を一望できるアルカサバ
丘の西端にある、城壁に囲われた3つの塔の要塞『ALCAZABA アルカサバ』。赤茶けて色褪せた石に年季が入っている。『アルハンブラ』を守る中心的な砦といった印象。
近くから見ると、1つの石を削り出しているというより、細いレンガのように組み上げた層と、大小様々な石を詰めて固めたような層とが交互になっていて、不思議な構成をしている。強度を高めるための工夫なんだろうか。



当時は部屋があったかのようなレンガの仕切りだけが残っている。なんだか古代遺跡のような光景。
1番奥にある『TORRE DE LA VELA ベラの塔』を登ってみれば、眺望がサイコーだ。日差しが強くて暑いけど、心地イイ爽快感。
屋根と外壁の色の統一感が徹底されていてスゴイ。街を歩いていても気になっていた、まっすぐ空へ伸びるイトスギの濃い緑も目立つ。街の隅々まで見渡せて、高い場所の割に距離が近いから、道ゆく人々の営みが見て取れる。



塔の階段を降りながら改めて気付いたけど、「なんか足を上げ下げしづらいな…」と思ったら、段差がバラバラで均一じゃないみたい。少し荒削りな造りまで含めて、当時の要塞を体感できた気がする。
🏡 涼しげな風が吹き抜けるヘネラリフェ
『JARDINES DEL PARTAL パルタル庭園』の中を通って草花を眺めながら、対岸に見える『TORRES GENERALIFE ヘネラリフェ』へ向かう。



宮殿へと続く道にも大変優雅なガーデンが造られていて、静かに流れる水の音、色鮮やかな草花、漂う花の香りがイイ。
宮殿に足を踏み入れると、中庭がとてもステキだった。谷に面した側はアーケード越しの窓枠を大きく取られ、中央に草花で囲った池を置いて水を噴き上げる。水に冷やされた風が通って、とても涼しい。



さすが離宮だけあって快適に、気持ち良く過ごすための贅沢な趣向が凝らされている。潤沢に使う水量と、いつも植物を丁寧に手入れしてくれる庭師を雇っておくのも大変そう。
仕事の合間に一服でも楽しめたらステキだ。でも、こんな場所からいつも街を見下ろしていたら、きっと神にでもなった気分を抱きそうだ。



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