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タイ駐在 2つの顔 Pt.②

接待は、「武器」であり「毒」でもあります。。


会食をすると、身内でもお客さんでも相手の警戒心は解け、確かに会食前よりは話をしやすくなったと思います。

しかし——家に帰ると、そこにはまた別の現実が待っていました。

妻は妊娠中妊娠して3か月程だったと思います。
体調が安定しない日の方が多く、それでも夜は私の帰りをひとりで待っていました

その姿に、心のどこかで申し訳ない気持ちがありました
仕事だ、仕方がない。これも家族のため
そう言い訳しながら、妻は大丈夫だと妻の孤独に真正面から向き合おうとはしなかったのです。


「お付き合い」「接待」は大きく分けて2通りありました。
「ゴルフ」「飲み」です。

■ ゴルフ

日本では週末の娯楽、もしくは接待の延長というイメージかもしれません。
しかし、タイではまるで“社交のパスポート”のような存在でした。

営業訪問先で世間話する際は、必ずと言って良いほど話題になります。
お付き合いでゴルフをするメリットは何があるのでしょうか?
下記にまとめてみました。

  1. 距離感を一気に縮められる
     商談の場だけでは、どうしても「売り手と買い手」の関係。
     ゴルフを一緒に回ると、同じ時間を長く共有し、自然と「仲間感」が生まれる。
     → ビジネスを超えた信頼関係につながりやすい。

  2. 相手の“人柄”を知れる
     ゴルフは「性格が出るスポーツ」と言われます。
     人を待たせるか、ルールを守るか、感情をどう出すか…。
     → 普段の商談では見えない相手の人間性を理解できる。

  3. 雑談・本音を引き出せる
     プレーの合間や昼食時に「実は困っていて…」という話が出やすい。
     → そこから仕事につながるニーズを掘り起こせる

  4. 長期的な関係を築ける
     1回の商談では終わらないような、大口案件・長期案件においては、
     「ゴルフ仲間」という接点があるだけで、他社より優位に立てる。  →差別化の少ない商品だった場合、同じような商品で同じような価格帯なら仲の良い営業マンからの購入傾向が強くなる

  5. 相手の記憶に残りやすい
     同じゴルフ場で一日を過ごす体験は、ただの飲み会よりも強烈に記憶に残る。
     → 「あの人とまた回りたい」と思われると、次の仕事につながる。


❌ デメリット・限界

  1. 費用や時間がかかる(丸一日潰れる)

  2. ゴルフをしない層には効果ゼロ

  3. 下手すぎると逆効果(イライラさせてしまう)

  4. 「ゴルフ仲間」だけで売れるのは一時的(製品・サービス力がなければ継続しない)


👉結論としては 「接待ゴルフをしなくても売れる」ことは確かにありますが特にタイ駐在のような人間関係重視の文化では、 “最後の一押し”や“長期の安定した関係”には強力な武器 になります。

なので、

  • 売れる商品・サービス力がある → 必須ではない

  • 長期的に相手の信頼を勝ち取りたい、大口契約を維持したい → やっておくと強い

こういう住み分けになりかと思います。

また、ゴルフには2つの二面性があると思います。

① 必要悪としての接待ゴルフ

所謂、接待ゴルフは正直なところ「必要悪」だと思っていました。
やりたいかと言われれば、答えはNO
週末に妊娠中の妻を置いてまで行きたい場所ではなかったのです

でも、仕事の現場では「ゴルフをしない=付き合いが悪い」「相手を軽視している」と見られやすい。
だから仕方なくクラブを握る。
「義務感で回るゴルフ」心底面倒に思えました。

当時販売していた商材は、マーケットとしてはレッドオーシャンで、自分の営業数字を挙げていく為に、ゴルフでの付き合いは、 「契約を取るために避けられない儀式」 のようなものでした。

② 裏技としての接待ゴルフ

一方で、接待ゴルフは「仕事を楽にする裏技」でもありました。

なぜなら、たった18ホール一緒に回るだけで、相手の隠された情報を拾えるチャンスがあるからです。
お客様も、商談の場では言えない情報や内容、相手に聞いてもらいたい話などなど(多かったのが日本に置いてきた家族との関係や、日本に戻ってからのキャリア)、仕事以外の話を聞いてほしいと思っている場合があります。

ゴルフはその人の本音や性格が出やすいスポーツです。
相手の“素”を知れるし、こちらの“人柄”も伝わる。
「この人となら付き合っていけるな」と思ってもらえれば、それが最大の営業材料になります。

つまり接待ゴルフは、 「営業という戦いを一気に有利にするショートカット」 でもあったのです。

  • 必要悪としての側面 → 「家庭・プライベートな時間を犠牲にしてまで付き合う義務」

  • 裏技としての側面 → 「契約を一瞬で前に進める魔法」

そんな2面性を持っていると思います。


日系企業の多いタイでは、古くからタイに進出した昭和のおじさんたちがたくさんいます。

その為異国の地であっても、仕事で行けば日本の昭和文化を感じられることが多い国です。これを良いことなのか、悪しきことなのか、どうとらえるかはあなた自身です。しかし一つ言えるのは、昭和のおじさんたちが古くから進出してくれたおかげで日本食レストランや日本人向けスーパーが増えたのも事実です。

タイはゴルフ天国

  • コースの数が多く、日本より安く、設備が豪華

  • リゾート感が強くキャディ付き。カートも一人1台。日本では考えられないコスパ。

  • 気候も温暖で、1年中プレーできる。

  • スルーで回れるため夕方には家に帰れる

朝からビール片手に回りながら、自然とリラックスした雰囲気になります。
そこから先は、もう商談どころか“仲間づくり”に近い感覚でした。
「芝刈り行きましょう。」

そんな会話が、商談よりも先に飛び交うことも珍しくありませんでした。

私の中でゴルフをするということは、お金、自分の時間、そして妻の孤独を差し出して「信頼を形にする時間」を買っているようなものでした。


しかしこの考え方はとても短絡的で破滅への入り口に過ぎなかったのです。

                              pt③へ


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