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「私にもできるかもしれない…」

「私にもできるかもしれない…」

あの時、スマートフォンの画面を見つめながら呟いた、あの小さな一言。それが、私の人生をこんなにも大きく変えることになるとは、想像もしていなかった。

留学時代の友人、カルロスからのメッセージ。「¡Hola! スペイン語を教えるオンラインレッスンを始めたよ!」楽しそうに画面の向こうで話す彼の姿は、私の中に眠っていた何かを呼び覚ました。

最初は、本当に些細なきっかけだった。金曜の夜、同僚との飲み会で「将来のこと、真剣に考えた方がいいんじゃない?」なんて言われたことも、どこか他人事のように感じていた。でも、心のどこかで、このままじゃいけないという焦りがあったのも事実。土曜日の朝、お気に入りのコーヒーを飲みながら、ぼんやりと将来のことを考えていた。

そんな時、カルロスのメッセージが目に飛び込んできた。オンラインで語学を教える。それは、私にとって全く考えてもみなかった選択肢だった。でも、考えてみれば、大学時代に日本語教師の資格も取っていたし、留学生に教えた経験もある。「私にもできるかもしれない…」そう思った瞬間、心の中に小さな火が灯った。

もちろん、最初は不安だらけだった。会社にバレたらどうしよう。生徒が集まらなかったらどうしよう。でも、それ以上に、新しいことに挑戦できるワクワク感が勝っていた。

初めてのレッスンは、今でも忘れられない。画面の向こうにいる生徒さんの緊張した顔。私も同じくらい緊張していた。でも、レッスンが進むにつれて、お互いの緊張もほぐれて、最後には笑顔で別れることができた。「先生、ありがとう!」その一言が、どれだけ嬉しかったことか。

少しずつ、生徒さんが増えていった。口コミや紹介で、私のレッスンを知ってくれる人が増えた。最初は、会社員としての仕事と副業の両立に苦労した。時間管理がうまくいかず、睡眠時間を削ることもあった。でも、生徒さんたちの「英語が話せるようになった!」「海外旅行が楽しくなった!」という声を聞くたびに、疲れも吹き飛んだ。

家族も、最初は心配していた。特に母は、「そんなことして、会社にバレたらどうするの?」と、何度も言っていた。でも、私が楽しそうにレッスンをしている姿を見て、次第に応援してくれるようになった。今では、「生徒さん、増えた?」なんて、気にかけてくれる。

「私にもできるかもしれない…」あの時の小さな呟きは、いつしか確信に変わっていた。私には、語学を教えるという才能がある。そして、それを必要としている人がいる。その事実に気づけたことが、何よりも嬉しかった。

もちろん、全てが順風満帆だったわけじゃない。会社にバレそうになったこともあったし、生徒さんとのコミュニケーションで悩んだこともあった。でも、その度に、私は成長できた。乗り越えるたびに、自信がついた。

今、私は、あの時の自分に「ありがとう」と言いたい。小さな一歩を踏み出す勇気をくれた、あの時の自分に。そして、これからも、私は、私にしかできないことを、私らしく続けていきたい。そう、心から思う。

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