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できない自分を責め続けた私が、人を好きになれた理由

最近、駅や職場で新入社員らしき人たちを見かけるようになりました。

真新しいスーツ、少し緊張したような表情。
それを見て、ふと10年前の自分を思い出しました。

社会人になって3年目くらいまで、私は人との関わりがとても苦手でした。
内向的で、人と話すのにエネルギーが要る。
だけど職場では、黙っているだけではいられない。

だから私は「関わろう」としていたけど――
どうやって関わればいいのか、まったく分かりませんでした。

特に新人の頃は本当につらかった。
電話が怖い。相手の言葉が聞き取れず、何度も聞き返す。

伝言もうまく伝えられなくて、「なんでそんなこともできないの?」と顔に出される。
周りの人たちは忙しそうで、質問するタイミングすら分からなかった。

自分の居場所がどこにもないような気がして、毎朝、職場に向かうのが憂うつで仕方なかったのを覚えています。

できる同僚と比べて、どんどん小さくなった


同じ時期に入った1人だけしかいない同僚は、何でもすぐにできる人でした。

一度聞いたらすぐに覚えて、ミスも少なく、先輩からも信頼されている。

私はというと、同じことを何度も聞いてしまうし、仕事のスピードも遅い。

焦って空回りして、またミスをする――そんな日々でした。

その同僚に「これもまだできないの?」と聞かれたとき、心がギュッと締めつけられました。
何気ない一言なのかもしれないけれど、私には「あなたはダメな人間だ」と言われたように聞こえたんです。

「どうして私はこんなにできないんだろう」
「みんな普通にできていることが、私にはできない」

そうやって、自分を責める気持ちがどんどん膨らんでいきました。

先輩の態度=私の価値だと思っていた


特につらかったのは、ある先輩の存在です。
その人は、他の人にはやさしく接するのに、私にだけは冷たく、時にきつい態度を取ってきました。

気分で態度が変わることもあり、機嫌が悪い日は、話しかけるのも怖かった。
直属の先輩が少なかったこともあって、その人の態度が私にとって“職場での自分の評価”だと思い込んでいました。

「私は嫌われている」「私だけがダメな存在なんだ」と感じていました。

その頃にはもう、自分のことが本当に嫌いになっていました。

何を考えても、「どうせまた間違ってる」と思ってしまう。

心の声に耳を傾けることも、自分を信じることも、できなくなっていたんです。

辞めたあと、知ったやさしさに救われた

そんなふうにして私は、耐えきれずその職場を辞めました。
でも、辞めてから時間がたって、ひとつの出来事がありました。

ある日、当時同じ職場にいた別の先輩が、わざわざ私に会いに来てくれたんです。

その人は、「あなたのこと、妹みたいに思ってたんだよ」と言ってくれました。

そして、「あの先輩の態度、きつかったよね。私も気になってたし、あなたが辞めてからずっと心に引っかかってたの」と話してくれました。

その言葉を聞いた瞬間、涙が出そうになりました。
ほっとした気持ちと、「もっと早く知りたかった」という思いが同時に押し寄せてきた。

でも、その時私は、ちゃんと感謝の気持ちを伝えました。
「本当にありがとうございます」って。
だって、あの一言で、私の心は確かに救われたから。

私は“嫌われていた”のではなく、ただ“届いていなかった”だけかもしれない

あの頃、私は誰にも本音を話せなかった。
「こんなこと言ったら、迷惑かな」「嫌われたくないな」

そんな気持ちが先に立って、何を聞けばいいのか、どんなふうに伝えればいいのか分からなかった。

でも今なら分かります。
私に足りなかったのは“勇気”ではなく、“支えてくれる体制”だったんです。

新人を受け入れる準備が整っていなかったのは、職場の側の問題でした。
仕事を抱えて余裕のない先輩に頼るしかなかったのも、支えてくれる体制が整ってなかったから。
たしかに私にも至らないところはあったかもしれない。

でも、それは“未熟”だっただけで、“悪かった”わけじゃない。
それに気づけたことで、私は少しずつ、過去の自分を責めなくなってきました。

そして、私は少しずつ“人間が好き”になっていった

あの頃の私は、「人なんて冷たい」「誰も分かってくれない」と思っていました。

でも、それは“見えていなかった”だけだった。
調理師のおばさんがやさしく声をかけてくれたこと。

他部署の人が「大変そうだね」と気づかってくれたこと。

別の施設の上司が「うちに来てほしい」と言ってくれたこと。

そして、辞めたあとも私のことを気にかけてくれた先輩がいたこと。

そうした“あたたかい人たちの存在”を、あとから思い出していくうちに、
私は少しずつ、人のことを嫌いじゃなくなっていきました。

「人って、あたたかいかもしれない」
そう思えるようになったのは、まぎれもなく、あの人たちがいてくれたからです。

おわりに――あの頃の私に、そして今つらい誰かに

もし今、新しい環境に飛び込んで、
「うまくやれない」「私はダメだ」と落ち込んでいる人がいたら――
どうか伝えたいです。

あなたの価値は、他人の態度や言葉で決まるものじゃありません。

自分の声をうまく出せないときもある。頼りたくても頼れないときもある。
それは、あなたが弱いんじゃなくて、そういうときもあるというだけ。

そして、見えないところで、あなたを気にかけてくれている人が、きっとどこかにいます。

その人の優しさに出会えたとき、世界は少しやわらかく変わるはずです。

過去の私も、今のあなたも、大丈夫。
いつかちゃんと、「人って悪くないかも」って思える日が来るから。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

あなたにとって素晴らしい一日でありますように。

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