無言勢との「豊かな」会話
無言勢っていいよねって
隣に座った「声を持たない」彼らがペンを動かすのを待つ。
彼らとの会話はゆっくりだ。VCを使う人と比べると優に倍以上の時間がかかる。
それでも、私は無言勢との会話が好きだ。話している内容や相手にもよるが、VCの相手と話すのと同じくらい。
だから、ここで言いたいのは無言勢はほかの人に迷惑をかけているとか、VCを使って欲しいとかでは決してない。
そのうえで違いがあるのは間違いないので、今回はそれをあえて言語化してまとめようと思う。
※この記事では、無言勢ではない人(VCを使う人)をVC勢と表現する。
無言勢とのコミュニケーションの特徴
無言勢と会話するときの一番の違いは何だろうか。恐らく、一番大きいのは会話のスピードだと思う。個人差やどんな文章かにもかなり依存するが、私がちょっとした短文で時間を計ってみたところ、VCと比べた時に、QVペンであれば8倍程度、テキストチャットでも2倍くらいの時間がかかった。
会話が長くなればなるほど、同じ時間で伝えられる情報量には差が出てくる。
同じ時間を過ごしたとしても、やり取りした情報量は1/2や1/8になってしまうのだ。
次に、意識の払い方。
当然だが、VC勢との会話は聴覚のみで済む。視覚の意識を払わなくていい分、裏で作業をするという人もいるだろう。一方、無言勢と会話をするときにそれはできない。目で文字を読まないといけないからだ。テキストチャットの場合であれば、送信時に音がするためその時だけ見るということもできるが、QVペンで会話をするときは目で見る以外に認識する方法はないため、基本的には常に見ておく必要がある。
集中を強制させられていいと思う一方、作業しながらVRCに入るという場合には不便になることもある。
また、落ち着いて会話しているときならいいが、グループに分かれて会話しているときやゲムワなどで視点を動かすことが多く、その無言勢を視界に入れていないとき、目の前に来てアピールをしてくれないと話していることに気づけないということも往々にしてある。
無言勢との会話の好きな部分
ここまで、素直に受け取ると欠点のように思える特徴を挙げてきた。
それでも私が無言勢との会話が好きな理由は、自分の思考をまとめる時間がとれることが大きい。頭の回転が良くない私は、普通にVCで会話をしていると思考を整理する間もなく相手にレスポンスを返すことが少なくない。しかし、無言勢との会話であれば、相手が書いている途中には相手の言いたいことの全体像が掴めるにもかかわらず、相手が書き終わるまでは返事を考えるために時間を使えるのである。
自分の頭が良くなるわけではないが、時間が多く取れることにより、VC勢と会話をしているときよりも、ちゃんとした返答ができるような気がする。
VC勢とでも焦る必要はないという人もいるかもしれないが、現実問題、相手がしゃべり終わってから数秒待たせて返事をするというのは、それこそ無言勢との会話よりもテンポが悪くなる。真面目な話をするときであればお互いに十分に考えて話していいという合意が取れるが、普段の雑談で毎度数秒待つ必要があったらコミュニケーションが苦手な人なのかな?と思われても文句は言えないだろう。
また、手書きの文字自体も好きだ。私自身、文字が汚いこともあり、文字の形自体に意味を持たせることはあまりしたくないと思っているのだが、きれいな文字や読みやすい文字、急いで書いて読みにくい文字、丸っこくて可愛い文字など、その人の性格や感情が乗った文字を見ると趣があっていいなと思うことは多い。
スピードが遅くても、テキストチャットよりはQVペンで会話してくれる方が好きだ。
私は、VRChatにいる時間の8割くらいは無言勢のフレンドと話していると思う。彼らは自分の意志を伝えながらもスムーズに会話をするために、表現を工夫してまとめ、時には枝葉を切り落としながら会話をしているのだろう。
そんな彼らの苦労に思いを馳せたり、時にはそんな苦労は無視したりしながら、これからも会話を楽しみたい。
