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思わぬ落とし穴に要注意!役員給与を見直す前に知っておきたい基礎知識

役員給与は、会社の業績や役員の職務内容などを踏まえて決まるものですが、税務上のルールも多いため注意が必要です。中途半端に変更すると「損金不算入」など、思わぬリスクが発生することもあります。そこで今回は、役員給与の基本や押さえておきたいポイントを、できるだけわかりやすくまとめました。ぜひ参考にしてください。


■ 役員給与と損金算入の基本

従業員への給与・賞与など

  • 税務上、原則として 全額が損金算入 できます。

役員への給与・賞与など(役員給与)

  • 経営者の恣意的な利益調整を防ぐ目的で、原則として 損金不算入 になります。

  • ただし、次のいずれかに該当するときは、不相当に高額な部分を除いて損金算入が認められます。

    1. 定期同額給与

    2. 事前確定届出給与

    3. 業績連動給与(※上場企業のみ)


■ 定期同額給与とは?

中小企業が採用できる代表的な方法です。次の2つの要件を満たす必要があります(税務署への届け出は不要)。

  1. 毎月(1か月以内の一定期間ごと)に支給すること

  2. 各支給時期の金額が、事業年度を通じて 同額 であること

注意!
事業年度の途中で、任意に増減すると同額でなくなるため、損金算入が認められなくなるリスクがあります。


◇ 定期同額給与の“通常改定”が認められる条件

決算終了後の定時株主総会など、毎年所定の時期に改定することが認められますが、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 期首から原則3か月以内に改定が行われること(例:3月決算法人なら6月末まで)

  2. 事業年度内で、改定前の毎月の支給額が同額であること

  3. 事業年度内で、改定後の毎月の支給額が同額であること


◇ 業績悪化に伴う“減額改定”が認められる場合

次のようなやむを得ない事情があるときは、途中で減額しても損金算入が認められます。

  1. 財務諸表の数値が 相当程度悪化 した場合

  2. 倒産の危機に瀕している場合

  3. 経営状況の悪化により、第三者(株主・債権者・取引先など)との関係上、減額せざるを得ない場合

ポイント
減額改定を行う際は、客観的かつ具体的に説明できる資料(取締役会議事録など)が必須です。「資金繰りが苦しい」など曖昧な理由だけでは、原則として損金算入が認められません。


■ 事前確定届出給与とは?

月々の報酬とは別に、あらかじめ定めた額を所定の時期に支給する給与のことです。

  • 役員に賞与を出す場合や、非常勤役員に年1回だけ給与を出す場合などに利用されます。

  • 非同族会社(オーナー経営色が薄い会社)の場合は、税務署への届出が不要になるケースもあります。

◇ 主な要件

  1. 株主総会で支給額を確定決議し、議事録を作成

  2. その議事録をもとに、1か月以内に税務署へ届出書を提出

  3. 届出書に書かれた支給日・支給額どおりに役員報酬を支給する

届出通りでなければ損金不算入!
税務署へ届出をしなかったり、支給日・金額が届出どおりでなかったりすると、全額が損金算入できなくなります


■ 役員給与を決めるときのポイント

  • 一度決めた給与額を事業年度の途中でむやみに変更しない

  • 決算時期に合わせた“通常改定”や、正当な業績悪化による減額以外は原則NG

  • 事前確定届出給与にする場合は、必ず期限内に税務署へ届出し、届出通りに支給する

役員給与の決め方を誤ると、損金算入ができず 税負担が増える などリスクが大きくなります。期中に思わぬ変更が出ないよう、経営計画や業績予測をしっかり立てたうえで、月額給与・賞与(事前確定届出給与)を検討するようにしましょう。


まとめ
役員給与は「定期同額給与」「事前確定届出給与」などのルールを守れば損金算入ができますが、途中での増減には大きなリスクが伴います。思わぬトラブルを防ぐためにも、事前準備をしっかりして、税務上の手続きや届出書の提出を忘れずに行いましょう。

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