本の顔に触れる
本にはブックカバーをかけたくない。
大体、表紙のデザインに惹かれて購入を決めるからです。表紙はいわば、本の顔。
私は、本を閉じた後に表紙がふと目に入るあの瞬間がたまらなく好きなのです。二度目の恋みたいに何度も胸が高まる。
横顔も、正面から見た顔も愛おしい。
一方で、本を買うことは少し勇気がいります。お財布にあまり余裕がないので、よく考えてから買う必要があるから。ついでに言うと、本棚にも余裕がない。
だからこそ、お迎えできた本はできるだけ大事に扱いたいと思います。保護欲っていうのでしょうか、自分の手元に来た途端、守りたいと思うようになります。
そうすると、本の顔である表紙を汚したくない心理が働くのはわかっていただけるかと。
葛藤スタートです。
ブックカバーをかければ、本の顔を隠してしまうけど、お化粧されたその顔を守ることはできる。でも、一目惚れした顔です。世間様にも見ていただきたい。
私の読んでる本、最高なんですよって、自慢したい。
わかっています。自己満足です。
実際のところ私は、本にはその人の内面が出ると考えているので、人様の読んでいる本を無遠慮に見るなんてことはなかなかできません。
だから、私のとっておきの本も、たぶん見られてはいないのです。
なんのはなしですか。
葛藤しつつ、ブックカバーはたぶんかけません。万が一汚れてしまっても、傷がついてしまっても、それで私が愛想を尽かすことはないからです。
まるごとひっくるめて受け入れたい。
本の顔の話をしつつ、まるで自分自身の願望を引き出されたかのようです。
これだから、本って奥深い。まだ読んでもいないのに、表紙だけでここまで語らせてくれるだなんて。
電子書籍も手軽でいいけれど、紙ならではの質感が好きだと改めて思いました。
今日も頬を撫で、その内側に触れましょう。
本を読む私の顔はどうか見ないでください。百面相になってるでしょうから、恥ずかしいのです。
