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焼き肉キングで、夫に御馳走になった話

夫が「焼き肉行こう」と言い出した日は、なんとなく晴れやかな気分になる。
私は料理が好きな人間であるが、誰かに御馳走になる日というのは、また別の幸せがあるのだ。

その日は焼き肉キングへ行った。
食べ放題である。

タッチパネルで注文するスタイルで、画面には「カルビ・ロース」やら「豚・鶏焼肉」やら、ずらりとお肉が並んでいた。
私はまず、薄切りのタンを頼んだ。

焼き肉キングのタンというのは、とにかく薄い。
薄いのに、ちゃんとタンの味がする。
なぜだろうと思いながら、私はそれをじっくりと網の上に並べ、よーく焼いた。

私はいつも、よく焼くスタイルである。
レアというものが、どうにも信用できないのだ。

一方、夫はレアが好きである。

夫というのは食べるのが早く、大食いで、お肉への執着がすさまじい。
私がタンをじっくり焼いている横で、夫はすでに別のお肉をパクパクと食べている。
しかも早い。

私が「まだかな〜」と網を見守っている間に、なぜか皿の上のお肉が減っている。
食べ放題なのに、である。

なんとなく、ストレスを感じた。

私は食べたいものを色々頼んでは、2口ほど食べて夫に渡すスタイルである。
自分でも、そういう人間なのだとわかっている。
夫はそれを「残飯処理」と言わずに黙って食べてくれるので、まあいい夫なのだと思う。

サラダはシャキシャキのキャベツにフライドオニオンが散らしてあって、こういう箸休めが焼き肉には欠かせないのだと、改めて思った。

キムチも、いくつか種類があった。
角切りのカクテキと白菜キムチと、きゅうりのキムチが一緒に盛られていた。
お肉の合間にこういうものをつまんでいると、なんとなく健康な気持ちになる。
気持ちだけかもしれないが。

ビビンバも食べた。
ステンレスの器に、ナムルと海苔とそぼろと錦糸卵が乗っていた。
これを混ぜて食べるのが好きなのだ。
焼き肉屋のビビンバというのは、なぜかいつも落ち着く。

そうめんも頼んだ。
つるっとした透明な麺を、はしでリフトしてみた。
つるっと、するっと、のどをすべっていく感じが、焼き肉の熱気の中ではとくに格別であった。

おすすめはタンとロースとハラミです、と私は思う。

締めは、ソフトクリームにしたチョコレートソースがけである。
プラスチックのカップに、こんもりと乗っかっていた。
なぜか、これが一番うれしかった。

夫は「もう食べられない」と言いながら、ソフトクリームはちゃんと食べていた。
まあ、そういうものである。

御馳走さまでした。

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