どこでもドアはいらない——ハワイへ続く道のり
空港には、いつも搭乗時間の5時間前に着く。
過剰なくらいの余裕こそ、旅の醍醐味だと思っている。
目的地に着くまでの“道のり”は、ただの移動ではなく、むしろ本編の一部だ。
ハワイへ向かう日は、なおさら特別だ。
まだ日本にも、ハワイにもいない──その中間に漂う、どちらにも属さない曖昧な時間。
そこにいると、不思議と心が落ち着く。
空港までの電車では、「何を食べようか」「本屋に寄ろうか」と、小さな会議が続く。
いつもより長い連休と、長い移動時間がくれる、ゆるやかな余裕。
それが、日常の緊張をほぐし、本来の自分に戻してくれる。
梅田から関空までのバスは、もうそこは空港。
見知らぬ国の人々の会話や表情を眺めながら、家族旅行かな?
何処の国の人かな?
と想像しながら、眠くなれば潔く眠る。これも旅の自由のひとつだ。
空港に着けば、まずフードコートでうどん。
そして、スターバックスでチャイティーラテを手に、家族や友人とたわいない会話を楽しむ。
話題は旅の計画よりも、昔の笑い話や「そういえばあの人元気かな」という小さな記憶たち。
時間を気にせず言葉を交わす、そのゆるやかさが心地よい。
だから、私にはどこでもドアはいらない。
あれがあったら、この豊かな無駄と小さな喜びが、まるごと消えてしまう。
うどんも食べそびれるし
スターバックスで並びながらグッズを眺める時間もなくなっちゃうからね。
