「ジェンダー」が「性別」を意味するようになったのは、実は最近のこと
「ジェンダー(gender)」という言葉は、昔から「性別」を意味していたわけではありません。
もともとは、言語学における文法上の性(grammatical gender)を表す用語でした。
転機となったのは1955年です。
心理学者ジョン・マネー(John Money)が “gender role(ジェンダー・ロール)” という概念を提唱し、生物学的性別(sex)とは区別される概念として「gender」を用いました。
その後、1968年にはロバート・ストラー(Robert Stoller)が『Sex and Gender』を出版し、「gender identity(ジェンダー・アイデンティティ)」という考え方が広く知られるようになります。
さらに1970年代には、フェミニズムや社会学の分野で、
* sex = 生物学的性別
* gender = 社会的・文化的な性別
という区別が広く採用され、「ジェンダー」は現在の意味で一般的に使われるようになりました。
つまり、「ジェンダー」は何千年も前から存在する概念ではありません。
言語学の用語だった “gender” が、人間の性別を表す概念として使われ始めたのは1955年であり、社会全体へ広まったのは1970年代以降のことです。
この歴史を知ると、「ジェンダー」という概念が比較的新しい学術用語であることが分かります。
