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夏野菜は正直である

夏野菜というものは、正直である。

手をかければかけただけ、おいしくなる。
でも、あまり手をかけなくても、それなりにおいしい。

そういうところが、私は夏野菜のことが好きなのだと思う。

まずプチトマトの湯むきをした。
お湯をわかして、トマトをさっとくぐらせると、するりと皮がむける。

あの瞬間が、なんとなく好きである。
トマトが「はい、どうぞ」と言っているような気がするのだ。
気のせいかもしれない。

むいたトマトに大葉を入れて、ポン酢とオリーブオイルをかけた。
最後にすりごまをぱらぱらとふりかけたら完成である。

なんと簡単なことか、と私は思った。
これだけで、ちゃんと一品になるのだから、料理というのはありがたい。

きゅうりのほうは、割り箸を使って切った。


割り箸をきゅうりの両脇に置いて、包丁を入れると、切り落とさずに薄く切れるのである。
これを蛇腹切りというらしい。

やってみると、なかなか楽しかった。
きゅうりが、じゃばらじゃばらになっていくのが、少し面白かったのだ。

簡単酢とごま油で味付けをして、半日ほど置く。
しょうがを乗せるのがポイントなのだ。

置いておくだけでいい、というのが、私はとても気に入っている。
冷蔵庫がかってにおいしくしてくれるのである。
冷蔵庫というのは、本当に偉大な発明だと思う。

食卓に並べたら、家族がよろこんだ。
きゅうりの酢漬けは特に、毎年夏になると「あれ、作って」と言われる一品である。

そういう料理が家にあるというのは、なんだかいいものだな、と私は思った。

夏野菜は、正直である。
そして、家族も正直である。
おいしいものには、正直に「おいしい」と言う。
それでいいのだと思う。

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