インディカ米を受け入れて、私は大人になる〜初めてのグリーンカレー
昨日、ノール(フランス北部)からパリに無事戻ってきた。
が、いかんせん、全体的に疲れている。特に胃が。なぜか。
思い当たりまくる節があるといえば、あれしかない。
あちらでの主食は、もれなくじゃがいも。
パリに戻った昨日の夜も、じゃがいも。
アペロのチップスも含めると、ここ2週間くらい、ずっとずっとじゃがいも。
Otto氏のObentoに冷凍ラタトゥイユとじゃがいものソテーをしれっと入れながら、ああこれだ、もういい加減じゃがいもは3日くらい見たくないわと思った私。
朝からわかめの味噌汁をすすり、ランチは久しぶりの外食、コリアンレストランで友人とビビンパ。義母別宅にて摘ませてもらったイキのいい野生ローズマリーをパリの友人達に配り歩き、気分はマダムローズマリー。

大変ご立派

パリのアパルトマンはローズマリーの香りに包まれる
そして夜は、なんだかエスニックな気分だったので、グリーンカレーにした。やはり私は日本人、無意識にお米を欲しているのだろう。
グリーンカレーといえば
コロナのConfinement(外出禁止)中に、私は2つの未開拓分野に手をだした。それが、パン作りとエスニック料理だ。
前者については、こんなパンの美味しい国で、家でパンを作る意味がちょっとよくわからないと常々思っていたけど、人間変わるもの。
粉活が楽し過ぎたのと、日本のふわっふわなパンが恋しくなって、ウインナーロールとかハムロールを作ってみたりした。あとは無駄に手の込んだブリオッシュなんかも。
後者については、これまでの料理人生、なんとなく本格的に踏み入ることができなかった。
たまにベトナム料理とかタイ料理を外食で食べることはあるけれど、そもそも激辛系が食べられないし、なんてったって謎の食材が多すぎる。
ということで今までの料理人生、もどきっぽいものは作ったことがあるけれど、エスニックをきちんと家で作ったことはほぼなかったように記憶している。
粉をたずねて1千メートル
なぜ30ウン年生きてきて触らず嫌いだった私が、いきなりエスニックに目覚めたか。それは遡ること4ヶ月前。
Confinement中、日常必需品の買い物と犬の散歩については、家から半径1km以内に限り外出を正式に許可されていた。
外出許可証の携帯は必須だけれど、正式に許可されていることをいいことに、愛犬みるぅのお散歩を朝晩欠かさずしていた私。
ちなみに、パリの自宅近辺ではこの期間、もれなく小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーあたりがスーパーから消えた。最初はパスタや卵も消えていた。
皆、暇だと無心に粉をこねたくなるのだろう。考えることは同じだ。
そんな私はこのお散歩外出をきっかけに、「家から半径1km以内にある、開いているスーパーの小麦粉および砂糖の在庫状況」について把握することにした。
もちろん私はマスクにサングラス、手持ちアルコールジェルで完全装備。
うちのみるぅは得意技、忍法「バッグINで気配消しの技」をいかんなく発揮。
我々の粉及び砂糖在庫状況把握プロジェクト、正確には、
・小麦粉:薄力粉、中力粉、強力粉
・砂糖:グラニュー糖、粉砂糖、カソナード、パールシュガー
と、種類別に各店の在庫状況、ついでに値段感を頭にインプットしていた。
さらに至近のスーパーについては、配達曜日とおおよその時間まで把握していた。特に小麦粉3種についてはすぐに売れてしまうので、時間単位での把握が必要だ。
暇か?暇なのか?というツッコミを受けそうだけど、
うん、暇なんだ。暇すぎた。
一体これだけの熱意をほかの何かに向けられないものだろうか…と自分でもつくづく思う。
家からジャスト1kmのワンダーランドに入り浸る
そんな粉探索活動中、ジャスト1kmの場所に、私をエスニック料理に開眼させたそのお店はある。

エピスリージャポネーズ(日本食食材屋)とファサードには大きく書かれているが、窓には、
日本、ベトナム、タイ、中国、インド、レユニオン島・・・
この・・・がまた大きなポイントで、要するに、マジでなんでもある。
Confinement前、中心地にいくためによくこのお店の前は通っていたけれど、なんとなくこのなんでも感が怪しくて、足を踏み入れたことがなかった。
でもほら、暇なので、試しに足を踏み入れたところ、そこはめくるめくワンダーランド。
日本の調味料もエスニックの調味料も大抵のものがそろうし、海外在住者の必需品、冷凍納豆はもちろん、お豆腐や餃子の皮あたりもちゃんと売っている。
主食系だと、お米も乾麺もインスタントラーメンも売っているし、大事な水系だと、アサヒキリンサッポロの缶ビールもちゃんと冷えている(しかも安い)。
野菜・果物コーナーが面白くて、山芋も売っているし、果物はスーパーなどで簡単に手に入らなそうな南国系がたんまりだ。
ハーブ系も種類が大変豊富で、エスニック系の謎の野菜は、まずここにいけば大抵見つかることを私は発見した。
とまあ、こんな感じなので、ここを訪ねるたびに「こんなものも売ってるの!?」とまるで宝物を探し当てたような気分で楽しくなり、ご近所朝活カフェ友のEちゃんと粉情報およびめっけもん情報を日々交換し合っていた。
こんなことを続けていたら、だんだん、ここにある得体のしれないものを使って何か使ってみたいという好奇心がもくもくと生まれるようになった。
その結果、ちょうど暑くなってきた5月あたりから突如、我が家ではエスニック料理が盛んに食卓に並ぶことになった。
一番とっつきやすそうなエスニック、グリーンカレー
その中でも今日は、一番とっつきやすそうなエスニック料理。
ガパオライス、ボブンに続いて作ったのだが、その後食卓への最多登場数を誇る、我が家のグリーンカレーを紹介しようと思う。
グリーンカレーペーストなしのレシピではないけど、日本には世界のよろずやKALDIがあるので、そこで簡単に手に入ると思う。
ちなみに今夜作ったグリーンカレーは、野菜の買い出しがちゃんとできなかったため、最低限のナスと玉ねぎのみ。しかも洗い物が面倒なので、フライパンだけで作ってしまった。
それだけでも十分美味しいので、簡単安上がりでいいかなーと思う。
とっつきやすいグリーンカレーの材料(2人分)
・鶏もも肉:1枚。一口大に切っておく。
・玉ねぎ:1/2個分。薄切りにしておく。
・ナス:フランス規格おばけナス1個を乱切りに。日本のナスだと2〜3本くらいか。水にさらして水気を拭き取っておく。
・パプリカ;赤と黄色を1/4個くらいずつ。彩りもよくなるし、あれば。細切りにしておく。
・グリーンカレーペースト:大さじ1くらい
・しょうがすりおろし:ひとかけ分
・水;100〜150ccくらい
・味覇(ウェイパー):チューブで5cmくらい
・ココナッツミルク:150cc〜200ccくらい
・ナンプラー :小さじ1くらい。お好みで量調節。
・オイスターソース:気持ち程度
・砂糖:味をみながら、適量。大さじ1いかないくらいか。
・すりごま、ピーナッツを砕いたもの(あれば)
・お皿を彩る緑:バジル、パクチーなど

グリーンカレーペースト、1ユーロちょっと
とっつきやすいグリーンカレーの作り方
1、大きめのフライパンに油を引き、玉ねぎと鶏もも肉を炒める。火が通って軽く焦げ目がついたら、バットなどに取り上げておく。

2、油を拭き、再度多めの油を入れて、ナスを揚げ焼きにする。もしパプリカもいれる場合は、ナスに火が通ったくらいで入れて、一緒に炒める。どちらも火が通ってきたら、1のバットにあげておく。

3、フライパンに油を引き、グリーンカレーペーストとしょうがのすりおろしを合わせて炒める。油が飛び跳ねるので注意。入れすぎると辛くなりすぎるので注意しながら、量はお好みで。

4、少し炒めたら、バットに入れていた具材を全部フライパンに投入してさらに炒める。その後、水とウェイパーを加えて少し煮込む。

天下の万能中華調味料ウェイパー様
5、ココナッツミルクを加え、ナンプラーを加える。ちょっと味見してみるとぼやけた味なので、まず砂糖を足してみる。砂糖を足すと格段に味がはっきりしてまろやかになるが、私はさらに気持ち程度のオイスターソースも加えて、味にコクを出すのが好み。

6、味が決まったら、出来上がり。お米を用意して、盛り付ける。お米の盛り付けは、味噌汁碗の大きさがちょうどよいので、そこにラップをしいて、お米を詰めて、お皿に盛り付ける。

本日も安定のブレ具合

7、具を盛り付けて、スープを回しかけ、上から軽くすりごま+クラッシュピーナッツをかける。最後にコリアンダー(パクチー)をバランスよく添えたらできあがり。なお、ごはんの盛り付け位置での違いはこんな感じなので、お好みで。


ちなみに下の2枚は初めて作ったときのもの。パプリカ入りで葉っぱはバジル。


横長お皿の場合はこんな感じで盛り付けてみた
お米についてのエトセトラ
そうだ、カレーに夢中で大事なことを忘れていた。これに合わせるお米について。
私は、エスニック料理を作るとき、こちらで入手しにくい日本米(ジャポニカ米)ではなく、どこでも入手できるインディカ米(バスマティ米)を使っている。
ちなみにお恥ずかしい話、Confinement前までは、
「私は日本人じゃー!まあるい日本米以外、邪道じゃー!!」
とOtto氏に豪語して、うちから1.2kmの某韓国系スーパーまで日本米を買いに出向いていた。
インディカ米を買ったこともなければ、家で炊いたこともなかった。
でもこのマイエスニックブームの最中、おそるおそるインディカ米を受け入れてみたところ、あら美味しい。
なんの抵抗もなく食べられるようになり、さらに今となってはインディカ米のほうがジャポニカ米の消費量を上回るようになってしまった。
でも、愛する祖国、ふっくらもっちりジャポニカ米への愛は変わることはないし、ちょっとスマートでさらさらしているからってインディカ米に魂までは売っていない。
いらないこだわりを捨てて、新しい価値観を受け入れただけだ。
人はこうやって成長していくのかもしれないなあと、グリーンカレーを通して教えてもらった気がする。

食だってダイバーシティ&インクルージョンの時代よね
