民法(担保物権)(23)根抵当権の確定①元本確定期日の到来

 根抵当権は、極度額という箱の中で消滅生成する一定の範囲に属する不特定の債権を支配するものです。それが確定するということは箱の入り口が閉じることです。これから、どういう場合に箱の入り口が閉じるのか検討したいと思うのですが、その前に確定するとどうなるかということについて考えてみたいと思います。

 根抵当権は確定してもそれで根抵当権そのものが消滅してしまうわけではありません。それは当たり前のことかもしれませんが、確定した根抵当権は結果的に普通の抵当権に変わるということでいいと思います。確定前にはできなかったことができるようになる。しかし、一点、確定しても普通の抵当権とは違うところがあるともいわれていますね。それは、利息についてです。つまり、被担保債権が確定しても利息に関しては極度額まで担保されるということです。確定後に、根抵当権設定者は、法律上、極度額の減額請求をできますが、私は確定したのだから、別にもう極度額を減額する必要も何もないじゃないかと思ったのですが、これは利息の話なんですよね。

 以下、条文に従って、根抵当権の元本確定期日の到来、根抵当権の元本を請求によって確定できる場合、それから請求によらずしても確定が生じる各事由について検討し、最後に確定した後にできる極度額減額請求や根抵当権消滅請求について話したいと思います。

 第398条の6【根抵当権の元本確定期日の定め】
① 根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。
② 第398条の4第2項の規定は、前項の場合について準用する。
③ 第1項の期日は、これを定め又は変更した日から5年以内でなければならない。
④ 第1項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。

 本条は読みやすいですね。根抵当権者と根抵当権設定者は、合意で確定期日を定め、変更できるとし、その確定期日は、これを定め又は変更する日から5年以内でなければならないとしています。

 根抵当権の確定期日に期間制限が定められている理由は、根抵当権設定者の権利を保護し、不確実な状態を早期に解消するためだといわれています。長期にわたって、不確定に根抵当権設定者を拘束するのは好ましくないということで5年という縛りをかけたと思われます。

 なお、後順位抵当権者やその他の第三者の承諾なくして、自由に確定期日を定め、変更することができます。これは別段第三者に不利益を与えるものではないからです。

 確定期日の定めは、登記が効力発生要件になり、確定期日の変更を合意しただけで変更前の期日までに登記しなければ、元本はその変更前の期日において確定します。

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