やばいおじさん2
これはただの偶然なんかじゃない
朝、電車に乗っていた。
座席に座っていたが、降りる駅に着いたので立ち上がった。
隣の人が先に立ったので、私もそれに続こうとした。
……けれど、私の前にも隣の人の前にも人が立っていて、すぐには通路に出られない。
10秒ほど立ったまま、通路が空くのを待っていた。
ドアが開き、ようやく横の人が動き始めた。
さあ、私も降りよう――そう思ったその瞬間、
ドン!
誰かが勢いよく私にぶつかってきた。
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わざと人にぶつかってまで席に座りたかった男
驚いて振り返ると、
そこには、私がさっきまで座っていた席に、すでに座っている男の姿があった。
明らかに、私が移動する“前”に、無理やり身体をぶつけて座ってきたのだ。
60代くらい。派手な色の服を着て、帽子をかぶったおじいさん。
あの勢いは、絶対にわざとぶつかったとわかった。
そしてその表情は、「自分は何も悪くない」とでも言いたげな、涼しい顔をしていた。その態度に、なおさら腹が立った。
私は元々降りる前提で待機していたので、咄嗟の出来事に、何も言い返せず。そのまま電車を降りてしまった。
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何も言えなかった自分が悔しかった
電車を降りて歩いているうちに、じわじわと悔しさが込み上げてきた。
なんであの時、私は何も言えなかったんだろう。
なんであんなヤツに、堂々と席を奪わせてしまったんだろう。
あの瞬間、足で蹴りつけて、
「おい、ふざけんなよ、クソジジイ」
とでも言ってやればよかった。
あまりに腹が立って、悔しくて、泣きそうになった。
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次は絶対に、やり返すと思った
私は決めた。
今度、同じようなことがあったら――
短時間のうちに、最大の屈辱と後悔を味わわせてやる。
怒りを押し殺してやり過ごすなんて、もうやめる。
別に、どう思われても構わない。
先にやってきたのは向こうだ。
何も言わないことこそ、加害者を野放しにする最大の原因になる。
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私は、軽んじられていい人間じゃない
私は、大切にされるべき人間だ。
……というか、大切にされなくていい人なんて、この世に一人もいないはずだ。
それなのに、こんな風に見下されて、ぞんざいに扱われるなんて絶対に間違ってる。
怒ったら怖いな、面倒くさいな。
関わりたくない。
おじさんにそう思わせることもまた、悪を犯させないための抑止力になるのではないかと思った。
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これは慢性的に起きてること
今回の出来事だけじゃない。
こんなこと、本当に日常茶飯事だ。
すれ違いざまにぶつかってくる。
無言で睨んでくる。
わざとらしく接近してくる。
……本当に、なんでこんな老害を野放しにしているんだろう。
腐った根性、叩き直してやりたい。
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声を上げることに意味がある
私は思う。
こんなふうに小さな暴力が当たり前になっている社会で、本当に必要なのは、「声を上げること」だと。
たった1人の声でもいい。
怒りでも、悔しさでも、伝えることに意味がある。
私は、これからも、1人でも立ち向かい続けたいと思う。
