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第11章 「坐月子(ズオユエズ)」という1ヶ月——動かない・冷やさない・味は薄め

*この記事は、初産で海外出産をした
私の妊娠・出産・育児記録です🤰


中国での産後は、「産んだら終わり」ではありませんでした。

本番は、産後1ヶ月の“月子(坐月子/ズオユエズ)”

日本で言う産褥期に近いのですが、
想像以上にルールが多く、家族全員で守る文化です。

今回はその1ヶ月を、
私がどんなふうに過ごしたかを、
良かったことも大変だったことも
包み隠さず書いていきます。

ちなみに、これは世代によって
考え方や取り組み方が違うので、
今の中国の若い方でも
取り組まない人も多いそうです。

その辺も参考にしてくださいね。

1)最初に聞いて固まったルールたち


まず衝撃的だったのは、「水に触れない」という鉄則。

「1ヶ月シャワー禁止、髪も洗わない、歯も磨かない」——。
初めて聞いたとき、耳を疑いました。

私には、、、、
どう頑張っても無理。

若干強いられそうになりましたが、
ここは丁寧に、でも断固として拒否しました。

実際は、短時間のぬるめシャワー・口腔ケアは
自分の基準で最低限維持。

体を冷やさない工夫(室温高い・ドライヤーですぐ乾かす・靴下)は、
家族の目の前で見える形で徹底して、
「清潔さ×保温」の折衷案にしました。



次に言われたのが、「横になっていなさい」

特に産後1週間は
起き上がらない、目もなるべく閉じる、スマホ厳禁。

——いや、赤ちゃんの顔、見たいんですが、、。

授乳やオムツ替えがあるから完全には無理。

ここも無理のない範囲で従い、
必要なときは起き上がるという、
自分なりの線引きをしました。

さらに「赤ちゃんが寝たらママも寝る」とも
言われました。

気持ちはありがたいけど、、、。

産後すぐは神経が高ぶって
眠れないことも多い。

それに、寝てくれてる時しか
できないことだってあります。

眠れない罪悪感が増えるのはしんどいので、
私は「自分が眠かった時に寝ればOK」と
自分に許可を出しました。



結論:全部は守れない。
守らないところは代替案を見せて、
家族の不安を和らげる。

とはいえ、反抗心が芽生えている私は、
「絶対従うものか!」と

謎の決意をしていました。


2)月子の要は「食」——スープ、スープ、またスープ

月子の中心は食事です。
特徴は「薄味」「温かい」「栄養を溶かして飲む」。

とにかくスープ中心。
「水の代わりにスープを飲みなさい」という感覚で、
1日を通して口にします。

冷たいものはもちろんNG。
アイスクリームなんて言語道断。

フルーツも常温を温めてから(蒸して温野菜のように)
食べていました。

最初はびっくりしましたが、
「冷やさない」ことの大切さは、
産後の体を守るという意味で
一理あるなと感じたので
従うことにしました。



私の月子メニューの柱はこの3つ:

豚足スープ:コラーゲン・脂が濃厚。私は正直苦手…でも体は温まる。

魚と大豆のスープ:骨が細かくて食べづらいけど、旨味とタンパク質の補給。

牛テールスープ:時間をかけて煮出す滋養スープ。噛むのが大変なときも(笑)。



味付けはかなり薄味。

でも私にはむしろちょうど良くて、
中国の濃い味に疲れないのは大きな救いでした。

旦那が毎食作ってくれるので、
文句は言えません(そして本当に感謝)。

スープって、胃の負担が少なく、
産後の身体にも入りやすい。

食欲がない日も、温かいスープだけは飲める。
結果的に、「飲める栄養」は合理的でした。

まぁ、自分で作らなくていいし、
飲んだらみんな納得してくれたり
「よくそんな味ないスープ飲めるね」と
褒めて?くれたりするので、
悪い気はしませんでした。

最終的には、嫌いだった豚足を
自ら欲するようになっていました。

3)「守れないルール」と「守った習慣」

守れなかったもの
シャワー完全禁止:×(短時間・保温前提で入浴)

歯磨き禁止:×(口腔ケアは譲れない)

終日横になる:×(育児現実的にムリ)



できる範囲で続けたもの
体を冷やさない(靴下・レッグウォーマー・腹巻き・湯たんぽ)

カフェイン0、冷たい飲食は避ける

スープ中心・薄味・温かいもの

起き上がる時間を短く、
「横になる時間を増やす」意識づけ


メンタル面の工夫
「眠れない自分を責めない」

家族の“愛情ベースの口出し”に感謝を言葉で返し、
具体で共有(「今は10分横になってから授乳するね」など)

4)家族文化の衝突と、落としどころ

義父母の「守ってあげたい」という気持ちは、
本当にありがたかったです。

でも、ルールが“管理”に感じることもあって、
涙が出そうになる日もありました。

ママは私です。
そして、私の体です。
私は日本人です。

もちろん中国ではそうかもしれないけど
日本では聞いたことないし
やってる人も見たことがない。

そういう文化は、聞かなくてもいいと
自分で決めました。

せっかく心配してるのに!みたいに
言われてる空気を感じることもありました。

実際は、何を言ってるかわからないのを
いいことに
無視していたことが多かったです。

私は、ずっと赤ちゃんを抱っこしていましたが、
それも良くないと、何度も言われました。

そういう小さな文化の違いからくる
ストレスから
私と義父母の関係は

少しずつ悪化したように感じます。

5)“母乳”の重さと向き合う

月子の1ヶ月は、母乳が出るかどうかが、
家族の関心の中心になりがちです。

さっきのスープも、母乳にいいという
メニューになっています。

赤ちゃん泣き続けていると、
理由は母乳だと言われがちでした。

でも今なら言えます。



人の体の分泌物に
口だすな。



私は、母乳について話題にされることに
とにかく嫌悪感を抱きました。

旦那は良かれと思って、
搾乳機を購入してきて、
「どれくらい出てるか確かめよう」と
言ってくれましたが、

私にとってそれは辱めを受けたような
惨めな気持ちになる提案でした。

それから大げんか。

この出来事も、私にとっては
悲しい出来事で、
母乳=トラウマにの原因の1つとなりました。

月子は“母乳至上主義”の圧と戦う時間でもあります。
自分の基準を用意しておくと、心が守られたのかも
しれません。

6)終わった日の、オムライス

1ヶ月が明けて、「満月(マンユエ)」を迎えると、
月子から解放されました。


ようやく、味の薄いスープ以外のものが
食べられるようになります。

「何食べる?」と聞かれて私が選んだのは、

オムライス。

冷蔵庫の調味料は日本と違うし、
ソーセージ(妊娠中から禁止されてた)も
中華の味付けがされているしで

結果は…ちょっと失敗(笑)。

でも、一口目で泣きそうになりました。

味がする!!!自由の味がする!!!


薄味のスープの1ヶ月は、
私に「ありがたみ」を教えてくれたのかもしれません。

7)月子の良かった点・辛かった点(私の場合)

良かった点

「冷やさない」意識が徹底され、体力の戻りが早かった

家族が食と休息を管理してくれるので、栄養・睡眠の土台ができた

スープ中心の食生活で、胃腸に優しく回復がスムーズ



辛かった点

ルールの押し付けに感じる瞬間があり、心がすり減る

母乳プレッシャーが重く、泣いてしまう日がある

シャワー・口腔ケアNGなど、清潔面の価値観のズレ

「守れない自分」を責めそうになる

8)これから中国で月子をする日本人ママへ——私の実用メモ

「やる/やらない」ではなく
そのルールができた背景を理解した上で
自分ならどうするか選択する。

そして、自分が選択した理由を
家族にきちんと伝える。

母乳について口出ししないように
根回ししておく。

赤ちゃんのことが心配になるけど
自分の体を第一優先に。

ちゃんと寝ないと母乳は出ない。

9)まとめ——文化は違っても、守りたいものは同じ

月子は、「母と子を守るための1ヶ月」。

やり方の違いに戸惑い、涙する夜もありましたが、
根っこにあるのは家族の愛情でした。

私は全部は守れなかったし、
ほとんど反抗してましたが

ご飯だけは寄り添うと決めてから、
月子は少しやさしい時間になりました。



そして、1ヶ月が明けて食べた
失敗オムライスの味は、
いまも忘れません。

「ああ、ここまで来たんだ」

産んだ瞬間だけでなく、
月子を走り切ったあとの自分にも、
小さく「よくやったね」と言ってあげたし、

気づけば自分と同じくらい、
子供も成長していました。


いかがでしたか?

中国で出産するなら
避けては通れない「月子」

古い文化なので、守る守らないは
自由だと思いますが、

この月子をやった恩恵は、
私たちが更年期になった頃に
受けられるそうです。

あと10年くらいでしょうか?

「もっと守っておけばよかった」
「月子のおかげで、、、」

そう思う日が来るのが
今から楽しみです。

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次回予告

いよいよ「月子明けから帰国準備、そして実際の“帰国ロード”」へ。

止まる物流、動かない書類、
そして空港での“まさか”。

あの長い長い数週間を、綴ります。


ぜひ、また読みにきてくださいね♪

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