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ネスカフェは職場に係を1人つくった

ネスレ日本に「ネスカフェ アンバサダー」という仕組みがあります。

職場にコーヒーマシンを無料で置きます。
かわりに、その職場の誰か1人が、係を引き受けます。

豆を注文して、マシンを掃除して、飲んだ人からお金を集める。
それがアンバサダーです。

報酬はありません。

売る相手を、変えていない

よく見ると、ネスレがやったことはひとつです。

これまでは、コーヒーを飲む人に売っていました。
いまは、コーヒーを配る人に渡しています。

売る相手を変えたのではありません。
同じ人に、ちがう役をお願いしたのです。

飲む人のままなら、飽きたらやめます。
でも、係になった人はやめません。
自分がやめると、職場のコーヒーが止まるからです。

引き受けた人が、いちばん詳しくなる

係を引き受けた人は、そのうち詳しくなります。

どの豆が人気か。
誰がいつ飲むか。
マシンのどこが詰まりやすいか。

詳しくなった人は、聞かれます。
聞かれた人は、答えます。
答えているうちに、その人は職場のコーヒーの人になります。

わたしはこれを、協会でも何度も見てきました。

いちばん熱心な会員さんは、いちばん教わった人ではありません。
いちばん任された人です。

受付をやった人。
名簿をつくった人。
当日の司会をやった人。

任された人は、辞めません。

「お手伝いをお願いできますか」

だから、協会の運営で困っている方には、こうお伝えしています。

会員さんに、なにか役をお願いしてみてください。

大きなものでなくていいです。
むしろ小さいほうがいい。
会場の受付でも、写真を撮る係でも、はじめての方に声をかける係でもいい。

「お手伝いをお願いできますか」

このひとことが、その人の立ち位置を変えます。
参加する人から、支える人になります。

お金を払うと、逆になる

ここで気をつけたいことがあります。

役をお願いするときに、報酬を払うと、関係が変わります。

払ったほうは「お願いした側」になり、受け取ったほうは「引き受けた側」になります。
仕事になった瞬間に、その人はもう仲間ではなく、業者になります。

ネスカフェ アンバサダーに報酬がないのは、けちだからではないと思います。
報酬を渡すと、係の人が「職場の人」ではなく「ネスレの人」になってしまうからです。

職場の人のままだから、まわりが受け入れます。

まとめ

会員を増やそうとしている協会は、たくさんあります。
でも、増えた人がなにもしないままなら、次の年にはいなくなります。

増やす前に、役割を与えてください。

役を渡された人は、その集まりを自分のことだと思いはじめます。
そこからしか、はじまりません。


同じことを自社でやるとしたら、なにから決めればいいのか。
はじめる前に考えてほしい7つの問いを、こちらに置いています。


※ この記事は、公開されている情報だけをもとに書いています。取り上げた会社の方が読んでくださっていて、事実に違うところがあれば、教えてください。すぐ直します。
参考:ネスカフェ アンバサダー 公式ページ shop.nestle.jp

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