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komaki_kousuke
『逢瀬』 【シロクマ文芸部】
みなさん、こんばんは。
今週のシロクマ文芸部のお題は「晴れた日に」から始まる創作です。
もうすぐ桜が咲きそうですね。
晴れた日にのんびりと観賞したい頃になりました。
小牧部長、どうぞよろしくお願いいたします。
『逢瀬』
晴れた日には君に会いに行こう。
そうだな。
今の時期ならば香りが高いフリージア。
君の微笑みが思い浮かぶ黄色のフリージアがいいだろう。
「あら、今日はフリージアね」
彼女は香りを嗅いで嬉しそうに目を細めた。
「春を感じるわ。そこの桜が咲いたら一緒に愛でましょう」
「うん。あと1週間くらいかな。今年も君と見られるなんて幸せだ」
「あなたっていつでも優しい言葉をくれるのね。出会った時からずっと変わらないわ」
「君こそ変わらずにかわいいね」
「もうおばあちゃんよ」
「僕だっておじいちゃんだよ」
そして僕らは、ふふふ、と笑った。
君を愛してる。
それも変わらない。
◆ ◆ ◆
「ママ、あのおじいちゃんまた来てるね」
母親は眉毛を下げながら、困ったように笑った。
「あんまりじろじろ見ちゃだめよ」
「なんで?」
「だってあのおじいちゃん、頭がおかしいって有名だもの。知らんぷりが礼儀なのよ。お参りしたら帰るわよ」
「・・・ふーん。楽しそうだけど」
男の子には見えていた。
花に囲まれたおばあちゃんが楽しそうにおじいちゃんと話しているのを。
そして、羨ましいと思った。
〈了〉
