【詩】明日
もし来世があるとしたら
天気図にだけはなりたくない。
絶え間なく変化する空模様は
複雑系という名のボックスに
何が守られているのだろう。
正しさが過去形でしか現れない天気図は
寂しさの対極に佇んでいる。
昨日とは打って変わって良い天気ですねと
喫茶店の常連さんに挨拶をする。
次にいいえと答える選択肢はないだろうから
既読スルーのようになっても傷付きはしないが
困ったときには助け合いましょうという
連帯のようなものを求めてしまう。
昨日も平凡な一日だったけれども
日常の支えはある方が良いに決まってる。
雨の降りしきる日に
今日は良い天気ですねと
スピーチの冒頭、冗談を言ってみる。
それを聞いた二、三人が顔を見合わせる。
それを見て、微笑みの合図を送る。
心の支えが足りなくなったときには
SNSで自叙伝を著すと
雨の日も良き一日になりますよ。
独りきりになりきるために
カラオケボックスに閉じ籠もる。
スピーチのリハーサル中に
いいねとは言われたくない。
無意識の底に着地するまで
力を込めて唱え続ける。
明日は雲ひとつない快晴です。
※ 2024年2月作成
いいなと思ったら応援しよう!
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。よろしければ応援をお願いします。