「熊の胆(くまのい)」
『女医・joyしましょう。AKIKOの面白ヒト語り』
連日のように関東以北での熊の目撃情報がニュースになっています。
熊本にいるクマはくまモンだけ、九州には熊はいません。
どうか熊さん、関門海峡を渡って九州に上陸しようなんて考えないでくださいね。
熊といえば40年ほど前、縁あって山形の村に滞在していたとき、その村の高齢の村長さんが熊の胆を愛飲しているという話を村役場の人から聞いたことがありました。
飲む機会が多いので、健胃作用のある熊の胆は高価だが欠かせない薬だったのだそうです。
熊の胆(熊胆とも)は熊の胆汁の入った胆のうを乾燥したもので、極めて苦い生薬としても知られています。
主成分はタウロウルソデオキシコール酸で、胆汁の分泌を促進する作用があり、飲みすぎ、胃もたれ、解熱、消炎、強心に効果を発揮します。
苦いのでオブラートに包んで飲まれることが多いようです。
江戸時代までは東北諸藩や松前藩の貴重な収入源となっていて、富山の薬売りが全国に広めました。
しかし現在は捕獲した熊からの入手は厳しく管理されているので、もっぱら輸入品に頼るしかありません。
偽物も多く、粗悪品はウシやブタが代用されていると思ってよいでしょう。
ネットで調べると、本物は10g10万円以上します。
苦くても特有の香りがあれば本物、獣臭いのであれば偽物です。
熊の胆ではなくても主成分が入った薬であれば飲んだことあるかもしれませんよ。
田辺三菱のウルソという薬がそれで、胆道疾患の治療薬として由富医院の内科医師である父も処方していました。
ドラッグストアでもタナベ胃腸薬ウルソとして売られています。
二日酔いのときに飲まれるようです。
富山土産として買い求めた漢方薬「反魂丹」にも入っていて、成分表にはセンブリやウルソデオキシコール酸のほかに牛胆末と記してありました。
熊の胆には及ばないとしても、胸やけや消化不良には効きそうです。
