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舌触りのいい本「初めて彼を買った日」石田衣良



注意事項

この感想は、性について少し触れています。
苦手な方はご注意下さい。


この本にたどり着いた経緯

石田衣良の本はもう官能小説

何故かわからないが私が石田衣良を読む時、
友達もよく読んでいる。
そして、口を揃えてこのエロ本(敬愛を込めて)
最高と称える。

上品にかつ丁寧に、誰のことを下げることもなく受け入れ表すその姿勢に極上のエクスタシーを感じる。


感想


舌触りのいい本

高価なチョコレートを舌の上で長らく味わう様に、行為後に手を繋いでる気分。

始まりが滑らかな濃いほど、
後で苦労することが多い。

何かが始まる予感こそ、恋愛の1番甘い部分。
皆口を揃えて、付き合う前の両思いの期間が1番楽しいと言う。
同感だ。責任感がなく、自由の身でありながら確立した好意をもぎ取れる。
誰しも悦に浸るだろう。
だが、決断を先延ばしにしぬるま湯に浸かり続けると出るタイミングを失い時間だけ吸い取られ、足場が悪くなる。

一つ一つの満足感がたまらない。
これ以上楽しみを奪われるのを阻みたい気持ちと、吸い付くほど満たされる気持ちよさで遠のく思考。
独りよがりのセックスの後に纏わりつく嫌悪とは真逆の幸福たるものが痺れる様に這う。
愛してない人と一緒に暮らすなんて、相手を馬鹿にしている。

思わず遊んでいた友達に読んでもらった。
この上品で囲われた色気を、私だけで保持せずに共有したかった。
澱みきった終電1時間前の車内で読むのは私のプライドが許さない。
家に帰ってとっておきのいいお茶を淹れてゆっくり飲み干そうと思う。


追伸

最近よく性について議論することが多い。
かしこまった言葉を使い真摯に向き合う姿は、
どんな私達よりも美しいと言える。
名前のない関係に満たされる心、罪悪感を隔てることで動く腰、相性というものを見定める為に行う接吻。

境地にたどり着いた同士の話をしたため、今日も私は探し続けるだろう。




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