EHOMEWEIのRQG-180PWモバイルモニターはお絵描き用液タブの代わりになるか?
EHOMEWEIのスタイラスペン対応18インチWQXGAモバイルモニター RQG-180PWが、お絵描き用のペンタブレットとして使えるか検証しました。
発売から1年近くたちますが、このモニターのレビューは少ないです。
お絵描き用のペンタブとして使用に耐えられるのか、気になる方がいらっしゃるやもしれません。
そんな方向けに、Windows環境での使用感をレポートします。
結論: RQG-180W は、お絵描き用液タブとして十分使えますが、いくつか注意点があります。
(前書き)なぜこの製品を使い始めたか
普段、自宅でお絵描きするときは、Wacomの液タブ(現在使っているのはDTH134)をWindowsデスクトップPCに3in1ケーブルで接続しています。
ソフトは、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)がメインです。
仕事がら外出することが多く、メインPCはモバイルノートです。
富士通の世界最軽量を謳うノートPCを6年近く使っていましたが、買い換えるにあたって、スペックとバッテリ容量の観点から、最軽量は諦めました。それでも十分軽いです。
画像処理にはGPUがある方がいいですしメモリも大量に消費します。CPUはUltra 7 155H、共有メモリ32GB。とても快適です。
持ち歩きには軽量で良いPCですが、なんせ画面が小さいです。14インチと以前より一回り大きくなったとはいえ、それでも文字が小さい。年々辛くなってきました。かといって、文字を大きくすると情報量が少なくなり全体が見えません。
当然ながら、家では(眼を労るため)かなり大きい4Kモニターにつないでいます。
出先ではギリギリ持ち運びできる17インチの格安モバイルモニターを愛用していました。これくらいなら文字サイズも100%でいけるし、目に優しく疲れない。画面が大きければ動画視聴も快適。
このモニターの調子が悪くなり買い換えようとしたときに、せっかくなら、外出先でもお絵描きしたい、ホテルでも使いたい、と思ったわけです。
探し当てたのが、EHOMEWEIのタッチペン対応モバイルモニターでした。
ただ、レビューがほぼ無くて、スタイラスペンによるお絵描きが、使い物になるレベルなのかも不明。
公式ページではMPP2.0対応となっていたので筆圧・傾き・パームリジェクションが有効のはずだが不安は拭えません。
サポートはちゃんとしてそう(LANMEY JAPANという日本の会社の取扱い)なので、まあ大丈夫かと思い、春には必要だったこともあり、えいやっと買ってしまったわけです。
なお、あくまで主たる目的は、お絵描きではなく画面サイズを大きくしたい、なのです。
このモニターはいいお値段ですが、セール時には20%引きとかになります。
私が買ったときは、なぜかペンがもう1本おまけでついてきました。(今までペンをなくしたことはないのですけど……机の引き出しで眠っています)
前書きが長くなってしまいました、すみません。
製品仕様
主な仕様は以下の通りです。
16:10のWQXGA(2,560×1,600)144Hz 1msのIPSタッチパネル
付属のスタイラスペンは、MPP2.0対応で、筆圧4096段階、傾き45度、Type-C充電端子があり、右クリックなどを割り当てられるボタンは1つ、ペン先は3種類付属
定格消費電力18W
本体寸法 402mm×267mm×6~16mm(スタンド部)、重さ 1.34kg
画面保護フィルムが2種(光沢と反射防止)各1枚付属
持ち運び用のケースが付属
ぴったりサイズのしっかりした布ケースがついているのは、持ち運び時にとても良いです。
大きい画面にぴったりサイズの保護フィルムを貼るのは結構大変です。ふたりで作業すると上手く貼れます。
スタンド
折り畳み式のスタンドが背面についているため、モニターの厚みは6mmですが、下側5分の2は10mm厚くなっています。
スタンドの内側にコネクタ部がある独特の構造ですが、スタンドのサイドに切り欠きがあるため、スタンドを閉じて水平にすることもできます。

内側に電源、通信/電源、HDMIミニの3コネクタがある
ただし、そのままだとガタつくのでスタンドのない側に1cmくらいの厚みのあるものを置く必要があります。
スタンドを限界の90度まで開いて立てたとき、画面の角度は約45度になります。スタンドを閉じていくと最大85度くらいまで無段階に変更できますが、
80度以上にするとスタンドがパタンと閉じて倒れる危険性があります。
このモニターの本体機能として、画面の180度回転があり、逆さまに設置することができます。その場合、スタンドを90度に開いて置いたときに、画面の傾きは約35度になります。
さらにスタンドを閉じていくと傾きはもっと浅くなりますが、浅くするほど画面に手を置いたときに、重みでパタンと閉じてしまう危険性が高くなるので、浅い角度にしないほうが良いです。
サポートページからソフトウエアをダウンロードしてインストールすれば、縦置き(画面90度または270度)で使うこともできます。
スタンドを90度に開かないと不安定になります。画面の角度は約77度です。
接続方法
USB Type-C のケーブルが2本(通信/電源と電源供給専用)とUSB電源アダプタ、USB A-Cケーブルが1本付属しています。
DP Altモードに対応したPCであれば、1本のケーブルで接続できます。
そうでない場合は付属のHDMIケーブルでPCと接続し、電源はUSBケーブルで供給します。さらにタッチ機能を使用するために通信用のUSBケーブルも接続する必要があり、計3本つなぎます。(必要な全ケーブルが付属しています)
スタイラスペン
MPP2.0対応で、筆圧は4096段階、傾き角検知は45度、パームリジェクション対応です。効果のほどはよく分かりませんが、「ペンとWindows Ink」で、利き手を設定しておくのが良いようです。
MACでは筆圧が使えませんでしたが、対応するソフトをサポートページから取得すれば、対応できるようになったらしいです。
ペン先は3種類用意されています。

左側の先端が白っぽいペン先は、摩擦の大きいタイプ(大げさに言うとキュッ、キュッと粘る感じ)、他の2本はサイズ違いで普通のスタイラスペンと同様の描き心地です。
ペンのサイドボタンは二連で、下側は電源ON、上側はソフトで右クリックなどに割り当て可能です。ペンを持った状態で親指を少し上にスライドさせて押す感じです。
普通に使っている分にはバッテリの持ちはとてもいいです(公称30日)。
マグネット内蔵なのでペンをモニターの左右端のすぐ裏側にぺたっと付けられます。
ペンの筆圧機能を使うには
このモニターをメインモニターにする。
クリスタの環境設定・タブレットの項目を適切に選択する。
の二点が必要です。
メインモニターの設定は、ノートPCの画面を閉じてシングルモニターで使うときは気にしなくて良いですが、マルチモニターで使用する場合は切替えが必要です。
タブレットの項目で、「Wintab」と「TabletPC」のどちらか、筆圧検知が有効になる方を選びます。どちらを選ぶかは接続するデバイスによるので、試してみるしかありません。
クリスタでの使用感
画質は良いです。発色(RGB、色相、彩度)は本体メニューから調整ができるので、あらかじめ他の環境と合わせておいたほうが良いでしょう。
視差はWacomと同程度です。
ペンの筆圧・傾きは問題なく使えます。反応速度も普通です。
傾きは45度までなので、クリスタのペン・ブラシサイズ影響元設定で傾きカーブは調整する必要があるかもしれません。
モニターの解像度が高いので、Windowsのディスプレイ設定の拡大/縮小を100%のまま使用するのであれば、キャンバス領域が広く取れるので、とても描きやすいのを再認識してしまいました。
相対的にメニューや各種パレットは小さくなってしまいますが、サブツールのプロパティ等を多く表示できるのがかえって良いかもしれません。
ホバーカーソルの表示位置が、ほんのわずかですが、ペン先より左のやや上にずれているように見えます。
右手にペンを持つ場合
ホバーカーソルとペンの接地ポイントのずれはほとんど感じません。
ペンを普通に(右下方向に)傾けても、カーソルが見え、ずれもほとんど感じずスムーズに描けます。
左手にペンを持つ場合
ホバーカーソルがペン先の奥側に位置するため、隠れて見にくいです。
ペンを傾けるほど描画点のずれも大きくなります。
つまり、ペンを右手前に傾けたときは、ペン先とカーソル位置があまり変わらないが、それ以外の方向に傾けると、軸側にずれた位置に描画されます。
傾いた分だけ移動していると思えばいいのですが、この違いは、わずかに左上にずれていることが関係しているのか、単なる個体差なのか、それとも何らかの補正処理があるのか、は不明です。
左手にペンを持って細かい描画をするには不向きと思われますが、個体差の可能性もあります。
画面を180度回転させた場合
ペンを左上に傾けた状態で持てばカーソルとペン先がほぼ一致し、手前にペンを傾けた状態だと、ずれを感じます。単に180度回したのだから、ずれが目立たない方向が右下から左上になるのは、当然かもしれません。
180度回転での使用は、細かいお絵描きには不向きと思われますが、個体差が関係しているかもしれません。
スタンドの仕様も考えると、45度より浅い角度で使うには、別のポータブルスタンドを使うのが良さそうです。
モバイルスタンド
画面を45度以下の浅い角度で使えるモバイルスタンドを探しました。
いま使っているのは、XPPenのACS05です。
角度は18度から45度までの6段階で重さ370gです。
XP PenといえばWacomに次ぐ液タブメーカーで愛用者も多いと思います。
金属製の折り畳み式で携帯用のケースもついており、コンパクトで使いやすいです。
iPhoneで大画面タッチモニタ
本記事の趣旨からは脱線しますが、
Type-Cコネクタを持つiPhoneとUSBケーブルで接続すれば、外部タッチモニタとして使えます。
設定方法は、iPhone側の設定で、アクセシビリティの「ズーム機能」、「カーソルに追従」、「スマートタイプ入力モード」をオンにして、モニタ側のメニューから「Phone Touch」をオンにして、iPhoneの画面の向きを選択します。
電源供給は必須です。
ついでにBluetoothキーボードを接続すれば、大画面でさくさく入力できます。
iPhoneの縦画面が縦置き状態のモニタに全画面表示できれば、すごくいいのですが……残念。
まとめ
2025年春に購入したEHOMEWEIのモバイルモニターRQG-180PWをお絵描き用のペンタブとして使ってみた。
筆圧、傾き、精度は、普通のお絵描きには十分なレベル。
左手にペンを持つとき、あるいは、画面を180度回転させたとき、カーソルがペン先の左下に入り、接地ポイントのずれが発生するため、細かい描画には不向き。
右手にペンを持つときは、描画ずれをほとんど感じない。細かい作業もこなせる。
画面の傾きを45度より浅くしたいときは、別のモバイルスタンドを使用したほうが良い。
最後までお読みいただきありがとうございます。
Wacomから発売になった、Android OS搭載のMovinkPadが気になっているこのごろです。 (よる)
