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文学フリマ東京42に出るぞ!という話。⑧~新刊について語る。~

出ます。(8回目)

今回もとりあえず見てって情報。

2026/5/4(月祝) 12:00〜17:00
会場:東京ビッグサイト 南1-4ホール
入場料: ¥1,000(前売)・¥1,350(当日スマチケ)・¥1,500(当日窓口)
南1-2 J-89「ふしぎな隣人たち」
webカタログ:
https://c.bunfree.net/c/tokyo42/1F/J/89

お品書きだよ~!

◆新刊について語る……って何故?

新刊『夜空の繕い師』について語ろうと思いますが、そもそも何故語るのかって話を先にします。
過去に、そう文学フリマ京都に出た時に、いただいた感想の中で、
「あとがきを立ち読みして、気になって買いました。」
と言われたことがあったのです。

その作品は、ゴリッゴリのファンタジー作品だったのですが、東日本大震災で津波に飲まれて亡くなった友人を思って書いたものでした。
自然災害の描写はあれど、津波でも地震でもないし、ハイファンタジーだし、内容だけ読んでもきっと「東日本大震災」が頭によぎることは一切ない作品だと思います。
私の自己満足で、あとがきにこっそりその想いを記したところ、そのあとがきから本を読んでくださった方がいて、しかも感想もくださった。

ああ、そうか。
一般商業小説ではない同人誌だからこそ、書き手の想いが読み手の心にひっかかる、ということがあるのか。

今回の新刊は、先の作品ほどの個人的友情などではないですが、想いはこめて書いたものです。なので、どういう想いで書いたのか、記して知らせておくことが大事かも、と思い、本記事に着手しました。
この想いに興味を持ってくれる方がいたら嬉しい限りです。
※重要な要素のネタバレがあるので、ネタバレが苦手な方はここで引き返すことをオススメいたします。

作品はこちらから読めます↓(6/7に最終話公開予定)


◆「あとがき」を公開するぞ。

これは、新刊に載せたあとがきです。

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あとがき
 「夜空の繕い師」、いかがでしたか。
 夜、星、月、舞、伝統、伝承、わらべ歌、異形の存在、自己犠牲……。
 私の好きなものを詰め込んだ、欲張りセットな物語になっています。
 まるで自分の内臓を取り出して、丁寧に並べたような、そんなおはなしです。
 色々真面目なことを考えて、この物語を書きましたが、なんだかこっぱずかしいので黙っておきます。

 読んでくださった方が感じたことが全てだと思います。
 ただ、ひとつ。
 世界中に恋の物語があふれている中、恋がわからない人を肯定したいという思いは明記しておきます。
 
 今後、この物語をできる限り漫画の形で作りたいと思っております。
 二章までの内容は既に描いております。よろしければQRコードからどうぞ。(小説にするにあたり、設定を見直し、用語の変更などがございます)
 
 このおはなしを読んだ方が、夜空を見上げることを楽しめますように。

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……いや。
こっぱずかしくなっとるやろがい!!!!
こっぱずかしくなっていることが最早恥ずかしいですが、内臓陳列小説だからしょうがない。
もう少し具体的な話をします。気分は全裸。

◆恋がわからない人を肯定したいという気持ち。

そも、私がそういう人間だからです。アロマンティックという名前がやっとつきました。
アセクシャルではないんですがね。ここの混同も結構しんどい!
特別な友情(親友、マブダチ)、愛情がある相手(家族)もいます。
ただ、恋の感情を受けた時に「あ、違う」と思うことが多かったように思います。
恋人にとっての「恋」と私にとっての「恋」は全然姿が違う。
どう違うか。はっきり言うと、私は自分ではない人にそこまで感情を割くことができない。唯一の人として特別大事に、同じ歩幅で、そばにあることを選べない。好きな人がいなくても、健全に生きていける。
私は私、あなたはあなた。尊重し、愛しているけど、それだけじゃ駄目なのだそうです。
それなのに、世の中、「恋」の物語に溢れている。
多くの人が好むものは、共感性が高く、普遍的で、刺激的なもの。「恋」はその最たるところにある感情。
わ、わかんね~~~~~~~!!!!!!
コイバナとか、恋愛要素のある物語、好きですよ。面白いから。
だけど、そういうレベルじゃないほどに世界は「恋」を愛している。
ラブソングに涙し、たったひとりの相手を選び合う姿に拍手する。そこには面白さを越えた、「わかる…!!!」があるとしか思えない。
私にはわからないものを、皆楽しんでいる。大事にしている。いいなあ……!!!!
だったら、私にもわかる気持ちの物語があってもいいじゃない。
そういうおはなしになっていると思います。

◆男女がいたら恋が始まるし、同性が近いとBLだ百合だと言われる。

『夜空の繕い師』はそういう物語の文脈ではないものを詰めました。
主人公は恋ができない、わからない。魅力的な男性、心惹かれる男性、想いを寄せてくる男性がいても、恋にならない。
そのことを不安に感じてもいるし、そのことを「自分」だと言う強さも持つ。
大事なのは、恋をしていなくても大事に愛する、愛される相手がいる、ということ。
それでいい。恋ができないことを怖がっても、悩んでも、愛はそこにある。
そういうライン上にある人を書きたかった。
当たり前ですが、主人公は書き手である私とは別の存在です。なので、私の気持ちを代弁させている場面はありません。ご理解ください。

一方でゴリゴリに強い「恋」を抱えているのが、主人公の夫である王。
想いを寄せる相手は社会から排除されたルッキズム弱者の男性です。
ディズニー映画の「ノートルダムの鐘」を見た幼女のyoyoちゃんは、「なんでカジモドとエスメラルダは結ばれなかったのか」と首をひねりました。
今は、この疑問にめちゃくちゃ色んなバイアスがかかっていることが分かって、笑うしかないです。
でも、「カジモドは民衆に受け入れられました」の先で、カジモドを心から愛する人がいてほしかったし、それは石像たちじゃなく、血の通った人間であってほしかったんです。
醜い、というルッキズム要素を越えて、執着や欲を抱くほどにその人を愛してしまう想い。それを本作では便宜上「恋」と名付けています。
だから、エルグの想いはこの作品の中では「恋」なのです。

他にも、セファには同性の妻がいて、恋が家族に繋がることを体現してもらっています。あと、カリナとユハンの間には身分差はあれど、純粋な友情がある。
なにより、カリナと〈繕い師〉の間にあるものは「あなたと知り合いたい」気持ち。人対人の交わりであれ~~!!!と思いながら書きました。
ルオの片思いもまた、「恋」の一面だと思いつつ……。この「恋」は少しわかる気がします。

◆繕うというモチーフの意味とか、自己犠牲とか、舞とかについても話したかったが。

もう充分長いんだわ。ジェンダー的な話だけで2500文字越えてんだわ。
これを公開するのを後悔する前に、切り上げます!!!!
でも、ひとりぼっちだと思っている人や、自分だけが頑張ればいいと思っている人に届くと嬉しいな、と思います。
流星、しゅう。

◆つらつらと言いましたが。

新刊『夜空の繕い師』は、いろんな想いをこめてありますが、結局のところ「創作ファンタジー」以外の何物でもありません。
アロマンチックな要素があるんだなー、強い執着感情も登場するんだなー、くらいの話で、何も考えずに登場人物たちのすったんばったんを見守っていただけると嬉しいです。
読んだ方が少しでも、楽しんでくださいますように。

愛をこめて。



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