デザインにおける「余白」は、暮らしにおける「お茶」である。

デザイナーとして20年以上、視覚的な要素を整理し、情報を伝える仕事をしてきました。「デザインをする」と聞くと、何かを美しく配置したり、色を塗ったりする作業をイメージされるかもしれません。しかし、実務においてそれ以上に重要なのは「間(マ)」をどう設計するか、ということです。
情報の密度を下げ、適切な「余白」を作る。そうすることで初めて、伝えたい本質が浮かび上がってきます。
デザインの「白場(しろば)」は、ホワイトスペース(空白部分)のことで、文字や画像などが配置されていない場所のこと。ただの余白ではなく、適切に空間を確保することで、情報の整理・優先順位を明確にし、ユーザーのストレスを軽減します。読みやすさ、視覚的な美しさ、ゆとりから高級感を表現することもできます。白場は何も無いのではなく、設計された間です。
この「余白の設計」という考え方は、私たちの日常、特に休憩のあり方にも全く同じことが言えるのではないか。そんな思いから、私は2023年に知覧茶のブランド「YOGŪ(ヨグ)」を立ち上げました。
描き込みすぎた日常に、一線の「白」を。
30代、40代、50代とキャリアを重ねる中で、私たちは公私ともに多くの役割を担うようになります。スケジュール帳は隙間なく埋まり、スマホからは絶え間なく情報が流れ込む。まるで、真っ黒に描き込まれすぎて、何が描いてあるのか分からなくなったキャンバスのようです。
私が茶農家の息子として鹿児島・頴娃の茶畑で見てきた風景は、それとは対照的なものでした。農作業の合間、土の上に座ってすする一杯のお茶。そこには、ただ風の音を聞き、喉を潤すだけの「空白」がありました。

お茶を淹れるという行為は、現代におけるもっとも手軽で、かつ贅沢な「白を置く作業」です。茶葉がひらき、最後の一滴が落ちるのを待つ数分間。その間だけは、職責も、家庭での役割も一度脱ぎ捨てて、ただの「個」に戻る。この数分間の余白があるからこそ、次に描く仕事の一線、暮らしの一線が、より鮮やかに機能し始めるのです。
潔く、句読点を打つ技術

私が提案したいのは、ダラダラとした休息ではなく、デザインにおけるレイアウトのように「潔く句読点を打つ」休憩です。
情報のシャットアウト:お湯を注いだ後の60秒間、スマホを伏せて「湯気の揺らぎ」だけを見る。
物理的な切り替え:最後の一滴(ゴールデンドロップ)が落ちる瞬間に、心の中で「。」を打つ。
これは、脳のキャッシュをクリアするような感覚に近いかもしれません。
丁寧な暮らしを目指して無理をする必要はありません。ただ、お茶というツールを使って、意識的に自分の時間に「間」を取り入れてみる。
「さて、やるか」
そう思える瞬間を、一杯の知覧茶とともに作っていく。それが、デザイナーであり、茶農家の息子である私が提案したい、現代の「粋」な休み方です。
YOGŪではオウンドメディアとして、お茶や休憩にまつわる記事を公開しています。移動中や休憩時間、肩の力を抜いてサクッと読める記事となっております。
鹿児島県南九州市産の知覧茶です。期限が短いのでセール中です。どうぞ、一服していってください。
産地について
お茶の生産が盛んに行われている「鹿児島県南九州市」。
市町村別の生産量では全国1位の産地です。
南九州市はブランド茶「知覧茶(ちらんちゃ)」の産地としても知られており、品質の高さが全国的に評価されています。知覧茶は南九州市の美しい自然と人々の温かさが生み出す、本格的な緑茶です。
PHILOSOPHY
温度をもった生きたデザイン
ディレクションで音頭をとり、デザインで温度をあげる。
私たちは、ブランディングやビジュアルデザイン、コミュニケーションを通して、見た目以上に“伝わる”もの、“残る”ものをつくり続けます。
もし、さらに知りたい方がいらっしゃいましたら、私たち株式会社オンド のウェブサイトもご覧いただけると嬉しいです。ぜひお立ち寄りください。

PROFILE
折尾祐希 クリエイティブディレクター・コピーライター
株式会社オンド 代表取締役
大阪・梅田を拠点に、事業とブランドの軸を骨太にする。導き手&伴走型。デザイン業界20年以上。引き算の美学とその裏側の泥臭い思考プロセスを綴っています。
HP:https://ond-ond.com
EC:https://yogu.jp/
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!スキとフォロー・コメントが運営の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!
いいなと思ったら応援しよう!
気に入ってくださった方、
「また読みたい」と感じてくださった方、
チップでの応援をいただけたら、次の創作の原動力になります。