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日本で鍼灸師として生きていけるのか?──中国中医薬大学進学前に現場で確かめたリアル

※本記事は、

・なぜ日本の専門学校ではなく中国の中医薬大学を選んだのか
・調査を通して変わった価値観
・将来の進路への具体的な影響

を、進路に迷う人向けに正直に書いています。


1.調査目的

中医薬大学進学前に日本での東洋医学の位置付けや市場規模を調査し、中国で学ぶ中医学との違いや、日本での活用の可能性を理解した上で、大学卒業後の進路選択に役立てることを目的として本レポートを作成しました。また、中医学の学習が本格的に始まる前に調査を行うことで、将来の資格取得や就業を見据えた上で、勉強・努力の方向性を明らかにできると考えたためです。


2.調査先と理由

※プライバシー保護のため実名は伏せています。
(1)鍼灸院・推拿院・漢方薬局
→中国で学ぶ中医学が、日本市場で武器になるかを確認。
→医療と商売の境界線。
→現場で働いている方の生計の立て方。

(2)中医薬大学附属日本校
→日本で中医学を仕事にする現実ルートを知る。
→教育内容の違いを知る。

(3)専門学校
→国家資格の本当の価値
→日本で鍼灸師になると、どんな人生かを見極める。


3.考察

調査前の私は、日本でも中国でも教えている内容にそれほど大きな差はなく、鍼灸の専門学校を卒業して国家資格を取れば、鍼灸師として十分生活していけるのではないかと考えていた。また、日本で働く場合、専門学校卒では多くの鍼灸師の中に埋もれてしまうため、中医薬大学卒という肩書きで差別化を図りたいという、どちらかといえば打算的な考えを持っていた。しかし今回、実際に多くの現場の先生方から話を伺い、その考えは大きく変わった。
まず分かったことは、日本の鍼灸専門学校は「中医学を深く学ぶ場所」というよりも、「国家資格を取得し、現場で最低限通用する技術を身につける場所」であるという点である。学校によっては現代医学を重視し、東洋医学は必要最低限しか扱われない場合もあり、中医学を体系的に学ぶことは難しいと感じた。一方、中国の中医薬大学では、中医学を一つの学問体系として、理論や古典文献、臨床実習を時間をかけて学ぶことが前提となっている。また、中国では大学卒業後に中医師として病院に所属し、医療行為として治療を行うのに対し、日本では鍼灸は医療というより「リラクゼーション」として見られることが多く、卒業後は開業するか、施設に勤務するかという選択肢が主になる。この違いは、決して学問の優劣ではなく、日本と中国の医療制度の違いによって生まれているものだと分かった。つまり、同じ中医学という学問であっても、どの国の制度の中で学び、使うか、目的によって、その役割や評価が大きく変わる。日本で中医師が医療として認められていないのも、中医学の価値が低いからではなく、日本の医療制度によるものだと感じた。制度が学び方や働き方を決めている。
今回の調査を通して、鍼灸や中医学は「人としてどう在るか」「どのような姿勢で患者と向き合うか」が強く問われる分野であると実感した。資格や技術だけで評価される分野ではない。中国で体系的に学ぶことは、将来どこで働くとしても、自分自身の軸となる考え方と技を身につけるための重要な経験になると考えている。


4.まとめ

自分は中医学を学ぶことの目的を履き違えていたことが一番大きな気付きである。患者を治したい心で臨まないといけない。患者の話に耳を傾け、不安に寄り添い、安心感を与える姿勢が不可欠である。どの先生も患者との信頼関係を最も大切にしており、それが長く支持され続ける理由になっていると感じた。
今回の調査によって進学前の段階で現場の現実を知り、自分が何を学ぶべきか、どのような鍼灸師を目指すべきかを具体的に考えることができた。本調査を通して得た気づきと覚悟を忘れず、患者を中心に考えられ心を持った鍼灸師になることを目標に、これからの学びを真剣に、楽しみながら取り組んでいきたい。

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