沈黙の庭で、青い声を聴く
唇を閉じたままでも、
魂は歌を忘れません。
薄い青の光みたいに、
静かに、静かに、
胸の奥で鳴っている
精霊の歌があります。
透きとおる気配は、
わずかな藍色に染まりながら、
誰にも見せなくていい場所で
やさしく揺れています。
瞳が開かなくても、
世界が消えるわけではありません。
まぶたの裏に広がる漆黒は、
怖さではなく、
無限の深さ。
そこには
言葉になる前の祈りが
眠っています。
暗闇のはるか向こうで、
意味を急がない精霊が
ただ純粋な言の葉を
ひとつずつ、紡いでいます。
耳が塞がれているように感じる日も、
細い空洞のどこかで
波紋のような悲しみが
静かに広がるだけ。
鳴らない声があるのではなく、
今は
静けさがあなたを守っているのです。
地平線の向こうで
風は旅を続けています。
藍色の海の上を渡りながら、
名もない詩を
いつか運んでくるでしょう。
あなたが耳を澄ますのは、
その詩に出会う準備を
しているからです。
灼熱の大地からほどけて、
静寂の園にたどり着いた精霊は、
沈黙に包まれています。
沈む空気。
虚ろな夕焼け。
さざめきのない場所で、
心は
いちばん正直になります。
それでも精霊は、
永遠に天を仰ぎ、
耳を澄まし、
声なき声で語り続けます。
これまでも、
これからも。
あなたと共に。
言葉になる前の震えを
そっと抱きしめながら。
静けさに沈む世界に、
たったひとつの言葉が
やさしく置かれる日まで。
