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SkepticallyCurious価値の変成をめぐる複数の試み レポート

撮影不可だったため備忘録として。
写真はリリースとチラシから。
イントロダクションとして下記が記されている。

Introduction

私たちの社会や生活は、さまざまな情報や価値を信じることから成り立っています。しかし近年、既存の価値観が大きく揺らぎ、真偽のつかない情報がSNSやメディアで飛び交うようになり、「信じること」がこれまでになく危うさを帯びてきています。では、私たちはこれから何を根拠にして、何を、そして誰を信じてゆけばよいのでしょうか。
長い歴史を振り返り、人間社会を支えてきた重要な価値体系の一つが、貨幣システムです。その形態は、紀元前の物品貨幣にさかのぼり、金属貨幣や紙幣、さらに近年では電子マネーによって急速に非物質化が進んでいます。実際その価値は為替相場や物価などの影響を受けてつねに変動し、一定することはありません。
そこで本展は、みずほ銀行京都支店130周年を記念し、京都芸術大学と連携して開催する企画展として、銀行の要として実際に業務が行われている銀行の空間に、価値の変成をめぐる様々な作品や資料 — ペインティング、陶芸、インスタレーション、インタビュー映像、さらに貝貨や陶貨など — を展示します。貨幣がますます見えない存在と化すなか、ただやみくもに盲信することからも不安を煽ることからも距離を置き、「信じること」のあり方を多層的に考察するための場を作り出します。

参加作家

池田光弘、石黒健一、大澤一太、髙橋耕平、副産物産店、福本双紅、山本雄教、宇野真太郎、清原緋蕗、黄浩、白井桜子、白簱花呼、相馬優依、TANG QINGYU、則包怜音、ムシスミほか、京都芸術大学美術工芸学科有志学生。ディレクションは池田光弘、髙橋耕平、竹内万里子、福本双紅が担う。

10銭陶貨(昭和20年 未発行) 製造年1945年 直径21.23㎜ 重量2.0g

Information

Skeptically Curious:価値の変成をめぐる複数の試み

会期:2025年2月25日~3月7日
会場:みずほ銀行京都支店 1階、2階
住所:京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20
開館時間:9:00〜15:00(土日 11:00〜19:00) 
休館日:会期中無休
料金:無料

山本雄教 かみの男(741 yen) 2025

レポート

銀行が休みの日、窓口が閉まっている中、ロビーや応接スペースを活用して展示が行われていた。警備員さんが立つ物々しい雰囲気も銀行ならではか。
今回の展示の中では山本雄教氏の作品が私のお気に入りとなった。
紙幣に描かれた肖像画を複製したかのような。みずほの始祖、第一国立銀行を創設した渋沢栄一の肖像を1円玉でかたどった「かみの男(741 yen)」。
これを見て初めて渋沢栄一の肖像が自分の中でアイコン化していることに気付いた。
1階に展示してあった二曲一双の屏風にも無数の1円玉が貼り付けてあった。その隣におそらく意図せず警備員さんが立っていたのもなかなか風刺が効いていた。


貝貨 ソロモン諸島Malaita島西北部|1990年

ソロモン諸島で使われている貝貨。以前、深田淳太郎氏のお話をお聞きした時、鮮烈に印象に残った東ニューブリテン州のラバウルに暮らすトーライ人が使うタブと呼ばれる貝貨(ばいか)を思い出す。

貝殻を通貨として使うと聞くと未開の文化のような勘違いをしてしまいますが、進化論的な話とは全く別で、彼らは法定通貨を使いながら部族の慣習(結納・土地の売買・宝物)の中でタブを扱っていた。これは現在の暗号通貨や地域通貨の運用の重要なヒントになる。

石黒健一<The Island of Stone Money and My Sculpture/石貨の島と我が彫刻>

石黒健一氏の作品には文化人類学的な気配を感じた。石貨の島で参与観察のような試みをしながら、そのコミュニティ内で通じる芸術の実践を試そうとしたのかもしれない。

相馬優依 わすれ すまい 2024

信頼と儀式的コミュニティの成り立ちにせまろうとしていたのが相馬優依氏の「わすれ すまい」だった。地球が丸いと判明する前の地図は科学的な根拠の有無よりも、その時代に生きた人々が何を大切にしていたかを知る重要な媒体だという。相馬優依氏の作品では架空の絵や文字を媒介に人々の儀式性をあばこうとしていたように感じた。

まとめ

無料でありながら、骨太の作品を見ることができて満足度が高い。
お近くに住まわれているかたは現金を下ろすついでにぜひご鑑賞を。たとえキャッシュレスだとしても銀行に行く理由として十分。

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