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【第1話】新人ナース、理想と現実のギャップ

「やっと看護師になれたんだ」

国家試験の合格発表の日、スマホの画面を何度も見直しては、
じわじわ実感が湧いてきたのを覚えています。

憧れだった看護師。人の役に立てる仕事。白衣を着て、
慌ただしくもキラキラした毎日を想像していました。

…でも、現実はそんな甘くなかった。


最初の配属は呼吸器内科。病棟は常に満床、夜勤も多くて、
覚えることは山のようにあって、先輩の指導は厳しくて。

毎日が「できないこと」との向き合いでした。

「申し送り、うまく言えなかったな」
「指示を聞き漏らしてしまったかも」
「さっきの対応、患者さん不安そうだったな…」

帰り道、反省会が頭の中で延々と再生されて、
電車の窓に映る自分の顔は、いつも疲れ切っていました。

そんな中でも、病棟では1年目の“壁”を感じていたのは
自分だけじゃなかったことにも、少しずつ気づいていきました。

先輩に話を聞いても「私も最初はしんどかったよ」と言ってくれて。
自分だけじゃないと思えることが、少し救いになったんです。


配属から3ヶ月目。

患者さんとの関わりにも少し慣れてきて、
笑顔で話しかけられる余裕も出てきました。

でもその分、患者さんが退院していったり、
亡くなってしまったときの喪失感も大きくなっていって…

初めて担当した患者さんが亡くなった日の夜は、 ずっと眠れませんでした。

「もっとこうしていれば」「あの時気づけていれば」
そう思わずにはいられなかったんです。

ある日、先輩にふとこぼしたことがありました。

「なんか…自分がやってること、本当に意味あるのかなって思っちゃって」

そのとき先輩が言った言葉は、今でも忘れられません。

“意味があるか”って考えちゃううちは、ちゃんと看護師やってる証拠だよ

その言葉に、ふっと肩の力が抜けた気がしました。


看護師1年目は、本当にしんどい。

でも、そこで逃げずに踏ん張った時間は、
2年目、3年目になって確実に自分の「軸」になっていきました。

体力的にも精神的にもボロボロだったけど、 それでも目の前の
患者さんの笑顔に救われて、 仲間の一言に救われて、なんとか前に進めた。

あの時、辞めなくてよかったと思えるようになったのは、
「働きやすさ」の本当の意味に気づいたから。

でもその話は、また次回に。

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