新じゃがコロッケと、送料の謎
母から荷物が届いた。

開けたら新じゃががどっさり入っていた。
大きいの、小さいの、なんか細長いの、二股になってるやつ。
とにかくいろいろな形のじゃがいもが、ビニール袋にみっちり詰まっていた。
送料、絶対じゃがいもより高い。
毎年そう思う。
毎年そう思いながら、私は黙って受け取っている。
母に「送料のほうが高くない?」と聞いたことは一度もない。
なんとなく言えない空気があるのだ。野菜を送ってくる母には、そういう空気がある。
とにかく届いたのだから、食べなければならない。

新じゃがといえばコロッケだと私は思っている。根拠はとくにないが、なんとなくそう思っている。
せいろで蒸してほくほくにして、潰す。中身は玉ねぎとひき肉を入れた。

成形してパン粉をまぶして、フライパンで焼いた。
揚げない。揚げ物は油の処理が面倒くさいのである。まったく。

紫たまねぎはカンタン酢に漬けた。漬けてしばらくしたら、きれいなピンク色になった。
こういうとき、料理ってわりと化学だなと思う。
私は理科が得意ではなかったが、カンタン酢の変色は毎回少し感動する。得意不得意と感動は、別物らしい。
お弁当箱にコロッケをどんと二個並べて、ソースをかけて、ごまをふった。
紫たまねぎを添えて、ピーマンの炒め物も入れた。ご飯には黒ごまをふった。
なんとなく黒ごまをふると「ちゃんとしてる感」が出るからである。
「ちゃんとしてる感」は大事だと私は思っている。実態はともかく。

完成したお弁当を眺めた。
コロッケがどんと真ん中にいて、なかなか主張が強い。
ソースがてかてかしている。ごまがぱらぱらしている。
まあ、いいんじゃないかと思った。
母が育てたじゃがいもが、送料を超えてはるばるやってきて、コロッケになって、お弁当箱に収まっている。
それを私が食べる。なんかそれって、すごいことのような気もするし、ただの昼ごはんのような気もする。
たぶん、ただの昼ごはんなのだと思う。
でも、おいしかった。
🍱 今日のお弁当メモ
• 新じゃがのコロッケ(せいろ蒸し・フライパン焼き)
• 紫たまねぎのカンタン酢漬け
• ピーマンと炒め物
• 黒ごまご飯
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