【オトナになることのうた】竹原ピストル●「よー、そこの若いの」「それじゃただの大人だろ」
そ、卒業しない証書!?
それでTDR(東京ディズニーリゾート)のHPを見に行ってみたら、これがありました。
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーに最近行ってないなぁ…と思っているあなたへ。
もうすぐ卒業シーズンですが、東京ディズニーリゾートは卒業しないでください!という想いを込めて、「東京ディズニーリゾート 卒業しない証書」をご用意しました。
うーむ、やりますね。現在のTDRを楽しむには情報戦に挑まないといけないとか言われてますが、それはさて置いて。
僕が思ったのは、この「卒業」という言い方なんです。
ポップカルチャーの世界では、「卒業」という言葉はよく使われてきました。ヒット曲でも名曲でも名作でも、多いですよね。卒業をモチーフにしたのは。
あとは「夏休み」も、青さというか、ジュブナイル感、モラトリアム感を助長しますね。永遠の輝きのごとく。
えー、わたくしこと、先日はヘルシンキラムダクラブにインタビューしました。新作EPがとてもいいので、ぜひ聴いてください! で、この記事もね。
さて、こないだは試写に行ってきました。アート集団、ヒプノシスのドキュメンタリー映画に。
監督がアントン・コービンで、それだけに白黒の映像が美しく、また終盤にエモい展開が待っていました。どちらかというと生活感のない、シュールな作風のヒプノシスだけに、この流れは意外だった。
僕はもうすぐ出るとある本でヒプノシスの作品にほんの少しだけ触れた(というか、かすった程度ですが)ので、いいタイミングでした。2月7日から公開です。
それからマンガ『孤独のグルメ』の原画展である<孤独のグルメ博>にも行ってきました。故・谷口ジロー先生による繊細な描写が素晴らしかった。そりゃ数は描けない方だっただろうと。
その日は、原作の久住昌之先生が中心のトークイベントと、彼が率いるThe Screen Tonesのライヴも堪能。鍵盤の方がいない編成だったけど。
『孤独のグルメ』は1997年に単行本された頃、ハヤシくんという編集者が面白いんだよと教えてくれたんです。それですぐに買って、ハマりまして。だから僕が持ってるのは当時の単行本の2刷目ですね。
それからは久住先生のほかの作品を読んだり、泉昌之名義のコミックを買ったり。先ほどの谷口先生の『散歩もの』や『犬を飼う』なども。
映像化されたのも好きです。コミックのみならず、『かっこいいスキヤキ』も観ました。笑えた。
そして当の『孤独のグルメ』は2012年にドラマ化されてから毎回観ていて、時々、ガチャやカレンダーを買ってまして。
2017年、同ドラマのSeason6の第11話「東京都文京区茗荷谷の冷やしタンタン麵と回鍋肉」の回で、僕はちょっとだけ出演しています。
金曜(23日)の深夜にテレビ東京系でOAされたドラマ『 #孤独のグルメ 』の「東京都文京区茗荷谷の冷やしタンタン麺と回鍋肉」の回に出演しました! もちろんエキストラですけどね。 撮影中に話しかけて下さった五郎さん(松重豊さん)はジェントルな方でした♪ http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume6/
Posted by 青木 優 on Friday, June 23, 2017
撮影現場でお会いした松重豊さんは腰の低い、優しそうな方でした。この甲本ヒロトとの対談、僕が司会したかった……。
なお、僕はさっきのドラマに出た2017年にヒロトにインタビューするために会っているので(もちろんクロマニヨンズの取材で)、おそらくこの年この両者に関わった人間は僕ぐらいですよね(のはず!)。
若き日のふたりがバイトをしていた珉亭には10数年前に行きました。ここであの人たちは働いてたのか~、と思ったりして。その時は今回みたいに一緒に話してるところは想像でしかなかったけど。
でも『孤独』の映画はまだ観に行ってないです。そのうちに。はい。
ということでこの一連も、そもそもはハヤシくんのおすすめがあったからでした。その節はありがとう。
では今回は、竹原ピストルの歌について。
武骨なシンガー、竹原ピストルの歩み
このnoteのテーマである大人になることについての楽曲や歌手について探索していると、たとえば忌野清志郎や山下達郎のように昔から引っかかっていたアーティストもいれば、それほど意識していなかった人を再発見することがある。
今回の竹原ピストルがそのひとりだ。
彼については、経歴的なことから書くのがいいように思う。
まず、以下は公式ホームページに載っているプロフィール。
大学生時代の1995年、ボクシング部主将を務め全日本選手権に二度出場。
1999年、野狐禅(ヤコゼン)を結成し音楽活動を本格化。際立った音楽性が高く評価され、2003年にメジャーデビュー。
その後、6枚のシングルと4枚のアルバムを発表。2009年4月に野狐禅を解散し、一人きりでの表現活動を開始。シングル1枚、ミニアルバム1枚、アルバム4枚の作品を発表、毎年約250本のペースでライブも並行するなど精力的に活動を行う。
(以下略)
補足していくと、竹原は1976年12月の生まれで、千葉市の出身。現在は48歳である。
上記に挙げられているバンド、野狐禅(やこぜん)を結成したのが22歳。僕はその数年後、インディ時代の彼らのライヴを観ている。当時はもうオフィスオーガスタの所属で、山崎まさよしか誰かの前座だったはずだ。粗削りな歌とエモーショナルな演奏が印象的なコンビで、とくに竹原の武骨な、それもフォークソングのような歌が心に残った。
そして彼らのメジャーデビューが2003年7月、竹原が26歳の時。僕はこのデビュー曲のレビューを当時の音楽誌『What’s IN』で書いた。歌詞の言葉の詰め込み方とその速度感と描写が鮮烈であることを書いた覚えがある。
しかし野狐禅は活動を軌道に乗せることができず、2009年4月に解散。32歳になっていた竹原は、ソロ・アーティストとなって活動していく。
そこからの彼はマネージメントを離れ、自分で取り仕切るようになり、ひとりで地道な活動をしていっていると伝え聞いた。ライヴを中心にした活動を続けていて、全国各地を廻る旅に出ているという話だった。
当時はおそらくこのアーティストにとってかなり重要な日々だったのではと思うのだが……これは申し訳ないことに、僕の想像でしかない。
それから2011年、竹原は松本人志監督の映画『さや侍』に出演している(竹原和生名義)。この背景には野狐禅をやっている頃、歌番組の『HEY! HEY! HEY!』に出演したことが影響しているはずである。
そんな活動を経ながら、やがて2014年、竹原は同じオーガスタに復帰する。そして同じ年、ソロ作もかつての野狐禅と同じビクターからリリースすることになった。
この時期、僕はビクターの関係者向けのイベントで竹原のステージを観ている。じつに10年以上ぶりに観た彼のライヴは、かつてよりもっと武骨で、さらに孤高で、それでいて生々しさと、そこでの痛み、心の叫びが伝わってくるようなものだった。
そこから竹原の歌が大ヒットするようなことはなかった。しかしどこかのイベントで盛り上がったとか、曲がCMに使われて驚いたりすることがあった。
そんな中、2017年。彼が『紅白歌合戦』に出ることになったという報を聞いた。とくにヒット曲もない、大きなメディアに出るようなこともないこの人だが、おそらくはその歌がNHKのスタッフの心を動かしたのだろう。
以降も、竹原は音楽と役者の仕事に取り組んできているはずだ。とはいえ、僕は彼の動きをずっと追っているわけではないので、偉そうなことは言えないのだが。ただ、時々耳にする彼の歌に、予想を裏切られたことはない。
そしてここで書きたいのは、竹原が書いてきた歌の中の、大人になることの意識。そしてその時々の年齢である。
<必死じゃない大人なんていないのさ>
先述のように、竹原がソロとしての活動を始めたのは2009年、32歳の時。興味深いのは、ここからの彼はその時々の自分や、そこで大人になる、なっていくことをずいぶん意識した曲を書いていることだ。
まずその2009年の6月、最初に出したミニアルバムのタイトルが『オールドルーキー』。そのものズバリ、である。
タイトル曲の内容は、当時の心境そのものではないかと思う。「オールドルーキー」という呼び名は、もはや若くない自分自身を指しているのだろう(下記の音源は後年の再録版)。
続いての楽曲は2012年4月リリース、アルバム『ROUTE to ROOTS』に収録の「石ころみたいにひとりぼっちで、命の底から駆け抜けるんだ」。
ラップ調のスタイルだが、ヒップホップとはまた違う、竹原独自のビート感である。歌詞の世界はまさに彼の生き方そのものを見るかのようだが、この後半に<今からでも、っつーか、いつからでも遅くなんてない。>、そして<大人の階段転がり落ちて、クソガキみたいに暴れまわれ。>というくだりがある。まるで自分自身に向けて叫んでいるかのような、開き直っているかのような。この時、竹原は35歳になっている。
2013年3月にはアルバム『復興の花2』の中に「お前、もういい大人だろ」という曲が入っている。曲名だけだと大人の年齢になった者をなだめているように感じるが、実は<お前、もういい大人だろ? もういい加減あきらめるなよ>と唄う歌である。
竹原は36歳。それで、あきらめるなよ、とは……。この歌詞を見るかぎり、彼はもう腹をくくっている。
以降は、2014年のオーガスタとビクターへの復帰後の活動となる。その中で出来上がったのが代表曲のひとつ「よー、そこの若いの」だ。
何といってもこの歌で注目したいのは<必死じゃない大人なんていないのさ>というフレーズである。もはや大人を、大人として生きている人たちを、肯定している。
僕は生命保険のCMでこの曲を聴いた時に、彼も頑張ってるんだなぁと思ったものだ。
そして2017年の紅白では、この歌が唄われたのである。
「よー、そこの若いの」はアルバムでは2015年の『youth』に収録されている。
ただ、その前には楽曲単独での配信と、それから2016年には同名のEPでもリリースされている。そしてこの『よー、そこの若いのEP』には、「それじゃただの大人だろ」という曲がある。
<はじめから道なんてないのに/踏み外すことを恐れて/それじゃただの大人だろ>……竹原は<ただの大人>でいるな、と唄っているのだ。恐れるな!と。
2017年1月には「Forever Young」をリリース(ちなみにボブ・ディラン、それに吉田拓郎もこれと同じタイトルの作品を出している)。これはドラマ『バイプレイヤーズ』の主題歌。松重豊も含む、中年の男性俳優たちが出演した話である。
そして歌は<あの頃の君>と<今の君>を唄っている。この時の竹原は40歳。
時期としてはちょうどこの頃になる竹原のインタビューがあったのでリンクを張っておく。というのは、このテーマが「大人に聞いてみたいこと」として彼が質問を受けているからだ。
2017年5月のSCHOOL OF ROCKである(まだAIも発達していない頃にこの詳細な文字起こしは大変だったと思う)。
しかしここでの竹原は、ほとんどまともに答えていない。「自分がちゃんと大人だっていう自信はないけど、はたから見ればどう見ても大人だからして、“ちゃんと大人らしくしなきゃな”って心がけるような感じがします」ぐらいだ。まあ、そこは番組としての楽しさが大切というのがあるのだろう。それでも、この言葉からでも、アラフォーの時期の彼が伝わってくる。
さて、現在、48歳になった竹原の最新曲は、なんと成人の日をテーマにした「今日は成人の日」だ。この1月8日にリリースされている。
若者に向けて、人生の先輩の立場から、やはりストレートに唄っている曲である。苦みもあるし、一筋縄ではいかないが、決してネガティヴではない。だからこそリアルに響く歌だ。
竹原は正直で、わかりやすい人ではないかと思う。ソロになった最初の頃には自分のことをオールドルーキーだとあえて唄い、そこから大人の年齢であることを受け入れるようになったやがて腹をくくって、その後には大人であることを肯定し、つねに前を向いて生きるような歌を遠慮なく唄う。大人なんだからあきらめるな。大人だからこそ、ただで終わるな。そんなふうに。
ただ、いつも思うのは、年齢や大人になるとかを気にする人は、基本的には根がマジメなのだということ。そうした考えは、とくにこの日本では世間体とか社会性を自分の中で意識しているから生まれるものだと、僕は感じるからである。
それにしても……ウソのない言葉、そしてあまりにパワフルな背中の押し方。これこそ竹原ピストルというアーティストの魅力なのだと感じた次第である。

1月12日のトークとライヴの会場で買ってきました、
崎陽軒とのコラボ、焼シウマイ、1310円。
自分で焼いて仕上げるやつで、
カリッと、うまく焼けたので
家族に好評でしたわ~
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