26.4.7 絆創膏4枚の息子が「お風呂入らない」と言う夜
「けんちゃん、海行こうよ」
昨日保育園帰りの3歳の兄けんちゃんを誘った。
「今は疲れてるんだよー」
断られた。
しかもその言い方が、
友達みたいな距離感で。
いつの間にか、
自分の気持ちをちゃんと
言葉にするようになっていた。
成長だなぁ、と少し嬉しくなった。
でも、この「自分の気持ちを言える」が
夜になると別の形で発動する。
「お風呂入らない。」
これである。
発端は海を断られた少し後のことだった。
「パパ、夜のお散歩行こ」
去年の夏に行った銭湯を
思い出したのだろうか。
不意にそんなことを言い出した。
目的があると
ご飯もお風呂もスムーズになる。
そんな打算も正直ありつつ、
シンプルに嬉しくて
私もテンションが上がった。
「いいよ。行こうか。楽しみだね。」
早めにご飯を済ませて、
妻がお皿を下げてくれた。
「パパたちは机きれいにしようか。
上と下、どっちがいい?」
「した!」
けんちゃんも
ノリノリでテーブルの下へ。
拭くふりをして「拭いたよー!」
「そうかー!
じゃあもう一回やってねー」
「やってないでしょ」とは言わない。
このやり取りを
4ラリーくらい繰り返していたら、
勢い余ってリビングで
すってんころりん。
ギャン泣き。
右足の親指を打ったらしい。
見た目にはそこまで
ひどくなさそうだけど、
本人は「痛い」と言う。
ちなみに兄けんちゃん、
今の時点ですでに
顎・くるぶし2箇所・左足の親指と、
絆創膏を4枚貼っている。
名付けて【絆創膏マン】。
そしてこの絆創膏マン、
傷が増えるたびに言うセリフがある。
「お風呂入らない。」
痛いところが濡れるのが嫌らしい。
特に足の傷は致命傷で、
入る時点で濡れるのでアウト。
以前、同じ状況になったとき、
けんちゃん自身が
「靴下を履いて入る」
という解決策を出してくれた。
それで乗り越えた実績がある。
でも今回はそれもダメ。
お風呂の直前に転んだから、
ショックが大きかったのかもしれない。
ここから私の試行錯誤が始まる。
「洗面所で髪だけ洗わない?」
ダメ。
「お風呂の床にマット敷いて、
足が濡れないようにして、
頭だけ浴槽から出して
下向きで洗わない?
床屋さんみたいに」
ダメ。
全滅である。
焦ると、つい理屈で説明したくなる。
「お風呂がどうして大切かわかる?」
「入るとスッキリして気持ちいいよね」
「暖かくなると汗もかくし、
入らないと痒くなることもあるよ」
言ったあとで気づいた。
これ、ちょっと説教臭い。
3歳の子が足を打って泣いて、
「入りたくない」と言っているときに、
正論をぶつけても届かない。
頭ではわかっていたはずなのに、
つい理詰めになってしまう自分がいた。
一旦場面を変えようと。夜の散歩の話を持ち出す。
「夜でなくても夕方でも良いか。一回お散歩いこう。」
そう私が声をかけると行きたいとのこと。
散歩が終わればお風呂入ってくれるかなと思いつつ散歩へ。
楽しい散歩となり、帰ってきたが口から出た一言は。
「お風呂入りたくない。」
一回、深呼吸。
私は無理やり連行はしたくない。
でも、何か一つ、
「できた」を作ってあげたかった。
だからこう言った。
「お風呂は入るのがいいんだよ。
でもけんちゃんの気持ちもわかる。
だから、どうしても
入りたくないなら入らなくていいよ。
その代わり、お約束しない?」
けんちゃんと相談して決めたのは、
歯磨きをすること。
洗面所で顔を洗うこと。
この2つ。
そして、けんちゃんは
自分からやってくれた。
今日はヨシ。
私の中ではそう結論を出した。
思い返すと、
お風呂を嫌がる時期は
去年の夏にもあった。
あの時は
シャンプーが目に入るのが嫌で、
シャンプーハットで乗り越えた。
でもあれから1年。
けんちゃんも変わったし、
嫌がる理由も変わった。
お風呂への向き合い方は、
妻と私で違うところもある。
そのすり合わせは正直これからの課題。
でも、今日けんちゃんが 自分から
歯磨きと洗顔をしてくれた。
それだけで「今日はヨシ」と思えた。
去年の正解が 今年の正解とは限らない。
だからまた明日も、 その日のヨシを探していく。
