辻村深月さんの小説をこれから読む人が羨ましい
もう一度辻村深月を知らない時に戻って、1作目から順番に読みたい。
それくらいに好きである。
初めて読んだのは、傲慢と善良。
年末年始の休みでなんか本を読みたいなと思って、
近くのコンビニに置いてあったのだ。
ローソンには小さな本コーナーが置いてあったりするのでありがたい。
なんとなーく読み始めただけだったので、
心底驚いた。
自分がずっと見ないようにしてた感情が、ずるずると明るみに出てくる感じ。「ああ、見たくなかったなぁ」と思うような。ちょっとHPを削られるほどの読書体験。
そして読み進めていくと訪れる、どんでん返し。
ここまでいくともうページをめくる手が止まらなくなる。
辻村作品はほぼ読んだので、
最近発売されている新刊を今まさに大切に読んでいます。
今日は辻村作品のどこに魅了されるのかを、
・見るのが嫌になるほどの内面描写
・作品を横断して登場する登場人物
・どんでん返しが気持ち良すぎるミステリー
という3つの視点でまとめます。
①見るのが嫌になるほどの内面描写
読んでて本を閉じたくなる瞬間が何度もありました。
面白くないからとかではないのです。
むしろ面白すぎるし、ページをめくる手は途中から止まらなくなるし、寝不足になりながら読んだこともあります。
そうではなくて、
自分が隠してたようなドロドロした部分を引っ張り出されるのです。
例えば
・近しい友人の成功を表面では褒めてる一方で、内心では悔しさが滲み出てくる瞬間
・噂話はダメだと言いつつも、誰かの不祥事の炎上に胸が躍ってしまう瞬間
・会社では平然としてながらも、劣等感を指摘された時の動揺や憤慨
多かれ少なかれ誰にだってあると思うんです。
絶対に人には言わないし、自分だってスルーするような感情や思い。
そういうのを、文章で浮き彫りにされる感じ。
「ああ、見たくなかった」と。
でも、そういうドロッとした部分だからこそ、隠してた部分だからこそ、
直視してみるとスッキリとする。
「そっか、自分だって汚いとこあるじゃん。」って、少しだけ認められると、逆に前に進めそうな気がするんです。
嫌な自分を見たくない気持ちと、
でも見たらスッキリする気持ち。
これが一種の快感になってるんだと思います。
②作品を横断して登場する登場人物
ある小説で大きな傷を抱えた人物がいたとします。
何かの病気で外に出られない、いじめられてしまった。経済的にどん底に落ちてしまった。
劣等感を抱えてぐちゃぐちゃになってる。
そういった人物が、
今度は別の作品の中で、主人公を助けるヒーローになって現れたりするんです。
しかも辻村作品のすごいところは、
その登場の仕方がさりげないところ。
「え、この人ってもしかして…」みたいな演出にしてくれるんです。
だからこそ、
登場人物が横断しても全く違和感がない。
むしろ作品間のリンクを発見できたこと自体に感動する。
だからこそ辻村作品は結構読む順番が大事だったりします。
出版社が読む順番を整理してくれてます。
とはいえ好きな順番、興味を持ったところから読んでも全然大丈夫。

③どんでん返しが気持ち良すぎるミステリー
辻村さんはミステリー作家です。
これほどまでに、
どんでん返しを綺麗にしてくれる作家さんはいないのではと思う。
鮮やかすぎて、ため息が出ます。
怒涛の伏線回収で、
「だからあの人はこう言ったのか…」の連続。
最後らへんは続きを読みたくて仕方なくなります。
まとめ
今回は辻村深月の面白さをまとめてみました。
この読書体験をこれからできる人が心底羨ましいと感じます。
それくらいに大好きな作家さん。
ミステリー以外でも、
お仕事系の小説や、東京會舘を舞台にした大河小説も、どれも面白いです。
今は新刊の、
ファイアー・ドームを読んでるのですが、やっぱり面白い…。
ぜひ次何読もうかなと待った時があったら、
辻村作品の世界に入ってみてください。
