社長がいなくても動く会社は、仕事ではなく判断基準を渡す。
先日、「社長が現場を離れたければ、まずはKPIでやることを絞り込みましょう!」というお話をしました。 今回は、それに加えて「価値観を共有しよう」というお話です。
以前、私のお客様で「現場から離れられない……」と嘆いていた経営者がいました。 そこで、ビジョンと価値観をベースにした行動指針を作り、現場のスタッフと共有することを提案し、実際に作っていただきました。
結果どうなったか?
作成後、その行動指針をスタッフに共有して運用したところ、
「こういう場合はどうしますか?」という確認の電話や相談が減り、社長がいなくても現場が回るようになったのです。
渡すべきは「仕事」ではなく「判断基準」
権限委譲というと、多くの社長は「仕事(タスク)」を渡そうとします。しかし、実は本当に渡さなければいけないのは、仕事ではなく「判断基準」です。もっと言えば、「仕事やお客様に対する姿勢」と言ってもいいかもしれません。
仕事の現場では、日々細かい問題が頻繁に起きています。 「その時、どうすればいいのか?」という判断が常に問われます。
スタッフに仕事を任せられないのは、「仕事が未熟だから」ではなく、「自分で判断ができない」もしくは「社長と違う判断をしてしまうから」ではないでしょうか?
そもそも、仕事が未熟だから任せられないのであれば、それは「まだ任せてはいけない人」です。その人に必要なのは、行動指針よりも前に、指導係やマニュアルです。
でも、何年も一緒に働いている現場のスタッフに任せられないのだとすれば。 それは仕事のスキルというより、仕事に関する判断や姿勢が信用しきれていないからです。
価値観が揃えば、安心して背中を任せられる
前出の社長は、会社の価値観をベースにした行動指針を作ったことで、日々の判断基準がスタッフとすり合い、安心して現場を任せられるようになりました。 価値観や仕事の姿勢が信用できれば、自然と仕事は任せられるようになるのです。
……さて、ここで一つの疑問が浮かびます。
成果は出すけど、仕事に対する姿勢が信用できない人
成果は出ていないけど、姿勢は信用できる人
こうしたパターンのスタッフには、社長はどう対応すればいいのでしょうか? 組織づくりにおいて非常に悩ましいこの問題について、次回はいくつかのパターンに分けて考えてみたいと思います。
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