ひとりサムゲタンで、パリを想う
丸鶏煮るから一緒に食べない?
突然のお誘いはいつものこと。
パリ深酒友Aちゃんからメッセージが入る。
仕事終わり、ダッシュで着替えてメトロに飛び乗り、20時に閉まる近所の個人経営のカーヴに飛び込む。
かなり通っている自負はあるけれど、シャイな店主は最後になってようやく顔を覚えてくれたような気がする。
ワインの種類は少ないが、セレクションはよいと思われる。
大体いつも白を浴びているので、ブルゴーニュの白をセレクト。
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自宅にダッシュで戻ったら、目に入れても痛くないってかもう目に入ってんじゃないか?ってくらい私のアイデンティティとなりつつある俺(マルチーズ♂、7歳)をピックアップし、またメトロに飛び乗る。
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通り慣れた道を俺がKKするまで散歩して、俺がすっきりしたらばあとは私の自由時間。丸鶏を煮込んでいる友とその可愛い息子、愛猫が迎えてくれるあの家に帰ろう。
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いつものハイネケンで乾杯したらば、内臓が動きはじめる。
あの頃の食生活は、朝なし昼軽めだったから、内臓もこれからご出勤という感じなのだろう。
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彼女がささっと作ってくれる箸休めというか前菜というかつまみはどれも美味い。特にあっさり系の和物は、その昔、母が作ってくれたものに瓜二つ。飲兵衛の好むものは世界共通か。
場が温まってきたところで、メインの鶏がやってきた。

共に煮込まれていたスパイス系を全て取り除かれ、MAJIで食される5秒前の丸鶏。美しいおみ足は犬○家の一族を彷彿とさせるが、これが参鶏湯(サムゲタン)というものだ。外食でも食べた記憶がないから、たぶん初めて。体があたたまる食べ物の代名詞と記憶している。
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五臓六腑に染み入るスープ。ほろほろと柔らかい鶏の身。
前情報に違わず、体の芯からじんわりあたたまる。
まあ当時夏なんだけどね、そんなの関係ない。
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美味い美味いと称賛し、たわいもない話で爆笑し。
誰にも言えない悩みなんかも酔いの勢いで話してみたりして、ふっと心は軽くなる。
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そんなこんなで夜はふける。記憶は大抵ない。
パリから北に引越して、いろんなことがストレスフリーになった。
でも、丸鶏一緒に食べようと言ってくれる友はいなくなってしまったなあ。
ひとりサムゲタンでパリを想う
ひとりごはんで塊肉を調理したくなるのはもはや病気なのだと思う。
初めて作るものはできるだけ本物に忠実なものを作りたいと常日頃思っている。伊勢丹新宿店の本格韓国料理店のレシピなら間違いないっしょ。
Aちゃんに教えてもらったスパイス系は、オペラ付近を買い出ししたときに見つけてきた。あとはもち米。我が港町はもちろん、北の都リールにもなくて、普通の米で代用するかなと思っていた矢先、北の内陸の街の小さなアジアンスーパーでタイ産のものを発見。田舎の街もあなどれない。

下処理
レシピに書かれているとおりに野菜などの下処理を。スパイスの量があまりに多い感じがしたので、半分に分けて次回に使うことにした。

レシピ通り、丸鶏の下処理を。
まずはぼんじりカット。焼いて俺にあげようか。

続いて、手羽の第一関節カット。
スープに入れてダシをとる。

首の皮が脂が多いから取り除くんですってよ奥さん。びよよよーん。

内臓を綺麗にするのがポイントらしいので、いつになく丁寧に水洗いする。
その後、首側を竹串でクローズして(首皮むきすぎて難儀。次回改善)、水につけておいたもち米を詰める。

半分まで米を詰めたら、さらに高麗人参とかにんにくとかを詰める。

全部詰めたら、閉じる。これまた大小の竹串を使ってあらゆる手を使っている感。

「両足を交差させて固定することで、見た目をきれいに仕上げる(byプロ)」ために、足も交差させていただいた。
煮込む
あとは、スパイス系と鶏を一緒にして煮込むのみ。煮込み用鍋でうちのもっとも大きなSTAUBオーバルでどうにかなるかなあと思っていれてみたが、どう考えても表面張力超え。まあいっか。

ひとくちコンロゆえ長時間煮込む系はオーブンにお願いして、先ほどカットしたぼんじりを焼く。その後はこの方の元へ。

出来上がり
蓋をあければ、もはぁーっと白い湯気が立ち込める。
そこはまるで極楽温泉のような。

まったく味を加えていないので、塩に加えてコチュジャン、すりごま、ねぎ。プロのレシピで薄焼たまごと書いてあったのでそれも。

毛細血管まで染み渡るこのスープよ。
楽しかったあの頃を思い出すなあ・・・メランコリックな夜にぴったりである。
やっぱりリメイク
先週アップしたポトフとそのリメイクの記事。久しぶりに公式が取り上げてくれたようだ。リメイクみんな興味あるのね?
ちなみにこの記事を書いている途中に調理していたのがこの参鶏湯なわけだけど。
それでは今回もリメイクいってみよ。
1、サムゲタンおじや
翌日は天気も悪かったのでひたすら家のことやったり編んだりしていて、昼食べるの忘れてしまった。夜になっても編み欲がとまらなかったので、サムゲタンのお米部分と鶏を取り出し、生卵を足しておじや風に。

まだまだ序の口って感じですな。多分これが王道のリメイク。
2、サムゲタンラーメン
骨と身を外してスープを分けたら、スープに醤油など足してラーメンのスープに。中華麺はないので、重曹カッペリーニで代用。

北でこのクオリティ出せるならパリ以外でも別にどこでも住めるんじゃ?と思いたくなる美味しさであった。
3、サムゲタンカレー
また繰り返すけど、
肉じゃがだってシチューだって、リメイクの行方はカレーと決まっている
ってことで、シャバシャバ系のスープカレーに。
リメイクでもぽっかぽか。

米にかけようかと思ったけれども、そもそももち米入っているじゃん!と思って自重した私をほめてあげたい。
思い出はいつでも心の中に。
これから冬を迎える北の寒い夜に、また作ろうかな、サムゲタン。

鶏に目がない7歳児である
