VOW WOWだけの「時間の流れ方」
1月16日、VOW WOWを観た。一昨年は川崎CLUB CITTA’、昨年は東京ドームシティホールを満員にした彼らだが、今回の公演会場は東京ガーデンシアター。こうして年を追うごとに規模がどんどん大きくなっていること自体もすごいのだが、それ以上に、大規模公演を目がけてのストーリーづくりのようなものがほぼ皆無な状態でこうした流れができていることに驚かされる。なにしろ彼らは新譜をリリースしているわけでも、普段から積極的に情報発信しているわけでもない。いわば沈黙の時間がファンの関心の高まりに繋がっているようなところがあるのだ。もちろん純粋な需要の高さというのも前提にあるわけだが、いかに情報を拡散しながら注目を獲得していくかが成功のカギとなっている現在のこの世界において、こうしたことが現実に起きているのが素晴らしい。
今回のステージ上での人見元基の発言によると、2027年には彼らにとって所縁深い場所での公演プランがあり、すでにそれに向けての調整が進められているという。その言葉を聞いた時、きっと誰もが同じ場所を思い浮かべたことだろう。今、こうしてVOW WOWのライヴを、かつて彼らが活動していた当時には影も形もなかった会場で観られるのも嬉しいことだが、ふたたび「あの場所」で彼らを観ることができるのだとすれば、感慨深いどころではない。
今回のライヴでは山本恭司の実息にあたる山本真央樹がサポート・ドラマーとして起用されていたが、かつてのVOW WOW活動期にはまだ生まれていなかった彼が、まるで違和感なくバンドに溶け込んでいるさまにも感銘を受けた。彼は現在33歳で、それにより現在のバンドの平均年齢は下がったものの、それでも平均60歳なのだという。
当然ながらこのバンドに残されている時間はそんなにも長いものではない。しかしそこで彼らはあくせく動くのではなく、年に一度の約束を果たすかのように再会の場を設け、他では味わうことのできないものを提供してくれる。こんな継続のあり方ができるバンドもなかなかいないはずだ。もちろん、できることなら新しい楽曲も聴いてみたいものだし、こうした単発的なライヴばかりではなく、ツアーもやって欲しい。今こそ世界を廻るべきなんじゃないかという気もする。しかしきっと、彼らには彼らだけの時間の流れ方というものがあるのだろう。次なる機会が巡ってくるのを、今から楽しみにしていたい。
というわけで、以下は今回の公演翌朝に書いた速報レポートである。
