揺れる時間に、浮かぶ言葉
朝の電車、座れない日はつり革を握ったまま、スマホの画面をじっと見つめる。通知でも、SNSでもない。開いているのは、メモ帳アプリ。ふと浮かんだ言葉を、逃さないように打ち込んでいく。
仕事に追われる日々のなかで、自分だけの時間はわずかしかない。でも、そんな隙間にこそ、言葉がよく育つ。誰かに読まれるわけでもない短い文章を綴ることで、自分の中の何かが静かに整っていくのを感じる。
還暦を過ぎて、新しいことに心を奪われるとは思っていなかった。けれど、こうして書く日々は、静かで確かな喜びをもたらしてくれる。世の中のスピードに追いつけないと感じるときもある。それでも、言葉と向き合う時間だけは、自分の歩幅で進んでいいと思える。
スマホの小さな画面に、今日もいくつかの言葉が並ぶ。誰に届けるでもなく、それでも大切に育てたい思いが、そこにはある。
