オーブンのスイッチが切られた午後
予定は完璧だった
午後の映像も 味も
全部セットで完成していた
須磨海岸に足をふみいれると
そこには
真っ白な レースカーテンのような海
パンの香りで満たされた私の脳内は
甘い香りでふくらんだパン生地だった
ドアの前で 立ち尽くしたとき
静かに オーブンのスイッチは切られた
神戸須磨シーワールドの
イルカショーの音楽と
歓声を上げている人の声が
無情に響く午後でした


この日はカーテンがかかったように
真っ白でした
須磨のヨットハーバーへ向かう途中、
私の頭と口の中は、菓子パンでいっぱいでした。
クロワッサン、クリームパン、白パン……妄想は広がるばかり。
だけど、目の前にあったのは「貸し切り閉店」の文字と、真っ白なもやに包まれた海。
ふわふわとふくらんだ期待が、
静かにしぼんだ午後でした。
