森美術館「藤本壮介の建築:原初・未来・森」が素晴らしかった
六本木ヒルズの森美術館にて、建築家・藤本壮介さんの大規模個展「藤本壮介の建築:原初・未来・森」が7月2日から開催中です(11月9日まで)。2日目の昨日、早速行ってきたのですが、素晴らしかったので感想を書きます。

まず藤本さんについては、太宰府天満宮の仮殿や万博の大屋根リングを生で見たことで興味を持ちました。さらに先日、『地球の景色』というエッセイ集を読み、世界を飛び回る彼の思考の深さや独特の視点に魅了されました。
やはり藤本さんと言えば万博の印象が強いので、今回の企画展でも「5分の1サイズの模型で再現されたという大屋根リングがいちばんの見どころなのかな?」と想像していました。

実際に訪れてみると、もちろんそれも良かったのですが、全然それだけでありませんでした。
(やっぱり藤本さん、すごい!)
そう思ったのは、まず最初の「思考の森」という展示空間に入った瞬間から、ワクワク感でいっぱいの景色に心を奪われたからです。

そこは、25年に及ぶ藤本さんの100を超える建築プロジェクトを総覧できる展示になっていました。活動初期の頃から現在進行中のものまで、ところ狭しと散りばめられた模型の数は、なんと1250以上。



魅せ方、空間の使い方が見事で、上から吊るしたりすることで楽しい「森」に迷い込んだような体験になりました。
「この建築は何だろう?」
「すごい発想だな」
「生で見てみたい」
そんなことを思いながら歩き回れて、楽し過ぎます。決められたルートもなく、自由で寛大な空間でした。大屋根リングでしか藤本さんのことを知らない方にとっては、嬉しい驚きがたくさんあると思います。大屋根リングは巨大で素晴らしい建造物ですが、彼にとっては数多あるプロジェクトのひとつに過ぎません。


すべて見終わったときには、国内外の行きたい場所が増えていました。石垣島に今月開業したばかりのNOT A HOTEL ISHIGAKI「EARTH」は実に美しいです。

大屋根リングの巨大模型のところで興味深かったのは、構想段階のスケッチです。「こんな何もない状況から、あの大屋根リング構想が生まれたんだな〜」と感じられて、全ての関係者に対して、改めて「よくぞこの壮大な建築を実現してくれた」という気持ちになりました。


関東にはまだ万博へ行かれていない方も多いでしょうから、この5分の1サイズの大屋根リングでも「すご」と驚かれると思います。でもやっぱり、これはぜひ実物を見てほしいものです。

2024年にコンペで選出され、現在プロジェクトが進んでいる仙台の音楽ホール兼震災メモリアル「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の巨大模型もあったのですが、こちらも実にワクワクする建築でした。

世界に類を見ない、美しいコンサートホールになるでしょう。いつかここでオーケストラの演奏を聴きたいです。

藤本さんの学生時代からのスケッチブックもほぼ全て展示されています。エッセイ集『地球の景色』でもふれられていたアテネのパルテノン神殿のスケッチもありました。ある時期からすべて赤いペンで描かれるようになったのはどうしてだろう?と気になりました。



また、意外性があって面白かったのは、藤本さんが手がけた9つの建築が「ぬいぐるみ」になり、テーブルを囲んでいたこと。大屋根リングくん、メッチャかわいいです。


しかもそれらのぬいぐるみたちが座談会を開いていて、近くに座って話を聴いていると、それぞれの建築の見どころがわかるという素晴らしい展示構成。藤本さん、この企画展に関しても抜かりなく、思わぬ発想で来場者を楽しませてくれるな〜と感激しました。

おそらく、すぐに口コミで話題になって混み始めると思うので、すでに気になっている方はできる限り早く来場することをおすすめします。最初の部屋は小さな模型がところ狭しと散りばめられているため、混むと人数制限が入るはず。

「どうして大阪でやらないのだろう?」と疑問でしたが、行ってみたら、これは東京での開催で正解だと感じました。万博来場者の多い大阪では、人が来過ぎて、何時間待ちにもなってしまうでしょう。今ならまだゆっくり鑑賞を楽しめます。

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