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ゆく川の流れは絶えている。―私的川歩記

1つの川の川沿いを全部歩いた。きっかけは、岡田悠さんの「駅から徒歩138億年」という本。岡田悠さんは全長138kmの多摩川を何日もかけて歩ききっていたが、私の体力ではそんな所業は不可能なので、近所の約10kmの川を2日に分けて歩き切ることにした。初日は中間地点から源流へと上る。2日目は中間地点から河口へと下る。所要時間は総合して5、6時間だった。以下、1つの川を歩いて思い出に残ったことを4つあげる。

①川沿いに歩き続けるのは不可能
川にもよるかもしれないが、ただ川沿いに歩き続けるということはできなかった。途中工事しているところがあったり、住宅街で川の横の道が途絶えていたり、何度か迂回しなければならない場面に出くわした。わざわざ大回りしてそれほど面白くない道を歩く必要があるのは、川歩きにとっては結構致命的である。家と道路ばっかりで退屈だし、直線距離で行くよりも時間はかかるしで、精神的にも身体的にも辛い。しかし、つまらない道を抜け、やっと川に出会えた時の喜びはひとしおである。

②源流がほぼ干からびていた
源流と聞いて想像するのはある一点から透明な水がとくとくと流れている…みたいなエモい情景だが、今回歩いた川の源流はちょっと湿った土が一面にあるのみだった。なにこれ。源流なのに水ないじゃん。近くにいた訳知り顔のおじさんが、これでも水が増えたんだよねえ…と呟いていたが、はたから見るとどこがだよという感想しかなかった。じゃあ今まで歩いて見てきた川の水はどこから来ていたんだ。謎である。

③川が滞留しているところがあった
「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」なんて文章があるけれど、全然絶えているところがあった。数日前に台風が来て増水したはずなのに、その区間だけは水が灰色に濁り、ゴミや枯れ木がたくさん浮かんでいた。当然動物などもおらず、通行人もまばらで、同行人と「汚いね〜」「なんもいないね〜」と言い合った。川というのは、流れない部分があっても源流が干からびていても成立するという驚きがある。

④川には鳥がたくさんいる
川を歩いていて一番楽しかったのは鳥たちを見ることだった。どこの水辺にもだいたいいるカルガモをはじめ、ムクドリ、カラス、鳩、ちょっとレアなものだとコサギやアオサギ、鵜などなど。1日に30〜50羽くらい見た。近くの川にこんなにたくさん種類がいるなんて素敵なことだと思う。ただ川歩きで鳥をモチベーションにしすぎると、鳥がいない=水質が悪い区間は若干残念に感じる。

・まとめ
1つの川でも様々な流れ方・水質・生息動物が存在することが分かって楽しかった。ついでに歩き切った達成感もある。きっと他の川を歩いたら、また別の発見もあるのだろう。川歩きはあまり日を避けられるところがないのが難点なので、夏が過ぎて涼しくなったらやるのがおすすめだ。

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