朗読って奥深いというお話 #1「作品選び」
\お久しぶりです/ 吉史あんです。
前回の投稿「# 0 作家さんと良い関係を築きたい」からなんと1年…!!途中まで書いて止まっている「人前で読むには」は、いったん保留して、今回は「作品選び」についてお話しします。
note投稿に向き合えたのは、【企画】「あなたの旅ショートストーリー」に朗読で関わらせていただくことになったからです!
企画者のよしまるさん、お声がけありがとうございます。
小説を書かれる方、応募を考えている方にとって、何かヒントになれば嬉しいです。
☆作品を探す過程で常々感じていること☆
「旅」をテーマに、書くこと・表現することを楽しんでもらえたら──
そんなコメントをXに投稿しました。でも、そんな言葉は参考になりませんよね…!そこで今回は、朗読者として作品を探すときに「注目していること」「もったいないな〜」と感じているポイントをシェアします。
私は普段、「ショートショート異空間333歩」を、ほぼ毎月更新で運営しています。ショートショート専門の朗読チャンネルで、創設から約4年、これまでに70名の方々の作品を読ませていただきました。
お一人につき5作品ほど読んで決まることもあれば、約200作(140字小説)のデータをご提供いただき、そこからセレクトして再構成したり。朗読化の交渉にまでは至らなかったものの、作品に目を通した作家さんの数は、数百名にのぼります。
なお、「あなたの旅のショートストーリー」選考作品は 、YouTube「ものがたり美術館」で配信します。
1.タイトルって重要です!
■ 結末がすぐに想像できてしまうタイトルは、もったいないです。読み終わって「やっぱりそうだったか…」となると、感動が少し薄れてしまうことも。
■ タイトルが長めかも?と感じた方は、漢字二文字で表してみる、あるいは11文字以内におさめてみるなど、遊び感覚でトレーニングしてみるのもおすすめです。
■ 思いつかないときは「無題」でもOK!
実際に、140字小説や400字小説で無題の作品を取り上げたことがあります。noteやSNS投稿であれば問題ありませんし、「タイトルがあるかどうか」で読む・読まないを決めることは、ほとんどありません。
なお、今回の「あなたの旅のショートストーリー」企画では、タイトルの有無にかかわらず、すべての作品を丁寧に読ませていただきます!
※ただし、各種コンテストに応募する際は、それぞれの規定を守ってくださいね。
2.タイトル文字数の傾向 (棒グラフ)と実際のタイトル名
文学賞を受賞している作品タイトルには、ある傾向が見られます。
今回は、「ひなた短編文学賞(過去2年分)」と「坊っちゃん文学賞(過去7年分)」の受賞作を調査し、タイトルの “文字数” に注目してみました。もちろん、私は文学賞の主催者ではないので、応募作すべてを読んだわけではありません。それでも、上位入賞作品の傾向としてはっきり見えてきたのが、タイトルの文字数が「4〜6文字」に集中しているということです。

ひなた短編文学賞 (過去2年分) & 坊っちゃん文学賞 (過去7年分)
集計日:2025年10月8日
参照元:文学賞主催元の公式発表ページ
対象作品:
▶ひなた短編文学賞(2023〜2024年):第一回・第二回の「大賞」「双葉町長賞」「MFU賞」「準大賞」「佳作」「アイデア賞」「ティーンズ賞」 計30作品
▶坊っちゃん文学賞(2017〜2024年):第15回(ショートショート部門併設時)~第21回の「大賞」「佳作」計37作品
※英語タイトル(2作品)は、今回は傾向分析の対象から除外しました。今後の分析対象として検討中。
ひなた短編文学賞
第一回:https://restitch.jp/pages/hinatabungakusho_results
第ニ回:https://restitch.jp/pages/hinabun2024_result
坊っちゃん文学賞
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/machizukuri/kotoba/bocchan.html#cms15thsakuhin
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/machizukuri/kotoba/bocchan-ss.html
「タイトルのこと、吉史あんがどれくらい真剣に伝えたいのか」──その熱意が少しでも伝われば嬉しいです。というのも、小説の中身が素晴らしいのに、タイトルでちょっと損をしてしまっている…そんな作品に何度も出会ってきたからです(涙)。
3.文字数、ちょっと多すぎませんか?
タイトル・冒頭のつかみ・途中までが本当に素晴らしいのに、後半で失速してしまう…そんな作品を時々見かけます。とてももったいないです。
もし1,000文字で伝えきれるなら、そこでまとめてしまっても大丈夫!無理に2,000文字に広げようとすると、読み手の集中力が切れてしまうこともあります。
学生時代の「8割以上埋めなきゃ!」という作文や小論文の感覚は、ここでは一旦おやすみ。読みやすさ・伝わりやすさを優先して、自分の言葉でのびのび表現してみてくださいね。
文字数に余裕があるからといって、つい説明を重ねすぎていませんか?
ときには語りすぎず、読者の想像力に委ねてみるのも、物語の魅力を引き出すひとつの方法です。
4.漢字の読み替え作品、朗読では少し難しいかも?
アイデアが本当に素晴らしくて、私はそういう作品を読むのも大好きです♪ただ、「朗読」という手段で作品を届けるときには、耳で聞いてすぐに理解できることが最優先になります。
漢字の読み替えや言葉遊びが魅力の作品は、文字で読むととても面白いのですが、音だけで伝えるには難しさがあるんです。
もし映像(文字が視覚的にも表示される)とのコラボ前提であれば、表現の幅はグッと広がります!
──その場合は、むしろとても効果的かもしれません!
5.音読してみませんか?
作品を書き終えたら、ぜひ声に出して読んでみてください。
音読は、執筆の仕上げとしてとてもおすすめのステップです。
声に出して読むことで、作品のリズム感や構成の偏り、読みにくさに自分で気づけることがあります。実は、夏目漱石や芥川龍之介といった文豪たちも、自作を音読したり、仲間と読み合ったりしていたそうです。現代の作家では、又吉直樹さんが「自作を声に出して確認し、芸人仲間に聞いてもらう」といった話をされていたことも(どこかで小耳に挟んだ記憶です…)。
執筆に集中した後、いったん「読み手として」作品と向き合ってみることで、新たな発見があるかもしれません。
☆お薦め図書☆
短編集『BKBショートショート集 電話をしてるふり』 – Amazon

BKBショートショート小説集 電話をしてるふり
(文春文庫)
※画像クリックでAmazonページに飛びます♪
「朗読家ごときがごちゃごちゃ言いやがって…」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。わたしはめげませんよ~♪
ぜひこの一冊をご紹介させてください!
タイトルの工夫が詰まっています!
お笑い芸人・バイク川崎バイクさんによるショートショート集。
50編の物語、それぞれの「タイトル」がとにかく秀逸なんです♡
「おいおい! 24文字のタイトルが2つもあるやんけ!」
──はい、そうなんです。でも、それだけ長くなる必然があれば、もちろん全然OK!
Amazonの「サンプルを読む」から目次を確認できますが、
文庫本を手に取って、目次ページをバーンと開いたときの感動を、ぜひ味わっていただきたいです!!!
最後に
久しぶりのnote…。
結構な力作なのではないでしょうか(自分で言うタイプ)。
【企画】#あなたの旅のショートストーリー
たくさんのご応募をお待ちしております!(締切:2025年10月31日)
※クリエイターさんたちのご要望を受けまして
締切が11月3日(月・祝)に延長されました!
また、このnoteが、執筆される方のお役に少しでも立てれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
吉史あん(宅録ナレーター/朗読家)
